教員・教師の給料と年収はいくら?平均給与月額42万円・ボーナス185万円|経験年数別の早見表と私立との違い

教員の給料と年収はいくら? 経験年数別の早見表 公的統計だけで解説

教員の給料・年収はいくら?公立の小・中学校の先生の平均は、総務省の令和7年の調査で給与月額42万4,411円、期末・勤勉手当(ボーナス)は年185万3,603円です。経験年数別の給料、校種や私立との違い、自分の年収の確かめ方まで解説します。一次資料をもとに整理しました。

「自分の給料は、ほかの先生と比べて多いのか少ないのか」「この先、何年でどのくらい上がるのか」。毎月の給与明細は見ていても、この2つにすぐ答えられる方は多くないと思います。調べてみると「30代の教員の年収は◯〜◯万円」といった数字がたくさん出てきますが、その多くは出典がはっきりしません。

この記事では、総務省・文部科学省・人事院の公表資料と法律の条文だけを使って、①公立の先生の平均の給料 ②給料が決まる仕組み ③経験年数・校種・公立と私立でどう違うか ④自分の年収を正確に知る方法 ⑤年収を上げる道、を順番に見ていきます。辞める・続ける・働き方を変える、どれを選ぶにしても、まず「いまの自分のお金」を正確に知るところから始めてみてください。

新川紗世 Re-Career代表

この記事の著者

新川紗世(あらかわ・さよ)|Re-Career株式会社 代表取締役

公立中学校で11年、私立高校で1年、あわせて12年、英語教員として勤務。教員時代に病休を経験し退職。その後、教員専門のキャリア支援会社を設立。著書『「やめたいかも」と一度でも思ったら読む 教員の転職思考法』。スタッフ全員が元教員のキャリア支援会社を率い、自身も延べ1,000名以上のキャリア支援に携わる。

⏱️ 30秒でわかる結論

公立の教員の給料は条例の給料表で決まる。平均は総務省の調査で確かめられる

平均(小・中)給与月額42万4,411円(うち給料36万4,069円)。期末・勤勉手当は年185万3,603円(総務省・令和7年)

平均(高校等)給与月額44万2,668円。期末・勤勉手当は年191万963円(同)

年収は?月額と期末・勤勉手当は集計の時点が違うため、足して「平均年収」にはしない。自分の年収は源泉徴収票で確かめる

上がり方小・中(大学卒)の給料月額の平均は、経験1年未満26万2,590円→20年以上25年未満41万24円(総務省 第6表)

私立は?本俸の平均は公立と近い校種もあるが、金額のばらつきは私立のほうが大きい(文部科学省・令和7年度中間報告)

目次

教員の給料・年収はいくら?結論:公立の平均は「給与月額42万円+期末・勤勉手当185万円」

教員の給料の平均を示すデータのイメージ

結論から書きます。公立学校の先生の給料の平均は、総務省の「地方公務員給与実態調査」で確かめられます。毎年4月1日時点の地方公務員の給与を、職種ごとに集計している調査です。

総務省「令和7年 地方公務員給与実態調査」の第5表 職種別職員の平均給与額によると、全国の地方公共団体の教員の平均は次のとおりです。

区分 小・中学校(幼稚園)教育職 高等(特別支援・専修・各種)学校教育職
職員数 605,911人 234,789人
給料月額 364,069円 378,305円
諸手当月額 60,342円 64,363円
給与月額合計 424,411円 442,668円
期末手当(年額) 1,002,582円 1,038,219円
勤勉手当(年額) 851,021円 872,744円
期末・勤勉手当の合計(年額) 1,853,603円 1,910,963円
平均年齢 41.3歳 44.5歳(高等学校教育職)

出典:総務省「令和7年 地方公務員給与実態調査」 第5表 職種別職員の平均給与額(全地方公共団体)。平均年齢は同調査の調査結果の概要(高等学校教育職・小・中学校教育職の平均給料月額の項)

数字を読むときに、押さえておきたい点が4つあります。

・給料月額には教職調整額が含まれています。調査の集計方法で、給料月額に「教職調整額」を含めると定められています。令和7年4月分なので、教職調整額がまだ4%だった時点の数字です

・月額は令和7年4月分、期末・勤勉手当は令和6年度に実際に支給された年額です。集計の時点が違います

・男女計・全年齢の平均で、校長や教頭も含みます。若手の先生の給料は、この平均よりかなり低いのがふつうです(あとの「経験年数別」の章で見ます)

・諸手当は、手当をもらっていない人も含めた全職員1人当たりの平均です。地域手当や住居手当のように、人によって0円の手当も入っています

「平均年収◯万円」とは書きません

ここで「給与月額×12か月+期末・勤勉手当」と足し算をすれば、それらしい「平均年収」は出せます。ただ、この記事ではあえて出しません。

理由は、上に書いたとおり月額は令和7年4月の1か月分、期末・勤勉手当は令和6年度の実績と、集計の時点が違うからです。さらに、冬の期間に支給される寒冷地手当はこの2つとは別に集計されていて、どちらにも入っていません。足し算はできても、それが誰の、どの年の年収なのかを説明できません。

文部科学省の「学校教員統計調査」も、集計しているのは給料月額で、年収ではありません。「公立の教員の平均年収」をそのまま示した公的統計は、私が探した範囲では見つかりませんでした。裏が取れない数字は書かない、というのがこのメディアの方針です。

代わりにこの記事では、①公的統計で確かめられる平均(この章)②経験年数でどう上がるか(総務省の別の表)③自分の年収を正確に出す方法、の3つを用意しました。平均と比べて一喜一憂するより、自分の源泉徴収票を1枚見るほうが、ずっと正確です。

教員の給料はどう決まる?給料表の「級」と「号給」、そして条例

給料表と条例の仕組みを考えるイメージ

「教員の給料は全国一律」と思われていることがありますが、公立学校の先生の給料は、全国一律ではありません。勤め先の自治体の条例で決まります。順番に見ていきます。

給料は条例で決まる

地方公務員法第24条第5項は、職員の給与は条例で定めると定めています。第25条第3項は、給与に関する条例に「給料表」や「昇給の基準に関する事項」を書くことを求めています。

先生については、教育公務員特例法第13条第1項が「公立の小学校等の校長及び教員の給与は、これらの者の職務と責任の特殊性に基づき条例で定めるものとする」としています。

市町村立の小・中学校の先生の多くは、給料を都道府県が負担する「県費負担教職員」です(市町村立学校職員給与負担法第1条)。その給与は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第42条により都道府県の条例で定めることになっています。なお、同じ市町村立学校職員給与負担法第1条は、政令指定都市の学校を対象から外しています。政令市の学校にお勤めの方は、市の給与条例・給料表を確認してください。

例として、東京都の公立学校の先生の給料は東京都「学校職員の給与に関する条例」で定められています。条例は自治体の「例規集」としてインターネットで公開されていることがあるので、「(都道府県名) 学校職員の給与に関する条例」などで検索してみてください。見つからないときは、学校の事務職員の方に聞くのが確実です。

給料表は「級」と「号給」の表

給料表は、縦に「号給」、横に「級」が並んだ表です。

「級」は職務の重さで決まります。教諭、主幹教諭、教頭、校長と、職が上がると級も上がります(これを昇格といいます)。どの職がどの級に当たるかも、条例で決まっています。

「号給」は同じ級の中での位置です。毎年の勤務の成績などに応じて号給が上がるのが、いわゆる「昇給」です。初任のときの号給は、学歴や、教員になる前の職歴(前歴)をどう換算するかで決まります。

自分がいま「何級の何号給」なのかが分かれば、条例の給料表で来年以降、号給が上がったときの給料月額を自分で確かめられます。級と号給が分からないときは、学校の事務職員の方か、教育委員会の給与の担当に聞くのが確実です。

給料は毎年見直される

地方公務員法第24条第2項は、職員の給与は「生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して」定めるとしています。第26条では、人事委員会が毎年少なくとも1回、給料表が適当かどうかを議会と長に報告し、必要なら勧告できるとしています。

国家公務員については、人事院が毎年、給与の勧告を出します。2026年8月7日に出された人事院「令和8年 人事院勧告」では、月例給を平均15,056円(3.51%)引き上げ、特別給(ボーナス)を0.05月分引き上げて年間4.70月分にする内容でした。

ただし、これは国家公務員の話です。公立学校の先生の給料がいつ・どれだけ変わるかは、勤め先の自治体の人事委員会の勧告と、議会での条例改正で決まります。国と同じ幅になるとは限りません。

教員の給料の内訳|給料・教職調整額・諸手当・期末勤勉手当

給与明細の内訳を付箋で整理するイメージ

給与明細には、いくつもの行が並んでいます。大きく分けると、①給料(教職調整額を含む)②毎月の諸手当 ③年2回の期末・勤勉手当、の3つです。

教職調整額:2026年は給料月額の5%、2031年に10%

公立学校の先生の給料には、残業代の代わりに「教職調整額」が上乗せされています。給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)第3条第1項は、給料月額の100分の10(幼稚園の先生は100分の4)に相当する額を基準として、条例で定めるところにより教職調整額を支給すると定めています。同じ条の第2項で、先生には時間外勤務手当と休日勤務手当を支給しないとしています。

ただし、10%になるまでには段階があります。給特法の附則で、次のように1年ごとに1%ずつ上がる経過措置が置かれています(附則が読み替えるのは「100分の10」の部分なので、幼稚園の先生は100分の4のままです)。

期間 教職調整額の基準(給料月額に対する割合)
2026年1月〜12月(令和8年) 100分の5
2027年1月〜12月(令和9年) 100分の6
2028年1月〜12月(令和10年) 100分の7
2029年1月〜12月(令和11年) 100分の8
2030年1月〜12月(令和12年) 100分の9
2031年1月から(令和13年) 100分の10(本則)

出典:給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法) 第3条第1項・附則(昭和46年法律第77号の原始附則第2項)

校長・副校長・教頭は、教職調整額の対象から外れています(同法第3条第1項)。管理職になると、代わりに管理職手当が付きます。

また、給特法第3条第3項により、地域手当・期末手当・勤勉手当・退職手当などを給料をもとに計算するときは、給料に教職調整額を足した額が計算のもとになります(条例で定める内容)。教職調整額が上がると、ボーナスや退職手当にもはね返る仕組みです。

諸手当:平均6万342円の中身

小・中学校(幼稚園)教育職の諸手当月額の平均60,342円を、第5表 職種別職員の平均給与額の内訳で分けると次のとおりです。

手当 全職員1人当たりの平均月額 どんな手当か
地域手当 25,191円 民間の賃金水準が高い地域に勤める人に付く。地域によって割合が違い、付かない地域もある
通勤手当 7,259円 通勤の交通費など
扶養手当 6,967円 扶養している家族がいる人
住居手当 5,960円 家賃を払っている人など(条件は条例で決まる)
管理職手当 5,553円 校長・副校長・教頭など
義務教育等教員特別手当 5,103円 義務教育の学校などの先生
特殊勤務手当 2,552円 部活動の休日指導など、特定の業務に対する手当
へき地手当 1,339円 へき地の学校に勤める人
諸手当の合計 60,342円 上記のほか、単身赴任手当・時間外勤務手当・宿日直手当などの少額の手当を含む

出典:総務省「令和7年 地方公務員給与実態調査」 第5表 職種別職員の平均給与額(全地方公共団体・小・中学校(幼稚園)教育職)。「どんな手当か」の欄は手当の一般的な性格の説明で、支給の条件は自治体の条例で決まります

この平均は、手当をもらっていない人も含めて割った額です。たとえば地域手当は、国家公務員の場合、一般職の職員の給与に関する法律(給与法)第11条の3で、人事院規則で定める地域に勤める職員に、地域の区分に応じて給料などの100分の22〜100分の4を支給すると定められています。公立学校の先生の地域手当は自治体の条例で決まり、勤務する地域によって0円の人もいれば、平均よりずっと多い人もいます。

義務教育等教員特別手当については、いまの教育公務員特例法第13条第2項が、先生が分掌する校務の種類に応じて支給し、その額は条例で定めると定めています。手当の名前も額も、自治体ごとに違うと考えておくのが安全です。

期末・勤勉手当:いわゆるボーナス

期末手当と勤勉手当が、民間でいうボーナスに当たります。国家公務員の場合、一般職の職員の給与に関する法律(給与法)第19条の4・第19条の7で、6月1日と12月1日を基準日として支給すると定められています。勤勉手当は、人事評価の結果と勤務の状況に応じて額が決まります。

公立学校の先生の期末・勤勉手当は、自治体の条例で決まります。支給月数も、国の勧告どおりになるとは限りません。小・中学校(幼稚園)教育職の令和6年度の平均は、期末手当1,002,582円、勤勉手当851,021円、合わせて1,853,603円でした(総務省 第5表)。

育休や病気休暇の期間があると、期末・勤勉手当の額が変わることがあります。育休中のお金については教員の育休中の給料は月20万円・ボーナスはいくら?にまとめています。

小学校・中学校・高校・特別支援学校で給料は違う?校種別の平均

小学校・中学校・高校の校舎のイメージ

「小学校と中学校、高校で給料は違うの?」という質問もよくいただきます。公的統計で見ると、次のようになります。

総務省の調査では「小・中」と「高校等」の2区分

総務省の調査は、小学校と中学校をまとめて「小・中学校(幼稚園)教育職」、高校と特別支援学校などをまとめて「高等(特別支援・専修・各種)学校教育職」として集計しています。冒頭の表のとおり、給与月額合計は小・中が424,411円、高校等が442,668円でした。

ただし、平均年齢は小・中学校教育職が41.3歳、高等学校教育職が44.5歳と、3歳ほど違います(同調査の概要)。年齢や経験年数の構成が違うので、この差がそのまま「高校のほうが給料が高い」という意味にはなりません。

文部科学省の調査では校種ごとの本俸が分かる

校種ごとに見るなら、文部科学省の「学校教員統計調査」が使えます。3年ごとに行われる全数調査で、2026年7月22日に令和7年度調査の中間報告が公表されました(文部科学省の公表資料(2026年7月22日))。

文部科学省「令和7年度 学校教員統計調査(中間報告)」表15 給料月額別 教員構成(高校以下)によると、公立学校の先生の平均給料月額は次のとおりです。

校種(公立) 平均給料月額
小学校 336.1千円
中学校 341.6千円
高等学校 359.3千円
特別支援学校 345.5千円
幼稚園 293.2千円

出典:文部科学省「令和7年度 学校教員統計調査(中間報告)」表15 給料月額別 教員構成(高校以下)(令和7年9月分の給料(本俸)額)

総務省の小・中の給料月額(364,069円)より低く見えるのは、集計の中身が違うからです。この表の注には「給料(本俸)額である。諸手当及び調整額は含まない」とあります。総務省の給料月額は教職調整額を含めて集計しています。出典ごとに「何を含む数字か」が違うので、別の調査の数字同士を引き算しないようにしてください。

同じ調査の中で比べると、公立では高校、特別支援学校、中学校、小学校の順に平均が高くなっています。ただ、これも年齢構成の違いを含んだ平均です。中学校と小学校の差は月5,500円ほどで、校種そのものより、経験年数と職(級)の違いのほうがずっと大きく効きます。次の章で見る「経験年数別」の表のほうが、自分の将来を考える材料になると思います。

公立と私立で教員の給料はどう違う?私立は学校法人ごとの給与規程

公立と私立の違いを比べるイメージ

私立学校の先生は地方公務員ではないので、総務省の「地方公務員給与実態調査」には含まれません。給料は、それぞれの学校法人が定める給与規程で決まります。条例のように公開されているとは限りません。

また、給特法は公立学校の先生のための法律で、私立学校の先生には適用されません。私立の先生の時間外労働や手当の扱いは、学校法人の就業規則・給与規程と労働基準法によります。

本俸の平均は近いが、ばらつきは私立のほうが大きい

文部科学省の学校教員統計調査は、私立学校の先生も含む全数調査です。同じ表から、公立と私立を並べます。

校種 公立の平均給料月額 私立の平均給料月額 45万円以上の人の割合(公立/私立) 10万円以上25万円未満の人の割合(公立/私立)
小学校 336.1千円 365.3千円 3.4%/23.2% 1.9%/13.8%
中学校 341.6千円 381.4千円 2.9%/28.5% 1.4%/11.8%
高等学校 359.3千円 359.3千円 5.0%/20.0% 1.1%/13.4%
特別支援学校 345.5千円 309.3千円 4.3%/5.9% 1.6%/23.0%

出典:文部科学省「令和7年度 学校教員統計調査(中間報告)」表15 給料月額別 教員構成(高校以下)(令和7年9月分の給料(本俸)額。諸手当・調整額を含まない)。「10万円以上25万円未満」は表の「10万円以上15万円未満」「15万円以上20万円未満」「20万円以上25万円未満」の割合を足したもの。表の「10万円未満」の区分(公立小学校で5.1%)は、次の区分の「10万円以上15万円未満」(同0.0%)より大きく、どのような人が含まれるのかがこの表からは分からないため、足していません

平均だけを見ると、私立の小学校・中学校は公立より高く、高校は同じ、特別支援学校は低くなっています。

けれども、注目してほしいのは右の2列です。私立は、45万円以上の人の割合も、10万円以上25万円未満の人の割合も、公立より大きい。つまり私立の先生の給料は、学校によって、また人によって、幅がとても広いということです。「私立だから高い」「私立だから安い」とは、どちらとも言えません。

しかもこの表は本俸だけの比較です。私立は学校法人ごとに手当の組み方やボーナスの月数が違うので、本俸が同じでも年収は大きく変わりえます。

私立の先生が自分の給料を確かめるには

私立の給料は「平均」を調べてもあまり参考になりません。比べる相手は、全国の平均ではなく、自分の勤める学校法人の給与規程と、自分の源泉徴収票です。

私立から私立へ、あるいは私立から公立へ移ることを考えているなら、求人票の「給与」の欄だけでなく、次の点も確かめておくと安心です。

・本俸と手当の内訳:提示額に何の手当が含まれているか

・賞与の支給実績:「年◯か月分」が規程の値か、直近の実績か

・前歴の換算:これまでの教職経験が、号給(または本俸)にどう反映されるか

・退職金と共済:私学共済(日本私立学校振興・共済事業団)に加入しているか、退職金の制度があるか

経験年数で給料はどう上がる?総務省の経験年数別データ(早見表)

長い階段の下に立つ子ども(経験年数とともに上がる給料のイメージ)

「教員 年収 30代」「教員 年収 40代」と検索すると、年代ごとの年収の目安がたくさん出てきます。けれども、公的統計には、教員の年代別の年収はありません。総務省の調査で年齢別の給料を集計しているのは一般行政職と技能労務職だけで、教育職は対象外です。

その代わり、総務省の調査には経験年数別の平均給料月額があります。第6表 職種別、経験年数別、学歴別職員数及び平均給料月額です。公立の小・中学校と高校の先生(大学卒)の値を並べると、次のとおりです。

経験年数 小・中学校教育職(大学卒) 高等学校教育職(大学卒)
1年未満 262,590円 263,467円
1年以上2年未満 267,704円 268,165円
2年以上3年未満 274,330円 275,226円
3年以上5年未満 286,006円 287,515円
5年以上7年未満 303,141円 305,055円
7年以上10年未満 322,521円 323,903円
10年以上15年未満 352,876円 353,601円
15年以上20年未満 385,124円 385,905円
20年以上25年未満 410,024円 415,205円
25年以上30年未満 426,825円 435,010円
30年以上35年未満 435,533円 443,964円
35年以上 409,732円 406,107円
大学卒の平均(平均経験年数) 366,110円(17.2年) 385,122円(20.6年)

出典:総務省「令和7年 地方公務員給与実態調査」 第6表 職種別、経験年数別、学歴別職員数及び平均給料月額(全地方公共団体)。令和7年4月分の給料月額で、教職調整額を含み、諸手当・期末勤勉手当は含まない

この表を読むときの注意

・「給料月額」だけの表です。地域手当などの諸手当と、期末・勤勉手当は入っていません。年収ではありません

・経験年数は「給与を決めるうえでの経験年数」です。教員になる前の職歴などを換算した期間を含みます。実際に教壇に立った年数とは一致しないことがあります

・校長・教頭など管理職も含んだ平均です。

・この表の「高等学校教育職」「小・中学校教育職」には、特別支援学校・幼稚園などの先生は含まれません(調査の集計方法による)。冒頭の第5表とは集計の範囲が違います

・35年以上の区分で平均が下がっています。この表には、60歳に達した後の最初の4月1日から給料月額が本来の7割の水準に設定された職員も含まれています(調査の集計方法による)。ただし、どの要因でどれだけ下がったかは、この表からは分かりません

経験1年未満と、経験20年以上25年未満を比べると、小・中学校(大学卒)で月約14.7万円の差があります。先生の給料は、若いうちは低く、経験とともに上がっていく形です。若手のうちに「この給料でやっていけるのか」と不安になるのは、ある意味で自然なことだと思います。

一方で、55歳を超えると昇給の扱いが変わり、60歳に達した後の最初の4月1日から給料月額が本来の7割の水準になる仕組みがあります(国や東京都の場合)。定年前後の給料の動き方は教員の定年は何歳?55歳・60歳・65歳で変わる給料と再任用で、条文をもとに整理しています。

経験年数の浅い先生の家計の実際は3年目教員の家計の全て|手取り24万円の貯金・ボーナス・落とし穴も参考にしてみてください。

年代ではなく「自分の号給」で考える

同じ30代でも、新卒で採用された人と、講師や民間企業を経てから採用された人では、号給が違います。だから「30代の平均」と比べるより、自分のいまの級・号給を給料表で確かめ、そこから号給がいくつ上がるといくらになるかを見るほうが、ずっと正確に将来の給料が分かります。

昇給の幅(1年で何号給上がるか)や昇給の時期も、自治体の条例・規則で決まっています。ここも事務職員の方に聞けば教えてもらえます。

自分の給料・年収を正確に知る方法|源泉徴収票・給与明細・給料表

源泉徴収票や給与明細などの書類を確かめるイメージ

平均と比べるより確実なのが、手元の書類を見ることです。3つの書類で、自分のお金はほぼ全部わかります。

① 源泉徴収票:1年間の年収

年末調整のあとに受け取る源泉徴収票の「支払金額」が、その年に受け取った給与の総額です。税金や共済の掛金を引く前の額で、給料・教職調整額・諸手当・期末勤勉手当がまとめて入っています。転職の求人票にある「年収」と比べるなら、この数字を使います。

ただし、通勤手当のうち非課税の部分は「支払金額」に含まれません。また、その年に育休や病気休暇があった場合は、ふだんの年より少なくなっています。「いつもの年」の年収を知りたいなら、休みのなかった年の源泉徴収票と比べてみてください。

なお、所得税の税率は年収ではなく「課税される所得金額」で決まります。年収だけを見て「自分は税率◯%」と判断しないようにしてください。

② 給与明細:毎月の内訳と手取り

給与明細では、給料・教職調整額・各手当の行と、共済掛金・所得税・住民税などの控除の行が並んでいます。総支給額から控除を引いたものが、口座に振り込まれる手取りです。

手取りの割合は、扶養の有無、年齢(40歳以上65歳未満の方は共済の介護掛金がかかります)、住民税の額などで人によって変わります。そのため、「手取りは額面の◯割」という一律の目安は、この記事では書きません。給与明細の数字がいちばん正確です。

③ 給料表:来年以降の見通し

自分の級と号給が分かれば、給料表で「号給が上がったらいくらになるか」を確かめられます。級と号給は、給与明細に書かれていることもありますが、書かれていない場合は事務職員の方に聞くのが早いです。

昇給の時期や、1回で何号給上がるかは、自治体の条例・規則で決まっていて、勤務成績や年齢によっても変わります。

自分のお金を確かめる3ステップ

・源泉徴収票の「支払金額」で、去年1年間の年収を確かめる

・給与明細で、給料・教職調整額・手当・控除の内訳と手取りを確かめる

・事務職員の方に級と号給を聞き、自治体の給料表で来年以降の給料月額を確かめる

この3つが分かると、「転職したら年収はどう変わるか」「育休を取ったらどうなるか」「住宅ローンをいくらまで組めるか」といった判断の土台ができます。お金の不安の多くは、数字があいまいなことから来ていると、私は思っています。

教員の年収を上げる方法|昇任・教職調整額の引上げ・副業・転職

前向きに次の一歩を考えるイメージ

給料の仕組みが分かると、年収を上げる道も見えてきます。教員を続けながらの道と、外に出る道があります。

① 昇任する(主幹教諭・教頭・校長など)

級が上がる職に就くと、給料表の級が上がります。学校教育法第37条では、小学校に校長・教頭・教諭などを置くほか、副校長・主幹教諭・指導教諭・主務教諭などを置くことができるとしています。どの職をどの級に当てるか、手当をどう付けるかは、自治体の条例で決まります。

教頭・校長になると、教職調整額の対象から外れ、管理職手当が付きます。管理職の給料の変わり方は教頭・校長の給料はどう変わる?|管理職手当と教職調整額にまとめています。

② 教職調整額の引上げを待つ

前の章で見たとおり、教職調整額は2026年の5%から、2031年の10%まで1年ごとに上がります。教職調整額は給料月額に対する割合なので、給料月額が高い人ほど、上がる額も大きくなります。また、期末・勤勉手当の計算のもとにもなります。

ただ、これは「続けていれば自動的に少しずつ増える」分で、働き方を変えずに年収が大きく変わる道ではありません。

③ 副業・兼業(許可が必要)

公立学校の先生は、地方公務員法第38条により、任命権者の許可を受けなければ、報酬を得て事業や事務に従事することができません。一方で、教育公務員特例法第17条は、教育に関するほかの職や事業に従事することについて、本務の遂行に支障がないと任命権者が認めるときは、給与を受けて兼ねることができると定めています。

どんな副業なら許可されやすいかや、確定申告の注意点は、教員の副業は禁止?完全ガイドと教員の副業と確定申告で詳しく書いています。

④ 転職する

教員を辞めて転職すると年収はどうなるのか。Re-Careerが2026年に行った「元教員キャリア実態調査2026」(教員を退職した経験がある107名が回答)では、教員時代と比べた今の年収が「減った」と答えた方が83名でした。詳しい内訳は教員から転職して年収は上がる?下がる?|元教員107名の実数と年収アップの3つの道にまとめています。

年収だけで見れば、教員は決して低い仕事ではありません。一方で、年収が下がっても、働き方や心の余裕を取り戻して「辞めてよかった」と話す方もいます。どちらが正しいということはありません。調査に寄せられた声を、いくつか紹介します。

「教員を離れてみて、今の私には、“給料、安定、やりがい”は、やっぱり教員でしか得られないものもあるのかなと個人的に思います。」
——30代・元中学校教員・女性(元教員キャリア実態調査2026 自由記述)

「教員は福利厚生が最高なので、頑張ってください!!!」
——30代・元小学校教員・男性(元教員キャリア実態調査2026 自由記述)

「子どもを育てながら、先生を続けている方はとてもすごいと思います。自分で今の道を選んでいると言える方は本当に素晴らしいです。ただ、お金の不安でやむなく続けているなら、別の道を考えてもよいのではないでしょうか。」
——30代・元小学校教員・女性(元教員キャリア実態調査2026 自由記述)

「転職して副業できる環境からスタートして、自分のやりたいことを実現していくのがいいと思いました。僕は動画クリエイターとしてスタートしましたが、上手くいく月、そうではない月があり、お金の問題を解決してフリーランスになればよかったと思いました。」
——40代・元中学校教員・男性(元教員キャリア実態調査2026 自由記述)

4人の言葉に共通しているのは、お金を「続ける理由」にも「辞める理由」にもしていい、ただし数字を知ったうえで、ということだと私は受け取りました。教員の給料と安定を手放さないと決めるのも、収入が不安定になる時期を織り込んで次の道に進むのも、どちらも立派な選択です。

給料と一緒に確かめたいお金|育休中の給料・退職金・年金

教員の生涯のお金を見通すイメージ

毎月の給料と年収が分かったら、あわせて確かめておきたいお金が3つあります。どれも、人生の節目で大きく効いてきます。

育休・産休中の給料

育児休業中は、給料の代わりに共済組合から育児休業手当金が支給されます。期末・勤勉手当にも影響があります。金額の目安と手取りの早見表は教員の育休中の給料は月20万円・ボーナスはいくら?にまとめています。

退職手当(退職金)

公立学校の先生の退職手当は、自治体の条例で定められています。勤続年数や退職の理由(自己都合か定年か)で、計算の仕方が大きく変わります。辞める時期を考えているなら、退職手当の見込み額を先に確かめておくと安心です。

年金

公立学校の先生は、公立学校共済組合を通じて厚生年金に加入しています。将来の年金額は、在職中の給料(標準報酬)と加入期間で決まります。目安の試算は教員の年金は月いくら?で紹介しています。

給料・ボーナス・退職手当・年金は、別々の話に見えて、すべて「給料表のどこにいるか」と「何年勤めるか」でつながっています。ひとつを知ると、ほかの見通しも立てやすくなります。

よくある質問

Q. 公立の教員の平均年収はいくらですか?

A. 「公立の教員の平均年収」をそのまま示した公的統計は見当たりません。総務省の令和7年地方公務員給与実態調査では、小・中学校(幼稚園)教育職の給与月額合計が424,411円、令和6年度の期末・勤勉手当の年額が1,853,603円です。ただし月額と期末・勤勉手当は集計の時点が違い、管理職も含む全年齢の平均です。自分の年収は源泉徴収票の「支払金額」で確かめるのが確実です。

Q. 教員の給料は全国一律ですか?

A. いいえ。公立学校の教員の給与は、地方公務員法と教育公務員特例法により条例で定められます。市町村立の小・中学校の多くの教員は県費負担教職員で、給与は都道府県の条例で決まります。給料表や手当の額、昇給の仕組みは自治体ごとに違います。

Q. 小学校と中学校で教員の給料は違いますか?

A. 総務省の調査は小学校と中学校をまとめて集計しています。文部科学省の令和7年度学校教員統計調査(中間報告)では、公立の平均給料月額(本俸)は小学校336.1千円、中学校341.6千円でした。差は年齢構成の違いも含んだもので、校種よりも経験年数や職の違いのほうが大きく効きます。

Q. 私立の先生の給料は公立より高いですか?

A. 一概には言えません。文部科学省の令和7年度学校教員統計調査(中間報告)では、平均給料月額(本俸)は私立の中学校381.4千円・公立341.6千円、高校はどちらも359.3千円、特別支援学校は私立309.3千円・公立345.5千円でした。私立は45万円以上の人も10万円以上25万円未満の人も公立より割合が大きく、学校法人ごとの給与規程で大きく違います。

Q. 教職調整額はいくらですか?

A. 給特法第3条第1項により、給料月額の100分の10(幼稚園の教員は100分の4)に相当する額を基準として、条例で定めるところにより支給されます。経過措置で、2026年は100分の5、2027年は100分の6と1年ごとに上がり、2031年1月から100分の10になります(幼稚園の教員は100分の4のまま)。校長・副校長・教頭は対象外です。

Q. 自分の年収はどこで確認できますか?

A. 源泉徴収票の「支払金額」が、その年に受け取った給与の総額(税金や共済掛金を引く前)です。給料・教職調整額・諸手当・期末勤勉手当が含まれます。通勤手当の非課税部分は含まれません。育休や病気休暇があった年は少なくなるので、休みのない年と比べてください。

まとめ

・公立の小・中学校の教員の平均は、給与月額合計424,411円(うち給料364,069円)、期末・勤勉手当は年1,853,603円(総務省・令和7年地方公務員給与実態調査)

・月額と期末・勤勉手当は集計の時点が違い、管理職も含む全年齢の平均。足して「平均年収」にはせず、自分の年収は源泉徴収票の「支払金額」で確かめる

・公立の教員の給料は全国一律ではなく、条例の給料表(級×号給)で決まる。市町村立小・中の多くは都道府県の条例。毎年、人事委員会の勧告と条例改正で見直される

・教職調整額は2026年が給料月額の5%、毎年1%ずつ上がり2031年から10%。校長・副校長・教頭は対象外、幼稚園の先生は4%のまま

・経験年数別の平均給料月額(小・中・大学卒)は、1年未満262,590円から、20年以上25年未満410,024円へ。年代別の年収は公的統計にない

・私立は学校法人の給与規程で決まり、本俸のばらつきが公立より大きい。「私立だから高い・安い」とは言えない

・年収を上げる道は、昇任・教職調整額の引上げ・許可を得た副業・転職。どれを選ぶにしても、まず自分の数字を知ってから選べばいい




Re-Career代表 新川紗世
元教員が運営するキャリア支援

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Re-Careerは元教員が立ち上げた、教員専門のキャリア支援サービスです。
「辞める/続ける/変える」どの選択でも、お金とキャリアの両面で伴走します。