私立学校の教員を辞めたいときに知っておくべきこと

私立学校の教員を辞めたいとき

私立学校の教員を辞めたいと思ったとき、公立の先生と同じ情報を読んでも、あまり答えが出てきません。公務員ではないので退職の根拠になるルールが違いますし、退職金も年金も失業手当も、公立とは別の制度で動いているからです。

この記事では、私立学校の教員が辞めることを考えたときに必要になる「制度」「お金」「手続き」「次の選択肢」を、公立との違いという軸で整理しました。数字や法令は、厚生労働省・文部科学省・e-Gov法令検索の一次情報で裏を取ったものだけを載せています。確認できなかったものは、確認できなかったと書きました。

私は公立中学校で11年、そのあと私立高校で1年勤めました。公立から私立に移ったとき、正直に言うと「同じ教員という仕事なのに、ここまで前提が違うのか」と戸惑いました。その体感と、Re-Careerに来られる私立の先生方の相談を合わせて書いています。

新川紗世 Re-Career代表

この記事の著者

新川紗世(あらかわ・さよ)|Re-Career株式会社 代表取締役

公立中学校で11年、私立高校で1年、あわせて12年、英語教員として勤務。教員時代に病休を経験し退職。その後、教員専門のキャリア支援会社を設立。著書『「やめたいかも」と一度でも思ったら読む 教員の転職思考法』。スタッフ全員が元教員のキャリア支援会社を率い、自身も延べ1,000名以上のキャリア支援に携わる。

⏱️ 30秒でわかる結論

私立を辞めるかどうかは、「私立という雇用の中で自分がどの層にいるか」を確かめてから決める

立場専任教諭・常勤講師・非常勤講師で、辞めやすさも退職金も失業手当も変わります

退職金公立と違い法人ごと。相場を調べても答えは出ません。見るのは自校の退職金規程です

お金私立は週20時間以上などの要件を満たせば原則雇用保険の対象(週20時間未満は対象外。公立は原則適用外)。2025年4月以降の自己都合退職は給付制限が原則1か月

公立へ令和7年度の公立採用は全体2.9倍・高校3.8倍で過去最低。新規採用者の44.8%が教職経験者

結論辞めるが正解とは限りません。私立の中で条件を変える道も、同じ重さで並べて選んでください

目次

「私立の教員を辞めたい」と思ったら、最初に確認する3つのこと

私立の教員が辞めたいと思ったときに最初に確認する3つのポイント

まず結論からお伝えします。私立学校の教員を辞めたいと思ったとき、最初にやることは転職サイトへの登録でも、退職届の下書きでもありません。次の3つを確認することです。

辞めるかどうかを決める前に確認する3つ

  • ①自分の雇用形態……専任教諭か、常勤講師か、非常勤講師か。雇用契約書に期間の定めがあるかどうか。ここで退職の手順もお金も全部変わります
  • ②就業規則と退職金規程……私立の退職は自治体の条例ではなく、あなたの学校法人の規程が基準です。事務室で閲覧を申し出れば見られます
  • ③辞めない場合に変えられる条件……分掌・担任・部活動・持ちコマ・系列校への異動。交渉の余地が本当にゼロなのかを、辞める判断の前に一度だけ確かめる

※この3つが分かっていない状態で出した結論は、あとで揺れ戻すことが多いです。順番だけ守ってください。

私立の先生から相談を受けていていちばん多いのが、「調べても自分に当てはまる情報が出てこない」という声です。それは検索が下手だからではなく、ネット上の教員記事の大半が公立を前提に書かれているからです。退職金の相場も、共済の話も、失業手当の話も、公立向けの記述をそのまま読むと答えを間違えます。

「公立の先生向けの記事しか出てこなくて、結局「うちはどうなんだろう」で止まってしまう。職員室で聞ける相手もいないので、辞めたい気持ちだけが宙に浮いています」
——33歳・私立中高一貫校 専任教諭・女性

なお「辞めたい」という気持ちそのものの整理(判断基準、年代別の考え方、辞めた後の生活)は、教員・教師を辞めたいと思ったら|辞める前の12の判断基準と辞めない選択肢に全部まとめてあります。この記事はその私立版という位置づけで、公立と条件が違うところだけを扱います。両方読むと、抜けがなくなります。

ちなみに、教員が「辞めよう」と決めるまでにかかった時間を当社で調査したところ、55.1%の方が「1年以上」悩んでいました。いま結論が出ないのは、あなたが決断力に欠けるからではありません。

私立教員が「辞めたい」と感じる理由|公立とは違う5つの構造

私立教員が辞めたいと感じる公立とは異なる5つの構造

私立教員が「辞めたい」と感じるとき、その理由は公立の先生とかなり違います。相談を受けていて繰り返し出てくるのは、次の5つです。

①異動がない=人間関係のリセットが起きない

公立には数年ごとの人事異動があります。合わない管理職も、合わない学年団も、最長でも数年で入れ替わる前提があるので、「あと2年」と数えて耐えることができます。私立には原則としてそれがありません。合わない相手と、定年まで同じ職員室にいる可能性がある。これは公立にはない種類のしんどさです。

系列校を複数持つ法人であれば法人内の異動が起きることもありますが、制度として毎年動くものではないので、公立の異動とは意味が違います。

②経営と教育のあいだで板挟みになる

私立学校は経営体です。生徒募集、広報、オープンスクール、進学実績、そして定員をどう埋めるか。教育の話をしているつもりが、いつのまにか経営の話になっている。この構造は公立にはほとんどありません。

入職したときに共感した建学の精神が、経営環境の変化のなかで少しずつ形を変えていくこともあります。「自分が変わったのか、学校が変わったのか分からない」という言葉を、私は何度も聞きました。

③相談先が校内で完結してしまう

公立であれば教育委員会という校外の窓口があります。私立の場合、理事長・校長の上に相談できる相手が学校内には存在しません。ハラスメントが起きたときに逃げ場が見えにくいのは、この構造のためです。

ただし、校外の窓口は私立でも使えます。総合労働相談コーナー、労働基準監督署、都道府県の私学担当部署などです。窓口の使い分けは教員のパワハラ、どこに相談する?校長・教育委員会・外部窓口の使い分けと10選に整理してあります。私立の方こそ、先に読んでおいてほしい章です。

④雇用形態によって扱いが違い、それが職員室で可視化される

専任教諭・常勤講師・非常勤講師が同じ職員室に混在し、同じ授業を持ちながら待遇が違う。しかもその違いを本人たちが知っている。この非対称は、公立の正規/臨任よりも見えやすい形で現れることがあります。詳しくは次の次の章で扱います。

⑤「辞めます」が言い出しにくい

教員数が少ない学校ほど、一人抜けたときの穴が大きくなります。そのため「お世話になったのに」「生徒を途中で放り出すのか」という感情が働き、意思表示そのものにハードルが生まれます。

「辞めたいと言うことが、裏切りみたいに感じてしまって。生徒には罪がないし、同僚にも良くしてもらったので、言い出せないまま3年が過ぎました」
——41歳・私立高校 専任教諭・男性

私自身が私立高校に1年いたとき、いちばん驚いたのがこの空気でした。公立では「異動」という言葉で処理されていた別れが、私立では「退職」という重い言葉でしか処理できない。だから話題にすること自体が難しくなるのだと思います。

「私立高校教員はやめとけ」と言われる理由と、実際のところ

私立高校教員はやめとけと言われる理由を検証する

「私立高校教員 やめとけ」という検索が実際にあります。これから私立を受けようとしている人と、いま私立にいて自分の感覚が異常なのかを確かめたい人の両方が検索しています。当社の立場を先に書きます。私立をひとくくりに「やめとけ」と言うのは正しくありません。ただし「やめとけ」と言われる根拠は実在します。

「やめとけ」と言われる根拠 実際のところ
異動がないので環境を変えられない 事実。ただし系列校のある法人、分掌や学年の入れ替えで実質的に環境が変わる学校もある。法人の規模と系列校数で大きく違う
有期契約の教員が多く、更新が読めない 学校による差が非常に大きい。求人票と労働条件通知書の「契約期間」「更新上限の有無」で判断できる(2024年4月から更新上限の明示が義務化)
給与・退職金が学校法人ごとにバラバラ 事実。公立のように条例で統一されていないため、良い学校と厳しい学校の差がそのまま出る
生徒募集のプレッシャーが強い 経営体である以上、程度の差はあれ存在する。私立を選ぶ以上、ここは織り込む必要がある
土曜授業・長期休業中の講習が多い 学校による。ただし勤務時間・休日は労働基準法が適用されるので、公立と違って割増賃金の対象になる

最後の行は、実はかなり大事です。公立の教員は給特法という特別な法律のもとにあり、時間外勤務手当が支給されない仕組みになっています。一方で私立学校の教員は労働基準法がそのまま適用される労働者です。三六協定、割増賃金、年次有給休暇。これらは私立の教員にとって「使える権利」であって、公立にはない私立側のメリットでもあります。

「やめとけ」を自分の判断に落とすときの見方

  • 学校単位で見る。「私立だから」ではなく「この法人だから」で判断する
  • 労働条件通知書を見る。契約期間・更新上限・所定労働時間・休日・賃金。ここに書いていないことは口約束です
  • 退職金規程を見る。あるのか、勤続何年から出るのか、自己都合と会社都合で差があるのか
  • 専任比率を見る。職員室に有期契約の先生が何人いるか。これは在職者にしか分かりません

「「私立は楽」と言われて入りましたが、実際は土曜も講習も当たり前でした。ただ残業代は出ますし、有給も一応取れます。公立にいた同期の話を聞くと、どちらが楽とも言えないなと思います」
——29歳・私立高校 常勤講師・男性

専任教諭・常勤講師・非常勤講師|私立の三層構造で変わること

私立学校の専任教諭・常勤講師・非常勤講師の違いを比較した表

私立学校の教員は、大きく3つの層に分かれます。この記事でいちばん読んでほしいのがこの章です。同じ「私立の先生」でも、どの層にいるかで辞め方もお金も全部違うからです。

専任教諭 常勤講師 非常勤講師
契約期間 期間の定めなし(無期)が一般的 1年など期間の定めありが多い 期間の定めあり・コマ単位
退職の申出 民法第627条:申入れから2週間で終了(就業規則の定めは要確認) 原則は契約期間の満了まで。ただし1年を超える契約は初日から1年経過後はいつでも申出可(労基法附則137条) 同左。契約書の定めを確認
社会保険 私学共済(第4号厚生年金被保険者) 所定労働時間により私学共済 要件を満たせば加入。満たさなければ国保・国民年金
雇用保険 要件を満たせば対象 あり(要件を満たす場合) 要件を満たす場合はあり
退職金 法人の退職金規程による 規程で対象外のことがある。要確認 対象外のことが多い。要確認
無期転換 (すでに無期) 通算5年超で申込権が発生(労働契約法第18条) 同左

常勤講師の方がいちばん確認すべき「5年」の話

有期の労働契約が同じ使用者との間で更新され、通算契約期間が5年を超えた場合、労働者が申し込めば使用者は承諾したものとみなされ、期間の定めのない契約に転換します。これは労働契約法第18条に定められた権利で、学校法人にも適用されます(e-Gov法令検索・労働契約法/厚生労働省有期契約労働者の無期転換サイト)。

無期転換について、誤解されやすい3点

  • 無期転換=専任教諭になること、ではありません。契約期間の定めがなくなるだけで、職名・給与・退職金の扱いが専任と同じになるとは限りません
  • 申し込まないと転換しません。5年を超えても自動では変わりません。申込みが必要です
  • 2024年4月から、更新上限の明示が義務になりました。「更新は通算4年まで」といった上限が契約書にある場合、それは事前に示されているはずです

※大学等の教員・研究者には別の特例が設けられています。大学に勤めている方はご自身の適用ルールを確認してください。

2024年4月からの労働条件明示ルールの変更では、有期契約の労働者に対して更新上限の有無と内容、無期転換の申込機会、無期転換後の労働条件を明示することが求められるようになりました(厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」)。契約更新のたびに書面をもらっていない、という方は、それ自体が確認すべきポイントです。

「常勤講師で4年目です。5年を超える前に契約を切られるのではないかと、毎年3月が怖い。でも更新上限が契約書に書いてあるかどうか、恥ずかしながら今まで見ていませんでした」
——31歳・私立中学校 常勤講師・女性

非常勤で働きながら収入を組み立てる方法は教員の非常勤講師×副業という新しい働き方に、公立側の臨時的任用(臨任)から正規を目指す道は臨時的任用教員(臨任)のキャリア戦略にまとめています。私立の常勤講師の方は、「無期転換を待つ」「専任枠のある他校へ移る」「公立の採用試験を受ける」「学校の外に出る」の4本を並べて比べるのが現実的です。

私立教員の退職金はいくら?「相場」を調べても答えが出ない理由

私立教員の退職金は学校法人の規程で決まることを示す図

「私立教員 退職金 相場」で検索して、ここにたどり着いた方が多いと思います。先に正直に書きます。相場を調べても、あなたの金額は分かりません。そして当社は、裏の取れない金額を書かない方針です。

なぜ相場が意味を持たないのか

公立の教員の退職手当は、各自治体の条例で計算方法が決まっています。だから勤続年数と給料月額が分かれば、かなりの精度で試算できます。一方で私立学校の退職金は、学校法人が定める退職金規程で決まります。統一された全国基準はありません。制度がない法人もあれば、都道府県単位の退職資金事業(例:東京都私学財団の退職資金事業のような仕組み)を通じて資金が交付される法人もあります。

つまり同じ「私立高校で15年勤めた教員」でも、法人が違えば金額が違う。これが、相場の数字を書いてもあなたの役に立たない理由です。

自分の退職金を「調べる」ための5ステップ

  • ①退職金規程があるかを確認する。就業規則とは別冊になっていることが多い。事務室に閲覧を申し出る
  • ②支給対象を確認する。専任教諭のみか、常勤講師も含むか。勤続何年から支給されるか
  • ③計算式を確認する。「基準給与×勤続年数別の支給率」が典型。基準給与が基本給なのか本俸なのかも見る
  • ④自己都合と会社都合の差を確認する。自己都合は支給率が下がる規定が一般的です
  • ⑤支給時期を確認する。退職後すぐとは限らず、数か月後になる場合があります。生活設計に直結します

※①〜⑤は、退職の意思を伝える前に確認できます。「調べたら辞める気だと思われる」と心配される方が多いのですが、就業規則・退職金規程の閲覧は労働者の当然の行為です。

公立の退職金の考え方や、勤続年数別の目安を知りたい方は教員の退職金はいくら?勤続年数別の手取り早見表と50代早期退職の注意点をご覧ください。公立の数字はあくまで「比較の物差し」として使い、ご自身の額は必ず自校の規程で確認してください。

「退職金規程を見せてほしいと事務に言ったら、あっさりコピーをくれました。身構えていたのが馬鹿らしくなるくらい普通の対応でした。中身を見て、自己都合だとかなり減ることが分かったので、退職の時期を1年ずらしました」
——45歳・私立高校 専任教諭・女性

これは、辞めるかどうかの結論を変えた話ではありません。辞めるタイミングを変えた話です。制度を知ると、こういう調整ができるようになります。

辞めたあとのお金|私学共済・雇用保険・年金は公立とここが違う

私立教員が退職した後のお金と社会保険の手続きを整理する

ここが公立と私立でいちばん大きく違うところです。公立向けの記事を読んで判断すると、確実に間違えます。

項目 公立学校の教員 私立学校の教員
医療保険 公立学校共済組合 私立学校教職員共済(私学共済)
年金 地方公務員共済(第3号厚生年金被保険者) 第4号厚生年金被保険者(厚生年金保険法第2条の5)
雇用保険 原則として適用外=失業手当が出ない 要件を満たせば適用=週20時間以上などで失業手当を受給できる(週20時間未満は対象外)
退職手当 自治体の条例で計算方法が決まっている 学校法人の退職金規程による
労働時間の法規制 給特法により時間外勤務手当が支給されない 労働基準法が適用。割増賃金・三六協定・年休の対象

私立を辞めたときの失業手当(要件を満たせば対象。公立にはない強みです)

公立の教員は雇用保険の適用外であるため、辞めても失業手当は出ません。これは公立の先生にとって、退職後の資金計画で最大の落とし穴になっています。一方、私立学校の教員は、週の所定労働時間が20時間以上などの要件を満たせば、原則として雇用保険の対象です。要件を満たしていれば、退職後にハローワークで手続きをして基本手当を受けられます。

ただし、私立なら全員が加入しているわけではありません。1週間の所定労働時間が20時間未満の人は適用除外で(雇用保険法6条1号)、同じ事業主のもとで31日以上雇用される見込みがない場合も対象外です(同条2号)。コマ数の少ない非常勤講師は、ここで外れることがあります。学校法人等の事業も、長が申請して都道府県労働局長の承認を受けると適用除外になる仕組みがあります(雇用保険法施行規則4条1項3号。実際に承認を受けた学校法人があるかは確認できていません)。

また、加入と受給は別です。基本手当には「離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算12か月以上」という受給要件があります(雇用保険法13条1項)。倒産・解雇や雇止めなど(特定受給資格者・特定理由離職者)に当たる場合は「1年間・6か月以上」に緩みます(同13条2項)。なお、病気やけがなどで引き続き30日以上、賃金が支払われなかった期間があるときは、その日数を2年に足して数えます(上限4年。同13条1項の括弧書き)。長く病気休職していた方が、それだけで対象外になるわけではありません。

自分がどちら側かは、給与明細の控除欄に「雇用保険料」の天引きがあるかどうかで確かめてください。

そしてここが2026年時点で必ず更新しておきたい点です。正当な理由のない自己都合退職の給付制限は、2025年4月1日以降に離職した方については原則2か月から1か月に短縮されました。ただし5年間で3回以上の自己都合離職の場合は3か月です(厚生労働省「令和6年雇用保険制度改正(令和7年4月1日施行分)について」)。また、離職期間中または離職日前1年以内に一定の教育訓練を自ら受けた場合には、給付制限そのものが解除される仕組みも同時に始まっています。

よく混同される「待期」と「給付制限」

  • 待期(7日間)……離職理由にかかわらず全員に共通。この7日間は手当が出ません
  • 給付制限……正当な理由のない自己都合退職の場合に、待期のあとに上乗せされる期間。2025年4月1日以降の離職は原則1か月
  • 会社都合・特定受給資格者などに該当する場合は、給付制限がつきません

※以前このページには「約2か月の待機期間」と書いてありました。2025年4月の改正前の情報かつ用語も不正確だったため、今回の更新で訂正しています。

失業手当そのものの金額計算・手続きの流れ・公立の先生が代わりに使える制度は教員が辞めたら失業保険はもらえる?公立は対象外でも届く5つのお金制度にまとめています。私立の方は「対象になる側」として読んでください。

私学共済は辞めたらどうなるか

退職すると私学共済の加入者資格を失います。医療保険は次のいずれかを選ぶことになります。

①任意継続加入者になる/②国民健康保険に入る/③家族の被扶養者になる/④次の勤務先の健康保険に入る

このうち①には期限があります。私立学校教職員共済法第25条は国家公務員共済組合法を準用しており、同法第126条の5により、退職の日の前日まで引き続き1年以上加入者であった人が、退職の日から起算して20日を経過する日までに申し出ることで、引き続き短期給付を受けられます。そして任意継続加入者となった日から2年を経過すると資格を失います(e-Gov法令検索・私立学校教職員共済法/国家公務員共済組合法)。

20日という期限が、退職後のスケジュールを縛ります

  • 退職日を決める段階で、任意継続にするか国保にするかを先に考えておく
  • 掛金の額や具体的な手続きは日本私立学校振興・共済事業団に確認する(本記事では掛金の数字は扱いません)
  • 国保の保険料は前年の所得で決まるため、退職1年目は高くなりやすい。市区町村の窓口で試算してもらえます

年金については、私学共済の加入者は第4号厚生年金被保険者です。退職して民間企業に移れば第1号厚生年金被保険者に、無職になれば国民年金第1号被保険者に切り替わります。種別が変わることで何が起きるかは教員の転職と年金|共済年金から厚生年金に変わるとどうなる?に整理しています。(公立側の共済制度については公立学校共済組合で使える制度5つをどうぞ。私立の方は「自分には当てはまらない制度」を確認する目的で読むと役に立ちます。)

私立教員の退職手続き|就業規則・年度途中・引き止めへの対処

私立学校の教員が退職届を出すまでの手続きの流れ

ここからは実務の話です。私立の退職手続きは、「法律の下限」と「就業規則の定め」の二階建てで考えると迷いません。

法律上、いつまでに言えばいいのか

期間の定めのない雇用契約の場合、民法第627条第1項により解約の申入れから2週間を経過することで雇用は終了します(e-Gov法令検索・民法)。期間の定めがある契約で、その期間が1年を超えるものについては、労働基準法附則第137条により契約の初日から1年を経過した日以後はいつでも退職を申し出ることができます(e-Gov法令検索・労働基準法)。

ただし、これはあくまで法律上の下限です。就業規則に「退職の3か月前までに申し出ること」といった定めがある学校は珍しくありません。円満に辞めたいなら就業規則に従い、どうしても難しい事情があるなら法律の下限が守ってくれる——この二段構えで考えてください。

年度途中で辞めることについて

私立の場合も、担任や教科の引き継ぎを考えれば年度末が望ましいのは確かです。ただ「年度途中は絶対に無理」ではありません。心身の不調が理由なら、退職の前に休職や病気休暇が使える学校もあります(教員の休職制度を徹底解説|休職中にできるキャリアの見直し方。公立の制度が中心ですが、考え方の枠は共通です。私立は必ず自校の規程で確認してください)。

退職を伝えるときの順番

  • ①口頭で、直属の管理職に。いきなり書面を出さない。時間をもらって面談の形にする
  • ②理由は「一身上の都合」で足ります。詳細を説明する義務はありません
  • ③退職届は書面で、控えを取る。提出日を記録する。メールなら送信履歴が残ります
  • ④退職日と最終出勤日を分けて決める。年休の消化日数を先に計算しておく
  • ⑤離職票・源泉徴収票・雇用保険被保険者証の受け取りを確認する。離職票がないと失業手当の手続きが進みません。貸与物(PC・鍵・名札など)の返却も一覧にしておく

引き止められたときに

「来年度まで」「後任が決まるまで」「生徒のことを考えて」。私立ではこの3つがよく出てきます。揺れるのは自然なことです。ただ、退職は労働者の権利であって、学校法人の許可を得る手続きではありません。

そのうえで、私が相談の場でお伝えしているのは「引き止めに応じて残るなら、条件を必ず変えてもらう」ということです。持ちコマ、担任、分掌、部活動の主顧問。何も変わらないまま残ると、翌年また同じ場所に戻ってきます。

「3月に辞めますと言ったら、『せめて9月まで』と言われて残りました。結局その9月にもう一度同じやりとりをして、条件は何も変わっていませんでした。残るなら、そのときに何を変えてもらうかまで決めておくべきでした」
——38歳・私立中高一貫校 専任教諭・女性

「私立 教員 引き抜き」の実際|声をかけられたときに確認する7項目

私立教員が引き抜きの話を受けたときに確認すべき項目

「私立 教員 引き抜き」という検索が一定数あります。私立の教員採用は、公募だけでなく、知人経由や研究会・部活動の大会でのつながりから声がかかることが実際にあります。ただし、それがどれくらい一般的かを示す統計は存在しません。ここでは頻度の話はせず、相談を受けてきた経験から「声をかけられたときに何を確認するか」だけを書きます。

引き抜きの話が来たときに確認する7項目

  • ①雇用形態……専任教諭としての採用か、常勤講師からのスタートか。ここが最重要です
  • ②契約期間と更新上限……有期なら期間は何年か。更新上限は設定されているか
  • ③試用期間……期間の長さと、その間の待遇。本採用の判断基準
  • ④賃金の内訳……基本給・諸手当・賞与の実績。「前職より上げます」だけでは判断できません
  • ⑤退職金規程の適用……勤続何年から対象か。前職の勤続年数は通算されないのが一般的です
  • ⑥担当教科・分掌・部活動……何を期待されて呼ばれたのか。部活動指導が主目的の場合は要注意
  • ⑦以上をすべて、労働条件通知書という書面で受け取る……口約束は残りません

※⑦を断られる、あるいは「入ってから決めましょう」と言われる場合、その一点だけで判断材料になります。

とくに⑤は見落とされがちです。転職すると、勤続年数は新しい法人でゼロから積み上がるのが一般的です。いまの学校であと数年勤めれば退職金の支給率が上がる段階にいる場合、移る時期を1年ずらすだけで手元に残る金額が変わることがあります。前章の「退職金を調べる5ステップ」を先にやっておく理由がここにあります。

引き抜きの誘いを「断る」「保留する」も選択肢です

声をかけてもらえたこと自体はうれしいものです。ただ、いま辞めたい気持ちがあるときに来た誘いは、「その学校がいいから」ではなく「ここから出たいから」で受けてしまいがちです。それで移ると、同じ構造の学校に移っただけということが起こります。

「大会で知り合った先生から「うちに来ないか」と言われて舞い上がりました。条件を書面でくださいとお願いしたら、話がそのまま立ち消えになったんです。結果的に、確認してよかったと思っています」
——36歳・私立高校 専任教諭・男性

他の私立に移ること自体は、まっとうな選択肢です。公募で探すなら各校の公式サイト、都道府県私学協会の求人情報、私立中高の教員に特化した紹介サービスなどがあります。一般的な転職サービスの選び方は教員・教師の転職サイト&エージェント比較15選にまとめてあり、そちらが本編です。この記事では「私立から私立へ移るときに固有の確認事項」だけを扱っています。

私立から公立へ|教員採用試験のいまと「教職経験者」の位置づけ

私立教員が公立の教員採用試験を受けるときのデータ

「公立 やめて 私立教員」「私立教員 公立教員 どっち」といった検索がある一方で、私立から公立へ移りたいという相談も同じくらいあります。ここは制度の追い風が吹いている領域なので、正確な数字で見ておきましょう。

公立の採用倍率は過去最低の水準にある

文部科学省が公表した令和7年度(令和6年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況によると、全体の競争率(採用倍率)は2.9倍で過去最低、前年度の3.2倍から低下しました。試験区分別では次のとおりです。

試験区分 競争率(採用倍率) 受験者数 採用者数
小学校 2.0倍(過去最低) — 17,078人
中学校 3.6倍(過去最低) — 10,168人
高等学校 3.8倍(過去最低) 19,705人 5,152人
特別支援学校 2.0倍 7,252人 3,650人
全体 2.9倍(過去最低) — 37,375人

出典:文部科学省「令和7年度(令和6年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況等のポイント」(令和7年12月25日公表)。

そして、採用される人の多くが「教職経験者」です

同じ調査の参考資料・第6表には、採用者に占める教職経験者の数と割合が載っています。ここでいう教職経験者とは、公立学校教員採用前の職として国公私立学校の教員であった者を指します。つまり私立学校での勤務経験は、この「教職経験者」に含まれます。

区分 採用者数 うち教職経験者 割合
小学校 17,078人 6,313人 37.0%
中学校 10,168人 4,794人 47.1%
高等学校 5,152人 2,755人 53.5%
特別支援学校 3,650人 2,067人 56.6%
養護教諭 1,164人 717人 61.6%
計 37,375人 16,727人 44.8%

出典:文部科学省同 参考資料1(第1〜23表)第6表。

高等学校では、新規採用者の半数以上が教職経験を持っている人でした。「私立からでは不利なのでは」という不安は、この数字を見る限り根拠が薄いと言えます。

私立から公立を目指すときに確認すること

  • 受験する自治体の年齢制限と、教職経験者・社会人向けの特別選考の有無
  • 特別選考では一次試験の一部免除がある自治体があります。実施内容は自治体ごとに違います
  • 前歴加算(私立での勤務年数が採用後の給料にどう反映されるか)は自治体の給与条例によります。当社では自治体ごとの取り扱いを確認できていないため、受験する教育委員会に直接確認してください
  • 働きながらの受験になるため、出願時期と一次試験の日程を年間予定表に先に入れる

「私立で6年やって、公立を受け直しました。面接で私立での担任経験をそのまま話せたのが良かったと思います。「教職経験者」という扱いで見てもらえたのは、正直ありがたかったです」
——32歳・元私立中学校 専任教諭→公立中学校教諭・女性

逆に、公立から私立へ移ることを考えている方は、この記事の第3章(やめとけと言われる根拠)と第4章(三層構造)を入る前のチェックリストとして使ってください。入ってから知ると、選び直しのコストが大きくなります。

学校の外へ|私立教員の経験が活きる転職先と、伝え方

私立教員の経験が民間企業でどう評価されるかを示す図

学校の外に出る道も、当然あります。私立教員の経験は、公立の教員経験にはない要素を含んでいます。

私立ならではの経験 ビジネスの言葉に翻訳すると
生徒募集・広報・オープンスクール 集客/マーケティング/イベント企画運営
進学実績の設計と説明 目標設計とKPI管理/実績の可視化と対外説明
保護者への説明責任(学費を払う顧客でもある) 顧客折衝/期待値調整/クレーム対応
建学の精神に沿ったカリキュラム開発 事業コンセプトに沿ったコンテンツ設計
系列校・法人本部との調整 社内他部署との横断調整

公立の先生が転職で苦労しやすいのは「経営や集客の経験がない」ことなのですが、私立の先生はここを持っていることが多い。これは職務経歴書に書ける、はっきりした強みです。

具体的な転職先の候補は教員・教師からの転職先おすすめ15選、高校教員から民間企業へ移る場合の教科別の考え方は高校教員から民間企業への転職完全ガイド、書類の書き方は教員・教師の職務経歴書テンプレートにまとめています。40代の方は40代教員の転職完全ガイドも併せてどうぞ。

「私立で10年勤めましたが、「ここにいたら一生同じ」と思ったとき、初めて外の世界を見ようと決心しました。公立出身の方より退職手続きが複雑でしたが、事前に調べておいたおかげでスムーズに進みました」
——Kさん・30代・元私立中高一貫校教員→人材系企業

Kさんが言う「複雑」は、就業規則・退職金規程・私学共済・雇用保険という4つをそれぞれ別の場所で確認しなければならないことを指しています。公立なら共済組合の窓口にほぼ集約されているのですが、私立は分散しています。この記事の前半をチェックリストとして使ってもらえれば、その分散は整理できます。

辞めない選択肢|私立の中でできる4つの調整

私立学校を辞めずに条件を変える4つの方法

ここまで辞める前提の話が続きましたが、当社の立場ははっきりしています。辞めるが正解じゃない。選択肢を持つことが正解です。私立の中でできる調整を、最後に4つ並べます。

調整 具体的に何をするか 向いている状況
①分掌・担任・部活動を変える 次年度の希望調査、または管理職との面談で明確に要望を出す。「減らしてほしい」ではなく「この分掌なら続けられる」と伝える 仕事量が原因。人間関係は悪くない
②系列校への異動を打診する 法人が複数校を持っている場合のみ。人事権は法人にあるので、校長ではなく法人本部の意向が効く 職員室の人間関係が原因
③常勤講師→専任、あるいは無期転換を目指す 専任枠の空きがいつ出るかを把握する。同時に通算契約期間を自分で数えておく(労働契約法第18条) 将来の不安定さが原因
④休職・病気休暇を先に使う 心身の不調があるなら、辞めるより先に。私立は法人の規程によるため、まず就業規則を確認 眠れない・食べられない・涙が出るなど、体に出ている

④は特に強調させてください。体に症状が出ている状態で下した決断は、あとから見ると自分の意思ではないことが多いです。まず止まる。回復してから決める。この順番だけは崩さないでください。

キャリア全体の設計図を先に描きたい方は教員のキャリアプラン完全ガイド|5つの選択肢×年代別戦略を、実際に辞めた人がその後どうなったかを知りたい方は教員を辞めた後の幸せな人生|元教員100人のリアルな声をご覧ください。

私が私立高校に勤めたのは1年間だけでしたが、その1年で「公立の常識は私立の常識ではない」ということを、毎日のように実感しました。逆に言えば、私立で当たり前になっていることも、外に出れば当たり前ではありません。いまの職員室の基準だけで自分を測らないでほしいと思います。

よくある質問

Q. 私立の教員は年度途中でも辞められますか?

A. 法律上は可能です。期間の定めのない契約なら民法第627条第1項により、解約の申入れから2週間を経過することで雇用は終了します。期間の定めがあり、その期間が1年を超える契約の場合は、労働基準法附則第137条により契約初日から1年を経過した日以後はいつでも申し出ることができます。ただし就業規則に「○か月前までに申し出る」という定めがあることが多いので、円満に辞めたいのであれば、まず自校の就業規則を確認してください。

Q. 私立教員の退職金はいくらくらいですか?

A. 金額をお伝えできません。公立と違って全国統一の計算方法がなく、学校法人ごとの退職金規程で決まるためです。当社は裏の取れない数字を書かない方針なので、相場も書きません。その代わり、①退職金規程の有無 ②支給対象(常勤講師が含まれるか)③計算式 ④自己都合と会社都合の支給率の差 ⑤支給時期、の5点を事務室で確認する手順を本文にまとめました。この5点が分かれば、あなた自身の金額が分かります。

Q. 私立を辞めたら失業手当はもらえますか?公立とは違うと聞きました。

A. 私立学校の教員は、週の所定労働時間が20時間以上などの要件を満たせば、原則として雇用保険の対象です。ただし週20時間未満の人は適用除外で(雇用保険法6条1号)、同じ事業主のもとで31日以上雇用される見込みがない場合も対象外です(同条2号)。加入していても、基本手当には「離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上」が必要です(同13条1項)。特定受給資格者・特定理由離職者は「1年間・6か月以上」に緩み、病気やけがで引き続き30日以上賃金が支払われなかった期間は、その日数を2年に足して数えます(上限4年)。公立学校の教員は原則として雇用保険の適用外なので、ここは私立の方が有利な点です。なお2025年4月1日以降に離職した方については、正当な理由のない自己都合退職の給付制限が原則2か月から1か月に短縮されています(5年間で3回以上の自己都合離職の場合は3か月)。判定は給与明細の控除欄に「雇用保険料」があるかどうかで確かめてください。

Q. 私学共済は退職したらどうなりますか?

A. 加入者の資格を失います。医療保険は①任意継続加入者になる ②国民健康保険に入る ③家族の被扶養者になる ④次の勤務先の健康保険に入る、のいずれかを選びます。①には期限があり、退職の日の前日まで引き続き1年以上加入者だった方が、退職の日から起算して20日を経過する日までに申し出る必要があります。任意継続加入者となった日から2年を経過すると資格を失います。掛金の額や具体的な手続きは、日本私立学校振興・共済事業団に直接ご確認ください。

Q. 常勤講師です。5年働けば専任教諭になれますか?

A. なりません。労働契約法第18条の無期転換は、通算契約期間が5年を超えた有期契約労働者が申し込むと「期間の定めのない契約」になる制度で、職名・給与・退職金の扱いが専任教諭と同じになることを保証するものではありません。また、申し込まなければ自動的には転換しません。2024年4月から更新上限の明示が義務化されているので、まずご自身の労働条件通知書に更新上限が書かれているかを確認してください。

Q. 「私立高校教員はやめとけ」は本当ですか?

A. 私立をひとくくりに評価するのは無理があります。異動がない、有期契約が使われている、給与・退職金が法人ごとに違う、という「やめとけ」の根拠自体は実在しますが、その程度は学校法人によってまったく違います。一方で、私立の教員には労働基準法が適用されるため、割増賃金や年次有給休暇といった、公立の教員にはない権利があります。判断するなら「私立だから」ではなく「この法人だから」で見てください。

Q. 他の私立から引き抜きの話がありました。受けても大丈夫でしょうか?

A. 受けてよいかどうかは条件次第です。①雇用形態(専任か常勤講師か)②契約期間と更新上限 ③試用期間 ④賃金の内訳 ⑤退職金規程の適用 ⑥担当教科・分掌・部活動、を確認し、⑦それらを労働条件通知書という書面で受け取ってください。書面を出せないと言われる場合は、その一点で判断材料になります。なお転職すると勤続年数はゼロから積み直しになるのが一般的なので、今の学校の退職金の支給率も先に確認しておくことをおすすめします。

Q. 私立から公立の教員に移ることはできますか?

A. できます。教員免許があれば各自治体の採用選考を受験できます。令和7年度(令和6年度実施)の公立学校教員採用選考では、全体の競争率が2.9倍、高等学校が3.8倍で、いずれも過去最低でした。また採用者に占める「教職経験者」(採用前の職が国公私立学校の教員であった者)の割合は全体で44.8%、高等学校では53.5%です。私立での勤務経験はこの教職経験者に含まれます。年齢制限や特別選考の内容、前歴加算の取り扱いは自治体ごとに違うので、受験先の教育委員会にご確認ください。

Q. やっぱり辞めないという結論でもいいのでしょうか?

A. もちろんです。当社は「辞めるが正解じゃない。選択肢を持つことが正解」という考え方で運営しています。分掌や担任を変える、系列校への異動を打診する、無期転換や専任化を目指す、休職・病気休暇を先に使う。私立の中でできる調整は複数あります。大事なのは、辞める道と辞めない道を同じ精度で調べたうえで選ぶことです。調べずに残るのと、調べたうえで残るのは、来年の同じ時期にまったく違う結果になります。

まとめ

  • 私立学校の教員は公務員ではなく学校法人の労働者。退職の根拠は自治体の条例ではなく、自校の就業規則と労働契約です
  • まず自分の雇用形態(専任教諭・常勤講師・非常勤講師)を確定させる。ここで辞め方もお金も全部変わります
  • 退職金に相場はありません。学校法人の退職金規程を見るしかない。支給対象・計算式・自己都合の支給率・支給時期の4点を確認
  • 私立は週20時間以上などの要件を満たせば原則として雇用保険の対象。週20時間未満は適用除外。2025年4月1日以降の離職なら、正当な理由のない自己都合退職の給付制限は原則1か月
  • 私学共済の任意継続は退職日から起算して20日を経過する日までに申出。加入者期間1年以上が要件で、最長2年
  • 常勤講師は通算5年超で無期転換の申込権(労働契約法第18条)。ただし無期転換は専任教諭になることとは違います
  • 引き抜きの話は7項目を労働条件通知書で確認してから。勤続年数はゼロから積み直しになるのが一般的です
  • 公立への転身は全体2.9倍・高校3.8倍と過去最低の倍率。採用者の44.8%(高校は53.5%)が教職経験者で、私立の経験もここに含まれます
  • 辞めるが正解じゃない。分掌の変更・系列校への異動・無期転換・休職。私立の中で変えられる条件を先に確かめてください




Re-Career代表 新川紗世
元教員が運営するキャリア支援

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Re-Careerは元教員が立ち上げた、教員専門のキャリア支援サービスです。
「辞める/続ける/変える」どの選択でも、お金とキャリアの両面で伴走します。