3年目教員の家計の全て|手取り24万円の貯金・ボーナス・落とし穴

3年目教員の家計の全て|手取り24万円の貯金・ボーナス・落とし穴

3年目教員の手取り・ボーナス・貯金額の実態をリアル数字で解説。共済組合のメリット、キャリアの転換期に向けたお金の準備、3年目だからこそ陥る落とし穴まで、元教員+キャリア支援者が網羅的にお伝えします。

「3年目を迎えるけど、自分の家計、これでいいのかな」

初任の頃は無我夢中で過ぎ、2年目で少し慣れて、3年目あたりから「お金のこと、ちゃんと考えなきゃ」と思い始める教員は多いです。Re-Careerに寄せられる相談でも、3年目前後で「貯金がぜんぜん増えない」「キャリアを考え始めたら家計の見直しも必要だと気づいた」という声をたくさんいただきます。

新川紗世 Re-Career代表

この記事の著者

新川紗世(あらかわ・さよ)|Re-Career株式会社 代表取締役

公立中学校で11年、私立高校で1年、あわせて12年、英語教員として勤務。教員時代に感じた「このままでいいのか」という想いを原点に、教員専門のキャリア支援会社を設立。延べ1,000名以上の教員のキャリア相談に対応。

⏱️ 30秒でわかる結論

3年目教員の家計は「先取り貯金」「ボーナスの使い方」「住居費」の3点で差がつく。

先取り貯金月3〜5万円の天引き積立を給与振込日に設定

ボーナス夏冬それぞれ、使う前に「貯金6:使う2:投資2」のように配分を決めておく

住居費家賃は手取りの何割までと、先に上限を決めておく

注意教職員住宅(官舎)や住居手当が使えるかで、住居費は大きく変わる

私自身も、3年目あたりで「あれ、給料は上がってるはずなのに、なぜ貯金は増えないんだろう?」と疑問を持ったのを覚えています。この記事では、3年目教員のリアルな家計の全体像を、給料・ボーナス・貯金・落とし穴の4つの視点で整理します。

「3年目で「ちょっと給料に余裕が出てきた」と思って外食や買い物が増えたら、年間の貯金額がほぼゼロになっていました。気づいたときには手遅れ。」
——20代後半・小学校教員

3年目教員のリアルな手取り|給料・ボーナスの内訳

電卓と税金書類(教員の給料明細を確認するイメージ)

3年目教員の月の手取りは給与明細で確かめる

手取りは、自治体の給料表の号給、地域手当などの手当、共済組合の掛金や税金の額で一人ずつ違います。昇給で号給が上がれば給料(額面)は初任給のころより増えますが、住民税は前年の所得にかかるため、学生時代に住民税がかかるほどの所得がなかった人は、採用2年目の6月から給与天引きが始まります。そのぶん、手取りは額面ほどには増えないことがあります。まず直近の給与明細で、総支給額と差引支給額(手取り)を確かめてください。

3年目のボーナス(期末・勤勉手当)の仕組み

ボーナスにあたる期末手当・勤勉手当の支給割合や額は、自治体の条例で決まります。国家公務員の場合、期末手当は基準日(6月1日・12月1日)以前6か月の在職期間に応じて割合が決まり、在職期間が3か月未満なら30%になります(一般職の職員の給与に関する法律 第19条の4第2項)。4月採用なら、この割合で少なくなるのは採用1年目の夏で、3年目はこの減額の対象ではありません。自分の支給額は、給与明細の期末・勤勉手当の欄で確かめてください。

年収ベースで見るとどうか

「3年目教員の年収は◯万円」という数字を、この記事では出しません。公的統計に無いからです。総務省「地方公務員給与実態調査」に教育職の年齢別・経験年数別の給与表はなく、性別の集計もありません。文部科学省「学校教員統計調査」が集計しているのは年収ではなく給料月額です。

裏が取れるのは、総務省「令和7年 地方公務員給与実態調査」第5表の、全地方公共団体の小・中学校(幼稚園)教育職の平均です。給与月額合計(給料月額+諸手当月額)が424,411円、期末手当と勤勉手当の年額が合わせて1,853,603円。ただしこれは男女計・全年齢の平均で、校長や教頭も含みます。3年目のご自身の額は、自治体の給料表の号給と直近の源泉徴収票で確認してください。

民間と比べたい場合は、国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」の年齢別の平均給与を見ます。25〜29歳は男女計406.9万円、女性370.1万円です。「20代後半の平均は約370万円」という言い方をよく見かけますが、それは女性の値です。なおこの調査は公務員を対象に含まず、パート・アルバイトも母集団に入っているため、教員の額と単純には比べられません。

出典:総務省「令和7年 地方公務員給与実態調査」第5表(給料月額364,069円+諸手当月額60,342円。給料月額には教職調整額を含みます)/国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」。月額は4月時点、期末手当・勤勉手当は前年度の実績で、概念が違うため足し合わせて年収にすることはできません。裏が取れない数字は書かないというのが、このメディアの方針です。

関連記事:教員から転職して年収は上がる?下がる?|リアルな収入事情

3年目教員の家計簿|手取りの内訳を見える化する

書類を確認する手元(家計の見直しシーン)

まず、毎月の手取りを次の項目に分けて、実際にいくら使っているかを書き出してみましょう。

  • 家賃
  • 食費(外食含む)
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 日用品・被服費
  • 交際費・趣味
  • 奨学金返済(あれば)
  • 保険・自己投資
  • 貯蓄・投資

住んでいる地域、独身か実家暮らしか、奨学金の有無で大きく変わります。重要なのは、月の収入から「生活費」と「貯蓄」を分けて見える化すること。これができていない3年目教員が、Re-Careerには本当に多いです。

「家計簿アプリを使い始めて2ヶ月で、毎月3万円の使途不明金があると気づきました。今は固定費を見直して、貯蓄を月5万円に増やせています。」
——20代・中学校教員

3年目より前、採用1〜2年目でお金のことが気になっている方は新任教員が辞めたいと思ったら|1年目で辞めた885人のデータとお金の落とし穴もあわせてどうぞ。勤続12か月未満だと失業者の退職手当が出ない、という初任固有の話を扱っています。

3年目教員が直面する5つのお金の落とし穴

夜のノートパソコン(落とし穴を見直すシーン)

3年目はキャリアと家計の両方で「転換期」。気づかないうちに貯金が減るパターンには、よくあるものがあります。

① 「ちょっと余裕が出た」感覚での支出増

昇給で給料が上がってくる3年目。「ちょっと贅沢してもいいかな」が積み重なって、年間の貯蓄額がほぼゼロになる罠。

② 結婚・引越しなどライフイベントでの一時出費

3年目あたりから結婚や引越し、車の購入などが現実的になり、一時的な大きな支出が発生しがち。事前準備のない場合、貯金を一気に取り崩すことになります。

③ 民間保険のかけすぎ

新人時代に勧誘されて入った生命保険・医療保険。実は、教員には共済組合の保障があるので、民間保険を重ねる必要はあまりありません。月1万円の保険料を払い続けると、5年で60万円。見直しの効果が大きい項目です。

④ ボーナスの「ご褒美使い」

ボーナスを「ご褒美」と捉えて全額使ってしまうパターン。受け取ったら、まず半分以上を貯蓄や投資に回す習慣を3年目から作ると、10年後の差は大きくなります。

⑤ 投資・資産運用への無関心

「投資は怖い」「公務員は投資できない」と思い込んで、銀行預金にしか入れていない教員が多いです。実は、教員もiDeCo・NISAは問題なく利用できます。3年目から月1万円の積立を始めれば、20年で240万円の元本が積み上がります。

関連記事:教員夫婦の家計管理|共済組合のメリットと共働き世帯の落とし穴

3年目から始める3つの資産形成

図書館の本棚(学んで備えるイメージ)

3年目は資産形成を始める黄金期です。時間を味方につけられる年代だからこそ、少額からでも始める価値があります。

① 月1万円のNISAつみたて投資枠

新NISAのつみたて投資枠は年間120万円までの非課税投資枠。月1万円を20年間積み立てると、元本は240万円です。ここに運用の損益と信託報酬が乗ります。受け取れる額は運用成績で変わるため、この記事では「年率◯%なら◯万円」という見込みは置きません。3年目から始めれば、40代前半で資産形成の土台ができます。

② 月5,000円のiDeCo

公務員のiDeCo月額上限は20,000円。掛金が全額所得控除になるので、所得税・住民税の節税効果も大きいです。月5,000円から始めるだけで、年間6万円×退職までの30年強=180万円超を非課税で運用できます。

③ 共済組合の貯金制度

公立学校共済組合には貯金制度があります(利率や取扱いは支部ごとに異なるため、所属の支部にご確認ください)。いまの利率と、利息がいつ元金に組み入れられるかを確認したうえで、他の預け先と比べてください。給与天引きで「先取り貯金」できるのも強みです。

「3年目から月3万円のNISAを始めて、ほったらかしで気がついたら100万円貯まっていました。「投資は時間が味方」という言葉は本当でした。」
——30代・小学校教員(投資歴7年)

3年目教員のキャリアとお金の悩み|転職・結婚・住宅購入

草原に立つ大木(人生の転機を考えるイメージ)

3年目あたりから「教員を続けるか、辞めるか」「結婚したらどう変わるか」「住宅を買うか」など、人生の大きな選択肢に向き合う場面が増えます。お金とキャリアは切り離せません。

転職を考え始めたとき

「教員を辞めたい」と思ったとき、まず計算してほしいのが「辞めた後のお金」。厚生年金の実施機関が公立学校共済組合から日本年金機構に変わること(加入する制度はどちらも厚生年金です)、ボーナスの違い、住民税の支払い時期など、転職前後で家計はガラッと変わります。

関連記事:「教員を辞めたい」と思ったときに読む完全ガイド

結婚・パートナーシップを考えるとき

結婚すると、家計は「個人」から「夫婦」へ。教員夫婦なら世帯年収が一気に跳ね上がる一方で、住宅費・教育費・保険などの固定費も増えます。3年目時点で「結婚したらどう生活するか」のイメージを持っておくと、選択がスムーズです。

住宅購入を考えるとき

教員は住宅ローン審査に強いので、3年目以降から購入を検討できます。ただし、若いうちに大きなローンを組むのはキャリアの選択肢を狭める要因にもなり得ます。「いま買うか」「あと5年待つか」を慎重に考える時期です。

よくある質問(FAQ)

コーヒー1杯(じっくり考える時間)

Q. 3年目で貯金100万円は遅いですか?

A. 遅くないです。金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査2025年(単身世帯調査)」では、20歳代の単身世帯の金融資産保有額は、金融資産を持っていない世帯も含めて平均255万円、中央値37万円でした(20代後半だけの集計はありません。日常の出し入れに使う預貯金は含みません)。平均は一部の多く持つ人に引き上げられるので、中央値と比べると、3年目で100万円は少ない額ではありません。これから「先取り貯金」と「自動積立投資」を始めれば十分です。

Q. 教員でも投資できますか?地方公務員法に違反しませんか?

A. 投資は「副業」に該当しないため、地方公務員法に違反しません。NISAもiDeCoも問題なく利用できます。ただし、株式の頻繁な売買やFX投資は「業として行う」と判断されるリスクがあるので注意が必要です。長期積立型のインデックス投資が安全です。

Q. 結婚を機に教員を辞めるか迷っています。お金の不安が大きい場合は?

A. 「辞めるか続けるか」を決める前に、辞めた後の家計シミュレーションをしてみましょう。世帯年収・住宅費・教育費を計算すると、選択肢の現実味が見えてきます。Re-Careerでは、こうしたお金とキャリアの両面の相談を多く受けています。

まとめ|「いま」の家計が「未来」を作る

3年目教員は、お金の面でもキャリアの面でも転換期。「給料が上がってるのに貯金が増えない」のは、構造的な落とし穴にハマっているサインです。

大切なのは、まず現状を見える化すること。月の収入・支出・貯蓄・投資を、ざっくりでいいので把握する。その上で、共済組合・NISA・iDeCoという公務員教員の特権を活用して、未来の自分への仕送りを始める。

そして、お金の見直しはキャリアの見直しと一体。「いまの家計でやっていけるか」「キャリアを変えたらどうなるか」を一緒に考えると、人生の選択肢が広がります。

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Re-Career代表 新川紗世
元教員が運営するキャリア支援

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