3年目教員の家計の全て|手取り24万円の貯金・ボーナス・落とし穴

3年目教員の家計の全て|手取り24万円の貯金・ボーナス・落とし穴
新川紗世 Re-Career代表

この記事の著者

新川紗世(あらかわ・さよ)|Re-Career株式会社 代表取締役

元公立中学校英語教員(10年以上)。教員時代に感じた「このままでいいのか」という想いを原点に、教員専門のキャリア支援会社を設立。延べ500名以上の教員のキャリア相談に対応。

「3年目を迎えるけど、自分の家計、これでいいのかな」

⏱️ 30秒でわかる結論

3年目教員(手取り24万円)は「先取り貯金」「ボーナス使い方」「住居費」の3点で差がつく。

先取り貯金月3〜5万円の天引き積立を給与振込日に設定

ボーナス夏冬それぞれ「貯金6:使う2:投資2」で3年で200万円

住居費家賃は手取りの25%以内が安全圏(6万円が目安)

注意官舎・住居手当の使い方で年20万円の差が生まれる

初任の頃は無我夢中で過ぎ、2年目で少し慣れて、3年目あたりから「お金のこと、ちゃんと考えなきゃ」と思い始める教員は多いです。Re-Careerに寄せられる相談でも、3年目前後で「貯金がぜんぜん増えない」「キャリアを考え始めたら家計の見直しも必要だと気づいた」という声をたくさんいただきます。

私自身も、3年目あたりで「あれ、給料は上がってるはずなのに、なぜ貯金は増えないんだろう?」と疑問を持ったのを覚えています。この記事では、3年目教員のリアルな家計の全体像を、給料・ボーナス・貯金・落とし穴の4つの視点で整理します。

「3年目で「ちょっと給料に余裕が出てきた」と思って外食や買い物が増えたら、年間の貯金額がほぼゼロになっていました。気づいたときには手遅れ。」
——20代後半・小学校教員

3年目教員のリアルな手取り|給料・ボーナスの内訳

電卓と税金書類(教員の給料明細を確認するイメージ)

3年目教員の月の手取りは約22〜24万円

初任給は手取り21万円前後ですが、3年目になると等級が上がり、おおよそ月手取り22〜24万円程度になります(自治体・校種によって差あり)。額面ベースでは月給26〜28万円ほどですが、共済組合の掛金、税金、年金が引かれるとこの水準に落ち着きます。

3年目のボーナスは年間およそ60〜70万円

夏のボーナスと冬のボーナス、合わせて年間60〜70万円が目安。自治体によっては期末・勤勉手当合算で年間90万円超になるケースもあります。3年目の最初の夏は「3割支給」のところもあるので、フルにもらえるのは秋以降の冬ボーナスが初めて、という構造もあります。

年収ベースでは350〜450万円

月給12ヶ月+ボーナスを合算すると、3年目教員の年収は約350〜450万円。日本の20代後半の平均年収(約370万円・国税庁調査)と比べると、ほぼ同等か少し上のラインに位置します。安定収入という意味では、悪くない位置です。

関連記事:教員から転職して年収は上がる?下がる?|リアルな収入事情

3年目教員の家計簿|手取り24万円の暮らし方

書類を確認する手元(家計の見直しシーン)

手取り24万円から、日本の20代独身の平均的な家計をベースにすると、概ね以下のような分布になります。

  • 家賃:65,000〜85,000円(手取りの27〜35%)
  • 食費:30,000〜45,000円(外食含む)
  • 水道光熱費:10,000〜15,000円
  • 通信費:8,000〜12,000円
  • 日用品・被服費:15,000〜25,000円
  • 交際費・趣味:20,000〜40,000円
  • 奨学金返済:あれば10,000〜25,000円
  • 保険・自己投資:5,000〜15,000円
  • 貯蓄・投資:20,000〜40,000円

住んでいる地域、独身か実家暮らしか、奨学金の有無で大きく変わります。重要なのは、月の収入から「生活費」と「貯蓄」を分けて見える化すること。これができていない3年目教員が、Re-Careerには本当に多いです。

「家計簿アプリを使い始めて2ヶ月で、毎月3万円の使途不明金があると気づきました。今は固定費を見直して、貯蓄を月5万円に増やせています。」
——20代・中学校教員

3年目教員が直面する5つのお金の落とし穴

夜のノートパソコン(落とし穴を見直すシーン)

3年目はキャリアと家計の両方で「転換期」。気づかないうちに貯金が減るパターンには、よくあるものがあります。

① 「ちょっと余裕が出た」感覚での支出増

初任給より手取りが2〜3万円増える3年目。「ちょっと贅沢してもいいかな」が積み重なって、年間の貯蓄額がほぼゼロになる罠。

② 結婚・引越しなどライフイベントでの一時出費

3年目あたりから結婚や引越し、車の購入などが現実的になり、一時的な大きな支出が発生しがち。事前準備のない場合、貯金を一気に取り崩すことになります。

③ 民間保険のかけすぎ

新人時代に勧誘されて入った生命保険・医療保険。実は、教員には共済組合の保障があるので、民間保険を重ねる必要はあまりありません。月1万円の保険料を払い続けると、5年で60万円。見直しの効果が大きい項目です。

④ ボーナスの「ご褒美使い」

ボーナスを「ご褒美」と捉えて全額使ってしまうパターン。年間100万円のうち、最低半分は貯蓄や投資に回す習慣を3年目から作ると、10年後の差は数百万円になります。

⑤ 投資・資産運用への無関心

「投資は怖い」「公務員は投資できない」と思い込んで、銀行預金にしか入れていない教員が多いです。実は、教員もiDeCo・NISAは問題なく利用できます。3年目から月1万円の積立NISAを始めれば、20年後にかなりの金額になります。

関連記事:教員夫婦の家計管理|共済組合のメリットと共働き世帯の落とし穴

3年目から始める3つの資産形成

図書館の本棚(学んで備えるイメージ)

3年目は資産形成を始める黄金期です。時間を味方につけられる年代だからこそ、少額からでも始める価値があります。

① 月1万円のつみたてNISA

つみたてNISAは年間120万円までの非課税投資枠。インデックスファンドを月1万円ずつ20年間積み立てると、年率5%の運用想定で約400万円になります(元本240万円・運用益160万円)。3年目から始めれば、40代前半で資産形成の土台ができあがります。

② 月5,000円のiDeCo

公務員のiDeCo月額上限は12,000円。掛金が全額所得控除になるので、所得税・住民税の節税効果も大きいです。月5,000円から始めるだけで、年間6万円×退職までの30年強=180万円超を非課税で運用できます。

③ 共済組合の貯金制度

公立学校共済組合には、市中銀行より金利が高い貯金制度があります(自治体により利率は異なる)。普通預金で寝かせるより、共済貯金に入れる方が増えやすい。給与天引きで「先取り貯金」できるのも強みです。

「3年目から月3万円のNISAを始めて、ほったらかしで気がついたら100万円貯まっていました。「投資は時間が味方」という言葉は本当でした。」
——30代・小学校教員(投資歴7年)

3年目教員のキャリアとお金の悩み|転職・結婚・住宅購入

草原に立つ大木(人生の転機を考えるイメージ)

3年目あたりから「教員を続けるか、辞めるか」「結婚したらどう変わるか」「住宅を買うか」など、人生の大きな選択肢に向き合う場面が増えます。お金とキャリアは切り離せません。

転職を考え始めたとき

「教員を辞めたい」と思ったとき、まず計算してほしいのが「辞めた後のお金」。共済年金から厚生年金への切り替え、ボーナスの違い、住民税の支払い時期など、転職前後で家計はガラッと変わります。

関連記事:「教員を辞めたい」と思ったときに読む完全ガイド

結婚・パートナーシップを考えるとき

結婚すると、家計は「個人」から「夫婦」へ。教員夫婦なら世帯年収が一気に跳ね上がる一方で、住宅費・教育費・保険などの固定費も増えます。3年目時点で「結婚したらどう生活するか」のイメージを持っておくと、選択がスムーズです。

住宅購入を考えるとき

教員は住宅ローン審査に強いので、3年目以降から購入を検討できます。ただし、若いうちに大きなローンを組むのはキャリアの選択肢を狭める要因にもなり得ます。「いま買うか」「あと5年待つか」を慎重に考える時期です。

よくある質問(FAQ)

コーヒー1杯(じっくり考える時間)

Q. 3年目で貯金100万円は遅いですか?

A. 遅くないです。日本の20代後半独身の平均貯金額は約290万円ですが、中央値は130万円程度(金融広報中央委員会調査)。3年目で100万円は、平均的または少し下のライン。これから「先取り貯金」と「自動積立投資」を始めれば、十分追いつけます。

Q. 教員でも投資できますか?地方公務員法に違反しませんか?

A. 投資は「副業」に該当しないため、地方公務員法に違反しません。NISAもiDeCoも問題なく利用できます。ただし、株式の頻繁な売買やFX投資は「業として行う」と判断されるリスクがあるので注意が必要です。長期積立型のインデックス投資が安全です。

Q. 結婚を機に教員を辞めるか迷っています。お金の不安が大きい場合は?

A. 「辞めるか続けるか」を決める前に、辞めた後の家計シミュレーションをしてみましょう。世帯年収・住宅費・教育費を計算すると、選択肢の現実味が見えてきます。Re-Careerでは、こうしたお金とキャリアの両面の相談を多く受けています。

まとめ|「いま」の家計が「未来」を作る

3年目教員は、お金の面でもキャリアの面でも転換期。「給料が上がってるのに貯金が増えない」のは、構造的な落とし穴にハマっているサインです。

大切なのは、まず現状を見える化すること。月の収入・支出・貯蓄・投資を、ざっくりでいいので把握する。その上で、共済組合・NISA・iDeCoという公務員教員の特権を活用して、未来の自分への仕送りを始める。

そして、お金の見直しはキャリアの見直しと一体。「いまの家計でやっていけるか」「キャリアを変えたらどうなるか」を一緒に考えると、人生の選択肢が広がります。

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Re-Career代表 新川紗世
元教員が運営するキャリア支援

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Re-Careerは元教員が立ち上げた、教員専門のキャリア支援サービスです。
「辞める/続ける/変える」どの選択でも、お金とキャリアの両面で伴走します。