教員の育休中の給料は月20万円・ボーナスはいくら?産休・育休の手取り早見表【2026年最新】
「教員の育休中の給料はいくら?」「育休中にボーナス(期末手当)は出る?」——本記事では、教員(公立・私立)の産休・育休中の給料・手当金・ボーナスを、月別シミュレーションと法令の根拠つきで解説します。育休中の給料は前半180日が67%(月20万円台)、以降50%。ボーナスは基準日以前6か月に勤務した期間があれば支給されます。産休の特別休暇、67%/50%の壁と上限額、復帰後の家計変化まで、元公立中学校教員+延べ1,000名以上のキャリア支援の経験から、具体的な金額でお伝えします。
結論からお伝えすると、公立教員の産休・育休は民間より手厚い制度が用意されています。ただし、「いくらもらえるか」を正確に知らないまま入ると、復帰時に想定外の「お金ショック」を受けるケースが多発しています。数字で見える化して、安心して育児と復帰に向き合いましょう。
この記事の著者
新川紗世(あらかわ・さよ)|Re-Career株式会社 代表取締役
元公立中学校英語教員(10年以上)。教員時代に感じた「このままでいいのか」という想いを原点に、教員専門のキャリア支援会社を設立。延べ1,000名以上の教員のキャリア相談に対応。
📋 目次
- 教員の産休・育休中の給料はいくら?月別手取りシミュレーション
- 産休・育休中の教員がもらえるお金の全体像|給料・手当金・ボーナス
- 教員の育休の給料は何割?育児休業手当金67%/50%の壁と上限
- 教員は育休中にボーナス(期末手当・勤勉手当)をもらえる?
- 復帰後の家計はどう変わる?時短勤務と保育料の影響
- 復帰前にやっておくべき5つのお金準備
- 育休中・復帰後の落とし穴|教員のボーナス減・住民税・保育料
- 続ける/辞める/時短、3パターンの家計シミュレーション
- よくある質問(FAQ)
- まとめ|お金の不安を見える化することから始まる
- あわせて読みたい:教員のお金・キャリアの関連記事
- 教員の産休・育休のお金に関するよくある質問(実務編)
⏱️ 30秒でわかる結論
教員の産休は特別休暇で満額支給、育休は最初180日は67%・以降50%。復帰後は住民税・保育料・ボーナス減の3重ショックに要注意。
産休中(14週間)特別休暇として給与・ボーナスがほぼ満額支給(民間との大きな違い)
育休 前半180日育児休業手当金 67%(上限 月30万円程度)
育休 後半育児休業手当金 50%(同上限)
育休中のボーナス基準日(6/1・12/1)以前6か月に勤務した期間があれば支給。期末手当は育休期間の1/2、勤勉手当は全期間が除算される(自治体の条例による)
復帰の落とし穴住民税は前年所得ベースで満額請求/保育料は所得区分で上振れ/ボーナス減
教員の産休・育休中の給料はいくら?月別手取りシミュレーション

「実際、月にいくら入るの?」を、標準的な公立教員のケース(年収500万円・標準報酬月額31万円)で月別に試算しました。数字は目安ですが、家計計画を立てる基準になります。
| 期間 | 支給名 | 月額目安 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 産前6週間 | 特別休暇(給与) | 約31万円 | 給与ほぼ満額 |
| 産後8週間 | 特別休暇(給与) | 約31万円 | 給与ほぼ満額 |
| 育休 1〜6ヶ月目 | 育児休業手当金 67% | 約20.8万円 | 上限月30万円程度 |
| 育休 7ヶ月目以降 | 育児休業手当金 50% | 約15.5万円 | 最長 原則1歳まで(延長で2歳) |
| 育休 1歳〜3歳(延長) | 無給 | 0円 | 公務員は最大3年取得可能 |
※ 数字は年収500万円・標準報酬月額31万円のモデルケース。実際の額は自治体・給与月額・共済組合の規定により変動します。正確な金額は所属自治体の共済組合または事務担当に必ず確認してください。
年収別 育児休業手当金の目安(67%期間・月額)
| 年収 | 月給目安 | 育休手当金(67%) | 育休手当金(50%) |
|---|---|---|---|
| 400万円 | 約26万円 | 約17.4万円 | 約13万円 |
| 500万円 | 約31万円 | 約20.8万円 | 約15.5万円 |
| 600万円 | 約38万円 | 約25.5万円 | 約19万円 |
| 700万円 | 約44万円 | 約30万円(上限) | 約22万円 |
年収700万円を超える教員は、67%の育休手当金でも上限(月30万円程度)で頭打ちになる点に注意。50%期間は上限がありませんが、実質的な収入減は大きくなります。
「産休・育休に入るけど、お金は大丈夫かな」
「復帰したら家計はどう変わるの?」
「時短にしたら手取りはどれくらい減るの?」
Re-Careerに寄せられる相談のなかで、産休・育休前後のお金にまつわる不安は、いつもトップクラスのテーマです。給与が止まる、ボーナスが減る、住民税は前年所得ベースで請求される——制度を知らないと、復帰時に思わぬ「お金ショック」を受けるケースも少なくありません。
この記事では、教員の産休・育休でもらえるお金の全体像から、復帰後の家計変化、続ける/辞める/時短の3パターン家計シミュレーションまで、元教員+キャリア支援者の視点で網羅的に解説します。
「育休復帰したら、ボーナスが半額・住民税は満額・保育料は最大級。月の手取りが想像以上に減って驚きました。事前に知っておけば心構えができたのに、と思います。」
——30代・小学校教員(育休復帰3ヶ月目)
産休・育休中の教員がもらえるお金の全体像|給料・手当金・ボーナス
教員(公立)の産休・育休中にもらえるお金は、おおまかに4つに分かれます。
① 産前産後休業期間(産休・約14週間)
産前6週間〜産後8週間は「特別休暇」として給与が支給されます(民間企業とは違い、無給ではない)。基本給与とボーナスは満額もしくは80%程度(自治体による)。これは公立教員のとても大きなメリットです。
② 育児休業手当金(育休開始〜原則1歳まで)
育休開始から180日(約6ヶ月)は給与の67%、それ以降は50%が支給されます。育児休業手当金には上限額があります(2026年時点で月30万円程度)。給与が高い教員でも、この上限がかかる点に注意が必要です。
③ 育児休業期間(最大3年)
公務員教員の育休は最大3年間取得可能。ただし手当金が出るのは原則1歳まで(保育園に入れない等で最大2歳まで延長可能)。1歳〜3年目までは無給期間になることが多いです。
④ 共済組合の保障継続
育休中も共済組合の組合員資格は継続するので、健康保険や退職金算定に影響しないのが教員の強み。民間企業のように「育休中は社会保険料を払い続ける必要がある」という心配が、公務員教員には少ないです(自治体により細部が異なるので確認推奨)。
教員の育休の給料は何割?育児休業手当金67%/50%の壁と上限
育児休業手当金の計算式は次のとおり。
「産休は給与ほぼ満額と聞いて安心していたのに、育休に入ったら急に手取りが月20万円台に。上の子の保育料と住宅ローンで、想像以上に切り詰めた育休期間でした。事前に月別で試算しておけば違ったのに」
——Kさん(30代・公立小学校教員/育休 1年目)
育児休業手当金 = 育休開始時の標準報酬月額 × 67%(180日経過後は50%)× 暦日数 ÷ 30
たとえば、標準報酬月額が30万円の場合:
・育休開始〜180日:月額20万1,000円程度
・181日目〜1歳:月額15万円程度
「給与の67%」と聞くと「思ったより少ない」と感じるかもしれませんが、育休中は所得税・住民税が免除(または減免)されるため、手取り換算では給与の80%程度になることが多いです。
2人目以降の育休取得時の注意
2人目以降の育休手当金は、1人目の育休前の給与がベースになるケースが多く、長く休むほど計算ベースが古くなる傾向があります。育休連続取得を考えている方は、計算ベースを事前にチェックしておきましょう。
教員は育休中にボーナス(期末手当・勤勉手当)をもらえる?

「育休中の給料」と並んでご相談が多いのが、「育休中にボーナスは出るのか」という質問です。結論からお伝えすると、育休中でもボーナスが出ることはあります。ただし満額ではなく、「いつ育休に入ったか」で金額が大きく変わります。
公立学校の教員は地方公務員なので、地方公務員の育児休業等に関する法律第4条第2項で「育児休業をしている期間については、給与を支給しない」と定められています。ところが期末手当・勤勉手当(=ボーナス)だけは別扱いで、同法第7条により、国家公務員の取扱いを基準として定めた各自治体の条例の定めるところにより支給できる、とされています。「県によって話が違う」と言われるのは、この条例に委ねられている部分があるためです。
もらえるかは「基準日以前6か月に勤務した期間があるか」で決まる
国の基準である国家公務員の育児休業等に関する法律第8条は、基準日(6月1日・12月1日)に育児休業をしている職員であっても、基準日以前6か月以内の期間において勤務した期間がある職員には、期末手当・勤勉手当を支給すると定めています。
裏を返すと、6月1日・12月1日からさかのぼった6か月間に1日も勤務していない場合は、支給されません。「1年目のボーナスは出たのに、2年目はゼロだった」という話は、ほとんどがこの条文で説明できます。
育休中のボーナスの可否を決める2つの日付
- 6月1日(夏のボーナスの基準日)… さかのぼる6か月は前年12月1日〜6月1日
- 12月1日(冬のボーナスの基準日)… さかのぼる6か月は6月1日〜12月1日
- この6か月のなかに勤務した期間が1日でもあれば支給対象、1日もなければ不支給
根拠:国家公務員の育児休業等に関する法律 第8条/地方公務員の育児休業等に関する法律 第7条
期末手当と勤勉手当で「育休期間の引かれ方」がまったく違う
教員のボーナスは「期末手当」と「勤勉手当」の2本立てです。同じボーナスでも、この2つは育休期間の扱いが違います。
| 項目 | 期末手当 | 勤勉手当 |
|---|---|---|
| 支給の可否 | 基準日以前6か月以内に勤務した期間があれば支給 | 同じく、勤務した期間があれば支給 |
| 育休期間の扱い | 2分の1を在職期間から除算 | 全期間を勤務期間から除算 |
| 育休が1か月以下のとき | 除算しない | 除算しない |
| 基準日前6か月がすべて育休 | 支給なし | 支給なし |
| 根拠(国の基準) | 人事院規則九―四〇 第5条第2項第2号 | 人事院規則九―四〇 第11条第2項第2号 |
期末手当は育休期間の半分しか引かれないのに対し、勤勉手当は育休期間が丸ごと引かれます(人事院規則九―四〇(期末手当及び勤勉手当)第5条第2項第2号・第11条第2項第2号)。「期末手当はそこそこ入ったのに、勤勉手当がほとんどなかった」という声は、ここから生まれています。
在職期間別の支給割合|期末手当の早見表
期末手当は、基準日以前6か月のうちの「在職期間」に応じて支給割合が決まります(一般職の職員の給与に関する法律第19条の4第2項)。
| 基準日以前6か月の在職期間 | 期末手当の支給割合 |
|---|---|
| 6か月 | 100% |
| 5か月以上6か月未満 | 80% |
| 3か月以上5か月未満 | 60% |
| 3か月未満 | 30% |
一方の勤勉手当は「勤務期間」に応じた期間率が使われ、こちらは15日きざみで細かく決められています(人事院規則九―四〇 別表第二)。育休期間が丸ごと引かれるうえに区分も細かいので、数日のずれで支給率が1段階変わることがあります。
| 基準日以前6か月の勤務期間 | 勤勉手当の期間率 |
|---|---|
| 6か月 | 100% |
| 5か月15日以上6か月未満 | 95% |
| 5か月以上5か月15日未満 | 90% |
| 4か月15日以上5か月未満 | 80% |
| 4か月以上4か月15日未満 | 70% |
| 3か月15日以上4か月未満 | 60% |
| 3か月以上3か月15日未満 | 50% |
| 2か月15日以上3か月未満 | 40% |
| 2か月以上2か月15日未満 | 30% |
| 1か月15日以上2か月未満 | 20% |
| 1か月以上1か月15日未満 | 15% |
| 15日以上1か月未満 | 10% |
| 15日未満 | 5% |
計算例|10月1日から育休に入ると、12月のボーナスはいくらになる?
実際にどうなるのか、国の基準で計算してみます。
10月1日から育休に入った教員の「12月のボーナス」(国の基準で計算した場合)
- 基準日は12月1日。さかのぼる6か月は6月1日〜12月1日
- このうち6月1日〜9月30日の4か月は勤務、10月1日〜12月1日の2か月が育休
- 期末手当:6か月 − 育休2か月の2分の1(=1か月)= 在職期間5か月 → 支給割合80%
- 勤勉手当:6か月 − 育休2か月の全部 = 勤務期間4か月 → 期間率70%
※ 実際は日単位で計算されます。除算の割合・区分は自治体の条例および規則によって異なります。
同じ「2か月だけ育休」でも、期末手当は8割、勤勉手当は7割と差がつきます。仮に満額のボーナスが期末手当40万円・勤勉手当30万円だとすると、40万円×80% + 30万円×70% = 53万円。満額なら70万円なので、2か月の育休で17万円ほど減る計算になります(俸給や自治体の支給月数によって金額は変わります)。
ここで大事なのは、育休に入る日を1か月ずらすだけで、ボーナスの支給率が1〜2段階変わりうるということです。出産予定日は動かせませんが、産休明けにいつ育休へ入るか、復帰をいつにするかは、選べる場合があります。「育休は取る/取らない」ではなく「いつからいつまで取るか」でお金は変わります。
産休(産前産後休暇)中のボーナスは扱いが違う
混同されやすいのですが、産休は「育児休業」ではなく特別休暇です。公立教員の場合は給与が支給される期間なので、ボーナスの計算でも育休のような除算の対象にはなりません(自治体の条例によって細部は異なります)。
「産休だけ取って復帰した年」と「育休までフルで取った年」で、ボーナスの落ち方がまったく違うのはこのためです。産休中のボーナスは基本的に心配しなくてよく、注意すべきは育休に入ってから、と整理しておくと分かりやすいと思います。
育休中に出たボーナスの「掛金」と「税金」
掛金(共済組合の保険料)は、条件を満たせば免除されます。公立学校共済組合では、賞与月の末日を含んだ連続した1か月(土日等の休日も期間に含む)を超える育児休業等を取得した場合に限り、期末手当等にかかる掛金が免除されます(公立学校共済組合 愛媛支部)。「1か月ちょうど」では足りず、1日でも超えている必要がある点に注意してください。
一方で、税金は免除されません。育児休業手当金は非課税ですが、期末手当・勤勉手当は給与所得なので所得税がかかり、翌年の住民税や保育料の算定にも反映されます。「育休中でほとんど収入がないのに、翌年の住民税や保育料が思ったより高い」と感じる原因のひとつが、この育休中に支給されたボーナスです。
私自身、教員として働いていたころ、産休・育休のお金の話が職員室で共有されることはほとんどありませんでした。制度の質問は「事務室に聞いてみて」で終わり、あとは自分で調べるしかない。相談を受けるようになった今も、この状況はあまり変わっていないと感じています。
実際、Aさん(30代・公立中学校教諭)からいただいたご相談も「12月のボーナスが半分以下だったのは、何かの間違いではないか」という内容でした。Aさんは6月末から育休に入っていたので、基準日前6か月のうち勤務していたのは約1か月。上の表に当てはめると、期末手当は6割前後、勤勉手当は1〜2割の水準です。計算し直しても制度どおりの金額で、間違いではありませんでした。知らなかっただけで、事前に分かっていれば貯蓄の計画を変えられた——このパターンが本当に多いです。
関連記事:教員の共済組合フル活用ガイド|民間にはない5つのメリット
「いくらもらえるか」は見えた。次は「どう働くか」
ここまでで手当金とボーナスの見当はついたと思います。ただ、家計の不安が本当に軽くなるのは、復帰後の働き方を決めたときでした。時短・フルタイム・別の働き方、どれを選んでも否定しません。
復帰後の家計はどう変わる?時短勤務と保育料の影響
育休から復帰すると、家計は何重にも変化します。「給料は元に戻るんでしょ?」と思いきや、実はもっと複雑です。
時短勤務の影響
多くの自治体で、小学校就学前まで時短勤務(部分休業)が利用できます。1日2時間の時短取得で、月給はおよそ20〜25%減。手取りでも数万円の減少になります。ボーナスも勤務時間に応じて減るので、年収ベースでは100万円以上減るケースも。
保育料の負担
0〜2歳児の保育料は、世帯年収によって決まります。共働き教員夫婦の場合、世帯年収が高いと月の保育料は5〜7万円になることも。3歳以上は無償化されるので負担は減りますが、未満児期間は家計を圧迫します。
育児用品・送迎費の発生
復帰すると、ベビー用品の補充、保育園送迎時の交通費(または車関連費)、ファミリーサポートやベビーシッター費など、育休前にはなかった出費が発生します。月2〜3万円増えるイメージで予算を組んでおくと安心です。
「時短にしたら手取りが減るのはわかってたけど、保育料・送迎費・育児用品で「実質マイナス」になる月もあって、心が折れそうでした。」
——30代・中学校教員(時短勤務2年目)
復帰前にやっておくべき5つのお金準備
復帰時のお金ショックを最小化するために、復帰の3〜6ヶ月前からやっておきたい準備があります。
「『満額もらう条件』を意識せずに手続きしたら、ボーナス評価月をまたぐ産休の入り方で、ボーナスが半額に。あと1週間ずらせば満額だったんです。育休入る前に必ず共済組合に電話で確認してください」
——Nさん(30代・公立中学校教員/育休復帰後)
① 復帰後の収入と支出を試算する
時短勤務にする場合、何時間取るか、月の手取りいくらになるかを必ず計算。プラス保育料・送迎費を加えて、月の家計簿の試算を作っておきましょう。
② 住民税の前年所得分の支払い計画
育休中も住民税は前年所得ベースで請求されます(普通徴収切替)。復帰後も6月までは前年(産休・育休前)の高い所得ベースで給与から天引きされるため、想定より手取りが少なくなる罠があります。
③ 共済組合の貸付制度を確認
「育児貸付」という種類は、公立学校共済組合にはありません。育児に関連した費用で使えるのは、出産費・家族出産費の支払いに充てる出産貸付け(無利息。出産費等の支給時に一括控除。直接支払制度を利用する場合は利用不可)、入院費・不妊治療費などの医療貸付け(限度額120万円・年1.32%)、幼稚園等の入学金や授業料・引っ越し費用などに使える一般貸付け(限度額200万円・年1.32%)です。教育貸付けは小学校から大学等までの入学・修学費用が対象で、幼稚園は対象外です(出典:公立学校共済組合「貸付けの種類・利率等」)。
④ 保育園入園のタイミングを最適化
育休手当金が切れる1歳または2歳のタイミングで保育園に入れるのがベストですが、入園難易度によっては早めの入園を選ぶ家庭もあります。「いつ復帰するか」は、お金とキャリアの両方を見て決めるべきポイントです。
⑤ パートナーとの家事・育児・お金の役割分担
復帰後の家計は、夫婦両方の家計と時間配分の問題になります。「給料が減った分、家事の比重を増やせるか」「ボーナス用途を一緒に考えるか」など、復帰前から話し合っておくとスムーズです。
育休中・復帰後の落とし穴|教員のボーナス減・住民税・保育料
「思ったより手取りが少ない」と感じる主な原因は、次の3つです。
ボーナス減:基準日前6か月の勤務期間で支給率が決まる
ボーナスは、基準日(6月1日・12月1日)以前6か月の在職期間・勤務期間に応じて支給率が決まります。年度途中に復帰した場合、復帰後最初のボーナスは数割しか出ないのが普通です。「復帰したのだから満額もらえる」と考えて家計を組むと、ここでつまずきます。
たとえば1月に復帰した場合、6月1日の基準日からさかのぼる6か月(前年12月1日〜6月1日)のうち、勤務したのは1月〜6月のおよそ5か月。残りは育休期間として除算されるため、期末手当は8割前後、勤勉手当はさらに低い水準になります。計算の仕組みは「教員は育休中にボーナス(期末手当・勤勉手当)をもらえる?」で詳しく解説しています。
住民税:前年所得ベースで請求される罠
住民税は前年所得をベースに6月から翌5月まで請求されます。産休・育休直前まで満額働いていた場合、復帰後の住民税が「給料が減ったのに前年並み」になり、手取りを大きく圧迫します。
保育料:認可保育園は前年所得ベース、認可外は固定額
0〜2歳の保育料は、認可保育園は前年所得ベースで決まるので、復帰直後は高め。3歳以降は無償化されますが、未満児期間の保育料負担は計画的に。
続ける/辞める/時短、3パターンの家計シミュレーション
復帰時の選択肢は、おおまかに3つあります。
パターンA:フルタイム復帰
- 収入:育休前と同額(年収450〜600万円)
- 負担:保育園送迎・育児・家事との両立負担大
- 適している:パートナーや実家のサポートが厚い/キャリア優先
パターンB:時短勤務復帰
- 収入:年収100〜150万円減
- 負担:時間的余裕は増える/保育料との差額に注意
- 適している:子育てを優先/フルタイムは無理せず段階復帰
パターンC:退職して別の働き方に切り替え
- 収入:一時的に大きく減る/フリーランス・パート・別業種転職など多様
- 負担:共済から国保・国民年金へ切替(手厚さは下がる)
- 適している:ライフステージで働き方を再設計したい
「時短勤務とフルタイムの間で2年悩んで、最終的に時短を選びました。年収は減ったけど、子どもとの時間が取れることが何より大事だった。お金の試算をしっかりしてから決めたから、今も後悔はありません。」
——30代・小学校教員
よくある質問(FAQ)

Q. 育休手当金は無税ですか?
A. はい、育児休業手当金は非課税です。所得税・住民税ともにかかりません。ただし、復帰後の住民税は前年所得ベースで請求されるので、復帰後の家計には影響します。
Q. 育休中にiDeCoの掛金を続けられますか?
A. 続けられますが、所得控除のメリットは育休中は使えません(所得が少ないため)。育休中は最低拠出額(月5,000円)に減額するか、一時停止も可能です。
Q. 復帰後すぐに転職を考えるのは可能?
A. 法律上は問題ありません。ただし、ボーナスや退職金の計算上、復帰直後の転職は損になることが多いです。転職するなら、最低でも復帰後1年は様子を見るのがおすすめ。Re-Careerには、育休復帰後にキャリア相談に来る方もたくさんいらっしゃいます。
💡 関連ガイド:養護教諭のキャリアや転職を検討されている方は、養護教諭の転職と、保健室経験が活きる仕事もあわせてご覧ください。
まとめ|お金の不安を見える化することから始まる
産休・育休前後のお金の不安は、「制度を知らない」「シミュレーションをしていない」ことから生まれます。
育休手当金、住民税、保育料、ボーナス減——これらの仕組みを一つずつ理解して、自分の家計でシミュレーションすると、不安は「対処できる課題」に変わります。
そして、復帰時の選択(フルタイム/時短/退職)は、お金だけじゃなく、自分とパートナーと子どもの暮らしのバランスで決めるもの。Re-Careerでは、お金とキャリアを一緒に考える相談を多く受けています。一人で抱え込まず、外の視点も借りてみてください。
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教員の産休・育休のお金に関するよくある質問(実務編)

Q. 私立教員の産休・育休は公立とどう違いますか?
A. 私立教員は雇用保険の対象のため、育児休業給付金はハローワーク経由で支給されます。金額の目安は公立とほぼ同じ(67% → 50%)ですが、産休中の給与は学校法人の就業規則次第で、無給または一部支給というケースがあります。健康保険からの出産手当金(給与の約2/3)が代替支給されるため、トータルの手取りは公立と大きな差がないことが多いです。
Q. 男性教員も育休を取れますか?お金は?
A. はい、男性教員も育休取得可能で、育児休業手当金の額も女性と同じ計算式(67% → 50%)です。2022年の育児介護休業法改正で「産後パパ育休」(出生時育児休業、最大4週間)も新設されました。夫婦とも教員なら、育休を分割・並行取得することで手当金の総額を最大化できるケースがあります。
Q. 育休中にボーナス(期末手当・勤勉手当)はもらえますか?
A. 基準日(6月1日・12月1日)以前6か月以内に勤務した期間があれば支給されます(国家公務員の育児休業等に関する法律 第8条/地方公務員は同法第7条に基づく各自治体の条例)。ただし国の基準では、期末手当は育休期間の2分の1、勤勉手当は全期間がそれぞれ在職期間・勤務期間から除算されるため、満額にはなりません。基準日前6か月がすべて育休の場合は不支給です。除算の割合は自治体の条例により異なるので、給与担当に確認してください。
Q. 育休中に出たボーナスに、税金や共済の掛金はかかりますか?
A. 税金はかかり、掛金は条件つきで免除されます。育児休業手当金は非課税ですが、期末手当・勤勉手当は給与所得なので所得税がかかり、翌年の住民税や保育料の算定にも反映されます。一方、掛金は公立学校共済組合の場合、賞与月の末日を含んだ連続した1か月(土日等の休日も含む)を超える育児休業等を取得した場合に限り免除されます。「1か月ちょうど」では免除されない点に注意してください。
Q. 育休1年目と2年目で、ボーナスはどう変わりますか?
A. 一般的には、育休に入った年度は勤務した期間の分だけ支給され、丸1年育休を取っている年はゼロになります。基準日以前6か月に勤務した期間があるかどうかで決まるためです。育児休業手当金も原則1歳までなので、育休2年目は手当金もボーナスも入らない前提で貯蓄計画を立てておくと安全です。
Q. 復帰後の住民税ショック、対策はありますか?
A. 復帰翌年6月から「産休・育休で無給だった年ではなく、前年(=満額給与だった年)」の所得に応じた住民税が請求されます。対策としては、①復帰前に住民税分(月2〜3万円程度)を貯金で確保、②配偶者控除の見直し、③復帰月をずらして年収を調整、などがあります。
Q. 復帰後の保育料はどう決まる?
A. 保育料は「前年の世帯所得」で決まるため、育休明けの復帰1年目は「産休・育休の低所得期間」を基に低めに設定されることが多いです。ただし2年目以降は満額所得ベースで上振れするため、家計計画は復帰2年目以降の保育料も見据えて立てましょう。
Q. 育休中に「辞めよう」と思ってしまいます。判断は?
A. 育休中の退職検討は、女性教員のご相談で最も多いテーマです。「疲労ピーク時の即決断は避ける」のが鉄則。復帰後に時短勤務・異動希望・部分休業などを試してから、それでも難しければ転職を検討する順番が安全です。関連記事「教員ママが辞めたいと感じる構造的な理由」もあわせてご覧ください。
