教員・教師の退職の挨拶|離任式・職員室・保護者への手紙・挨拶状の例文17選【場面別】

教員の退職の挨拶 離任式・職員室・保護者・挨拶状 場面別の例文17選

教員・教師の退職の挨拶は、離任式・職員室・保護者への手紙・退職のあいさつ状で、相手も長さも話す中身も変わります。この記事では、そのまま形を借りられる例文を場面別に17本まとめました。辞める理由や転職先をどこまで話すかも、元教員が解説します。異動の挨拶との違いも、あわせてまとめています。

例文はすべて、この記事のために作った作例です。学校名・年数・行事は、ご自身のものに置きかえて使ってください。

新川紗世 Re-Career代表

この記事の著者

新川紗世(あらかわ・さよ)|Re-Career株式会社 代表取締役

公立中学校で11年、私立高校で1年、あわせて12年、英語教員として勤務。教員時代に病休を経験し退職。その後、教員専門のキャリア支援会社を設立。著書『「やめたいかも」と一度でも思ったら読む 教員の転職思考法』。スタッフ全員が元教員のキャリア支援会社を率い、自身も延べ1,000名以上のキャリア支援に携わる。

⏱️ 30秒でわかる結論

退職の挨拶は「感謝」「思い出1つ」「相手へのエール」の3つで足ります。辞める理由と次の仕事は、話さなくても失礼にはなりません。

離任式子ども向け。1つの思い出と、これからの子どもたちへの一言

職員室同僚向け。感謝と、具体的に助けられた場面を1つ

保護者学級通信や手紙。感謝と、後を引き継ぐ体制への安心

挨拶状お世話になった方へのはがき。年賀状で兼ねてもよい

理由・次の仕事「新しい道に進みます」で十分。全部話さなくていい

教員の退職の挨拶は場面で変わる|先に結論と早見表

挨拶の場面ごとに付箋で整理するイメージ

最初に、場面ごとの違いを一覧にしておきます。どの場面でも、骨組みは「感謝 → 思い出を1つ → 相手へのエール」の3つです。変わるのは、相手と、ことばの選び方と、長さです。

場面 主な相手 長さの目安 入れること
離任式 子ども(全校・学年) 学校から言われた時間に合わせる 思い出1つ/子どもへの期待/感謝
職員室の最終日 同僚・管理職 短め(立ったまま聞ける長さ) 感謝/助けられた場面/学校へのエール
送別会 同僚 職員室より少し長くてよい くだけた思い出/個人名でのお礼
保護者への手紙 担任・担当した子の保護者 A4の半分〜1枚 感謝/引き継ぎへの安心/子どもへの願い
退職のあいさつ状 お世話になった先生方・知人 はがき1枚 退職の報告/感謝/今後の連絡

長さの目安は、私の考える使いやすさの目安です。決まりがあるわけではありません。離任式の持ち時間などは学校ごとに違うので、案内された時間を優先してください。

この記事は「辞めると決めたあと」の挨拶の話です。退職を管理職にいつ・どう伝えるかは 教員が退職を「いつ言う」ベスト?年度末3ヶ月前ルールと切り出し方 に、年度の途中で辞める場合の手順は 教員から転職して年度途中に辞める方法 にまとめています。

この記事では、手続きや時期の決まりにはできるだけ触れず、「何を話すか・どう書くか」に絞っています。

教員の退職の挨拶で話すこと・話さないこと|辞める理由と転職先はどこまで言う?

退職の挨拶で何を話すか迷う

退職の挨拶で、いちばん迷うのがここだと思います。「なぜ辞めるのか」「次は何をするのか」を、どこまで話すか。

結論から言うと、どちらも話さなくて失礼にはなりません。挨拶の目的は、感謝を伝えて区切りをつけることです。理由の説明は、挨拶の役目ではありません。

辞める理由は「嘘をつかず、全部は言わない」

理由を聞かれたときに、作り話をする必要はありません。でも、全部を話す必要もありません。本当の理由のうち、人前で言ってよい部分だけを短く言えば足ります。

・新しい分野に挑戦したい → 「新しいことに挑戦してみようと決めました」

・家庭の事情 → 「家庭のことを優先したいと考えました」

・体調 → 「体を整えることを優先します」

・はっきり言いたくない → 「自分なりに考えて、次の道に進むことにしました」

「働き方がつらかった」「人間関係で消耗した」が本当の理由でも、挨拶の場で言う必要はありません。言わないことは、嘘をつくこととは違います。

次の仕事は「方向」だけで十分

転職先が決まっていても、社名まで言う必要はありません。「教育に関わる仕事を続けます」「学校の外で、これまでの経験を生かせる仕事に就きます」のように、方向だけで挨拶は成り立ちます。

まだ次が決まっていないなら、「少し休んでから、次のことを考えます」で大丈夫です。決まっていないことを、決まっているように話す必要はありません。

挨拶に入れないほうがいいこと

・学校や管理職、同僚への不満(最後の一言は長く残ります)

・「本当は辞めたくなかった」のような、聞いた人が責任を感じてしまう言い方

・子どもの個人名を出したエピソード(全校の前では特に)

・転職先の詳しい条件や待遇の話

「辞めることを話す」こと自体に、負い目を感じなくて大丈夫です。そう感じてしまう先生を、私はたくさん見てきました。この点は、記事の最後の章でもう一度お話しします。

離任式の挨拶 例文|退職する先生が子どもの前で話すとき

離任式で子どもに向けて話す

離任式(退職する先生の分を「退任式」と呼んだり、「離退任式」とまとめて行ったりする学校もあります)は、子どもに向けて話す場です。大人に向けた挨拶とは、ことばの選び方が変わります。

離任式の挨拶の組み立て

・呼びかけ(「〇〇小学校のみなさん」)

・思い出を1つだけ(行事・授業・日常の場面)

・子どもたちへの期待やエール

・感謝と、お別れのことば

思い出は1つに絞るほうが、子どもの記憶に残ります。「運動会も、合唱祭も、修学旅行も…」と並べるより、1つの場面を短く描くほうが伝わります。

例文|小学校・全校の子どもに向けて

〇〇小学校のみなさん、こんにちは。〇年〇組の担任をしていた〇〇です。

わたしは、この3月で先生のお仕事をやめて、新しいことに挑戦することにしました。

この学校での〇年間で、いちばん心に残っているのは、毎朝の「おはようございます」の声です。眠そうな日も、元気な日も、みなさんのあいさつから1日が始まりました。

これからも、その元気なあいさつを続けてください。みなさんと過ごした時間は、先生の宝物です。本当にありがとうございました。

例文|中学校・担任していた学年に向けて

〇年生のみなさん、そして全校のみなさん。〇〇です。

わたしは今年度で教員を退職し、学校の外で、新しい仕事に挑戦します。

この学年とは、1年生のときから一緒でした。体育祭の学年リレーで、最後まで声を出し続けたみなさんの姿を、今でもよく覚えています。

中学校の残りの時間は、思っているより短いです。うまくいかない日があっても、それも含めて大事な時間です。

みなさんのこれからを、学校の外から応援しています。ありがとうございました。

例文|高校・生徒に向けて

〇〇高校のみなさん、〇〇です。

わたしはこの3月で教員を退職し、次の道に進むことにしました。

授業で、みなさんが自分のことばで意見を言えるようになっていく姿を見るのが、何よりの楽しみでした。

進路を決めるときに、「これしかない」と思わなくて大丈夫です。道は、思っているよりたくさんあります。わたしも、新しい道で頑張ります。本当にありがとうございました。

高校では、進路の話に重ねると、生徒にとっても自分ごとになりやすいです。

例文|短く話したいとき(30秒以内)

みなさん、〇〇です。わたしはこの3月で教員を退職します。

みなさんと過ごした毎日が楽しかったです。これからも、みなさんらしく元気に過ごしてください。ありがとうございました。

話すのが苦手な方、気持ちがいっぱいになりそうな方は、短い形で十分です。

離任式は、3月の修了式のころに行う学校もあれば、新年度の4月に行う学校もあります。4月に行う学校では退職したあとの挨拶になるので、例文の「この3月で退職します」は「この3月で退職しました」のように、言い方を変えて使ってください。

「先生をやめる」と子どもに伝えるかどうか、伝えるならどのことばにするかは、学校の方針もあります。「別の仕事に就きます」と言うか、「お別れです」とだけ言うかも含めて、事前に管理職と話しておくと安心です。

職員室での退職の挨拶 例文|最終日・送別会・管理職へのお礼

職員室で同僚に挨拶する

職員室での挨拶は、同僚に向けた「最後の一言」です。朝の打ち合わせや最終日の終わりなど、場面は学校によって違いますが、長く話す場ではないことが多いと思います。

職員室の挨拶の組み立て

・退職の報告(「本日で〇〇を退職いたします」)

・感謝(「〇年間、本当にお世話になりました」)

・具体的に助けられた場面を1つ

・学校と先生方へのエール

例文|最終日・職員室で

本日をもちまして、〇〇中学校を退職いたします。〇年間、本当にお世話になりました。

特に〇年目、学年が落ち着かなかった時期に、先生方が交代で教室をのぞいてくださったことは、今でも忘れられません。あのとき支えていただいたおかげで、最後まで子どもたちと向き合うことができました。

至らないところも多かったと思いますが、温かく見守っていただき、ありがとうございました。先生方のご健康と、〇〇中学校のますますのご発展をお祈りしております。

例文|朝の打ち合わせで短く

お時間をいただき、ありがとうございます。〇〇です。本日で退職となります。

〇年間、たくさん助けていただきました。本当にありがとうございました。

例文|送別会で

今日はこのような会を開いていただき、ありがとうございます。

〇年前、右も左も分からなかったわたしに、学年の先生方が「とりあえず一緒にやろう」と声をかけてくださったのが始まりでした。行事の前の夜、職員室に残って準備をした時間も、今ではいい思い出です。

わたしはこれから、学校の外で新しい仕事に挑戦します。ここで学んだことは、どこへ行っても役に立つと思っています。本当にありがとうございました。

送別会は、職員室より少しくだけてもかまいません。個人名でお礼を言うのもこの場が向いています。

例文|校長・教頭(副校長)に個別にお礼を伝えるとき

〇年間、大変お世話になりました。退職のお話をしたときも、最後まで話を聞いてくださり、ありがとうございました。

ご迷惑をおかけしたこともありましたが、この学校で働けてよかったと思っています。どうぞお体に気をつけてお過ごしください。

例文|学年・教科の先生、事務・用務の方へ(ひと言)

〇〇先生、〇年間ありがとうございました。授業のことでいつも相談に乗っていただいて、本当に心強かったです。

〇〇さん、いつも細かいところまで助けていただき、ありがとうございました。

全体の挨拶とは別に、個別の一言を添えると気持ちが伝わります。

職員室の挨拶では、「これからの学校をよろしくお願いします」と残る人に託すことばで締めると、聞いている人も受け取りやすくなります。

保護者への退職の挨拶・手紙 例文|学級通信・年度途中の場合

保護者への手紙をペンで書くイメージ

担任や教科担当として関わった子の保護者には、学級通信や手紙で挨拶をする方法があります。保護者にとって一番気になるのは、「子どもがこの先困らないか」です。感謝に加えて、引き継ぎへの安心を一言入れると届きやすくなります。

保護者への挨拶の組み立て

・日ごろの協力への感謝

・退職の報告(理由は簡潔に、または書かない)

・子どもたちの成長で心に残っていること

・引き継ぎへの安心と、子どもたちへの願い

例文|学級通信・学年だよりで(年度末)

保護者の皆様へ

この1年間、学級の活動にご理解とご協力をいただき、本当にありがとうございました。

私事で恐縮ですが、私は今年度末をもちまして退職することになりました。

4月には、少し緊張した表情だった子どもたちが、今では自分たちで話し合って行事を進められるようになりました。その成長を近くで見られたことは、私にとって大きな喜びでした。

新年度からは新しい先生方が子どもたちを支えてくださいます。お子さんたちのこれからを、心から応援しております。1年間、ありがとうございました。

例文|年度の途中で担任を離れるとき(保護者への手紙)

保護者の皆様へ

日ごろより、学級の活動にご協力をいただき、ありがとうございます。

このたび、〇月〇日をもちまして退職することとなりました。年度の途中でのご報告となり、ご心配をおかけすることを申し訳なく思っております。

これからの学級については、学校と相談のうえ、しっかりと引き継ぎを行います。わからないことがありましたら、学校までお問い合わせください。

子どもたちと過ごした毎日は、私にとってかけがえのない時間でした。本当にありがとうございました。

年度途中の退職では、保護者への伝え方とタイミングを、必ず管理職と相談して決めてください。

学級通信や、学校を通して配る手紙は、学校から出す文書になります。普段の学級通信と同じように、管理職の確認を通してから配りましょう。個人の連絡先(携帯番号や個人のメールアドレス)は書かないほうが無難です。

年度途中で辞める場合の引き継ぎの進め方は、年度途中に辞める方法|円満退職のための手順と例文 に、引き継ぎテンプレートつきでまとめています。

退職のあいさつ状・年賀状 例文|辞めたあとに先生方へ出すとき

開いた本とペン(あいさつ状の文面を考えるイメージ)

退職したあと、お世話になった先生方や、以前の勤務校の同僚に挨拶状(はがき)を出す方法もあります。職員室で直接お礼を言えなかった人に気持ちを届けられるのが、挨拶状のよいところです。

出す時期に決まりはありません。退職してから落ち着いたころに出す人もいれば、年賀状で兼ねる人もいます。

例文|退職のあいさつ状(はがき・先生方へ)

拝啓 〇〇の候、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

さて、私こと このたび〇年〇月末日をもちまして〇〇市立〇〇中学校を退職いたしました。

在職中は、皆様から温かいご指導とご支援をいただき、心より感謝申し上げます。

今後は、これまでの経験を生かし、新しい分野で力を尽くしてまいります。

皆様のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。今後とも変わらぬお付き合いをいただけましたら幸いです。 敬具

「〇〇の候」には、出す月に合った季節のことばを入れてください。

例文|親しかった同僚へ(くだけた形)

ご無沙汰しています。3月で〇〇中を退職し、4月から新しい仕事を始めました。

〇〇先生には、学年でご一緒した〇年間、本当に助けていただきました。ありがとうございました。

落ち着いたら、ぜひまたお話しさせてください。お体に気をつけて。

例文|年賀状で退職を報告する

謹んで新春のお喜びを申し上げます。

昨年〇月に教員を退職し、現在は〇〇の仕事をしています。在職中は大変お世話になり、ありがとうございました。

新しい場所でも、学校で学んだことを大切にしていきます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

例文|年賀状を出しそびれたとき(寒中見舞いで)

寒中お見舞い申し上げます。

ご挨拶が遅くなりましたが、私は昨年〇月に教員を退職いたしました。在職中のご厚情に、心より御礼申し上げます。

寒さ厳しき折、どうぞご自愛ください。

まだ次の仕事が決まっていないときは、「今後のことは、ゆっくり考えていきます」と書けば十分です。近況を全部書く必要はありません。

異動と退職で挨拶はどう違う?|次の学校がない挨拶の締め方

いくつもの方向を指す矢印(異動と退職の違いのイメージ)

公立学校の先生なら、これまでに異動の挨拶を経験してきた方もいると思います。ただ、退職の挨拶は、異動の挨拶と同じ組み立てでは書きにくいところがあります。

異動の挨拶 退職の挨拶
次の行き先 次の学校名を言えることが多い 言わなくてよい(言えないこともある)
話の流れ 「次の学校でも頑張ります」で締められる 次の場所を言わずに締める工夫がいる
子どもとの関係 同じ市町村なら、また会う可能性がある 「先生」として会う機会はなくなることが多い
同僚との関係 研修や行事で顔を合わせることがある 連絡を取らない限り、会う機会は少なくなる

異動の挨拶は「次の学校でも頑張ります」で自然に締まります。退職の挨拶でそれに当たるのは、「みなさんのこれからを応援しています」のように、相手の未来に向けたことばです。自分の次の行き先を言わなくても、相手に向けたエールで締めれば、挨拶はきれいにまとまります。

例文|異動の挨拶(比較用)

4月から〇〇市立〇〇小学校に勤めることになりました。この学校で学んだことを、次の学校でも生かしていきます。ありがとうございました。

例文|退職の挨拶(次の行き先を言わない形)

わたしはこの3月で、先生のお仕事を終えることにしました。この学校で過ごした〇年間は、わたしの大切な時間です。みなさんのこれからを、ずっと応援しています。ありがとうございました。

挨拶の場に出られないときは、手紙という方法もある

病気休暇や休職からそのまま退職する場合など、離任式や職員室に立てないこともあります。そのときに、無理に出る必要はありません。

離任式で手紙を代わりに読んでもらえるか、職員室に一言を伝えてもらえるかは、学校によって違います。管理職に相談してみてください。

例文|離任式に出られないときの手紙(代読を頼む場合)

〇〇学校のみなさんへ

今日は、みなさんの前に立ってお別れを言うことができず、ごめんなさい。手紙で、気持ちを伝えさせてください。

わたしは、この3月で先生のお仕事を終えることになりました。みなさんと一緒に過ごした毎日を、ずっと忘れません。

これからも、みなさんらしく、元気に過ごしてください。本当にありがとうございました。

体調が理由のときは、子どもに理由を伝える必要はありません。「お別れを言えずにごめんなさい」で十分です。

なお、異動や退職を、子どもや保護者にいつから話してよいかは、学校や自治体の発表との関係があります。「もう話してもいいか」は、自分で判断せず管理職に確認してください。

体調を崩したあとの選択肢(復帰・異動・退職)については、私自身の経験も交えて 「一度休むといけなくなる」は本当か|元教員が病休から復帰・退職を経験して見えたこと に書いています。

「辞めるのは悪いことではない」|退職の挨拶を前に迷っているあなたへ

前を向いて次の道へ

最後に、例文の話から少し離れます。

退職の挨拶を考えていると、「途中で投げ出すようで申し訳ない」「子どもたちを置いていくようでつらい」という気持ちが出てくることがあります。挨拶のことばが決まらないのは、文章の問題ではなく、その気持ちのせいかもしれません。

そう感じても、自然なことです。でも、辞めるのは悪いことではありません。教員を続けることも、別の道に進むことも、どちらも本人が考えて選んだ道です。

Re-Careerが元教員107名に行った調査(元教員キャリア実態調査2026)では、現職の先生へのメッセージを自由に書いてもらいました。その中から、退職の挨拶を考えている方に届けたい声を紹介します。

「定年までしないといけない職業ではありません
どの仕事も、自分が何のためにしているのか、自分が将来どうなりたいのかを考えながら、自分のライフプランを考えてほしいです
魅力ある仕事をどういう形で締めくくるか考えおくといいと思います」
——50代以上・小学校・教諭で退職(現在は教員以外の公務員)・男性(元教員キャリア実態調査2026)

「どういう形で締めくくるか」。退職の挨拶は、まさにその締めくくりの一部です。

「在職中の経験はすべて大切なものであり、子どもたちや保護者の方々と関わらせていただいた時間は、今でも自分の土台となっています。」
——50代以上・小学校・教諭で退職(現在は個人事業主・フリーランス)・男性(元教員キャリア実態調査2026)

「辞めることが逃げではない。選択の一つに過ぎない。」
——20代・中学校・教諭で退職(現在は非常勤講師・臨時的任用)・男性(元教員キャリア実態調査2026)

調査の全体は 元教員107名のリアル【元教員キャリア実態調査2026】 で、ほかの声は 退職した元教員53名から現職教員への声 で読めます。

私が見てきたこと

私は私立高校で非常勤講師を1年、その後、公立中学校で英語の教員を11年勤めました。公立の11年目に病休に入り、2020年3月で教員を辞めています。

今は、同じ道を通ってきた元教員として、先生方の相談を受けています。辞めると決めた先生が、最後まで子どもや同僚のことを気にかけている姿を、何度も見てきました。挨拶で迷うのは、それだけ真剣に向き合ってきたからだと思います。

挨拶は、上手でなくて大丈夫です。短くても、ことばに詰まっても、感謝が伝われば十分です。

辞めたあとのお金や手続きが気になる方は、教員が辞めたら失業保険はもらえる?公立は対象外でも届く5つのお金制度 や 教員の退職→転職 完全ロードマップ も参考にしてください。退職金の目安は 教員の退職金はいくら?勤続年数別の手取り早見表 にまとめています。

まだ迷っている段階なら、教員・教師を辞めたいと思ったら|辞める前の12の判断基準と辞めない選択肢 や 教員の「辞めたいけど辞められない」を乗り越える も読んでみてください。一度辞めても、もう一度先生に戻る道 もあります。

よくある質問

Q. 教員の退職の挨拶で、辞める理由は正直に言うべきですか?

A. 嘘をつく必要はありませんが、全部を話す必要もありません。「新しいことに挑戦します」「家庭のことを優先します」など、人前で言ってよい部分だけを短く言えば十分です。理由を言わずに感謝だけを伝える挨拶も、失礼にはなりません。

Q. 転職先を聞かれたら、どう答えればいいですか?

A. 社名まで言う必要はありません。「教育に関わる仕事を続けます」「学校の外で経験を生かせる仕事に就きます」のように、方向だけを伝えれば十分です。まだ決まっていなければ「少し休んでから考えます」で大丈夫です。

Q. 離任式の挨拶は、どれくらいの長さにすればいいですか?

A. 学校から持ち時間を伝えられたら、それに合わせてください。子どもに向けた挨拶は、思い出を1つに絞ると短くても伝わります。

Q. 体調不良で離任式や職員室の挨拶に出られません。どうすればいいですか?

A. 無理に出る必要はありません。手紙を代わりに読んでもらえるか、職員室に一言を伝えてもらえるかは学校によって違うので、管理職に相談してみてください。手紙では、体調のことを子どもに説明する必要はありません。

Q. 保護者への退職の挨拶は、個人で手紙を出してもいいですか?

A. 個人として出すかどうかも含めて、まず管理職に相談するのが安心です。学級通信や、学校を通して配る手紙にする場合は、普段どおり管理職の確認を通してから配ります。個人の連絡先は書かないほうが無難です。

Q. 退職のあいさつ状は、いつ出せばいいですか?

A. 決まった時期はありません。退職して落ち着いたころに出す方法も、年賀状で退職の報告を兼ねる方法もあります。年賀状を出しそびれたときは、寒中見舞いで伝えることもできます。

まとめ

・退職の挨拶は「感謝」「思い出を1つ」「相手へのエール」の3つで組み立てられる
・辞める理由と次の仕事は、話さなくても失礼にはならない。「嘘をつかず、全部は言わない」でよい
・離任式は子ども向けに思い出を1つ、職員室は助けられた場面を1つ入れると伝わる
・保護者への手紙は、感謝に加えて「引き継ぎへの安心」を一言入れる
・異動と違って次の学校名がない退職の挨拶は、「みなさんのこれからを応援しています」で締める
・挨拶の場に出られなくても大丈夫。手紙という方法もある
・辞めるのは悪いことではない。続けるのも、別の道に進むのも、自分で選んだ道




Re-Career代表 新川紗世
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