養護教諭の求人はどこで探す?就職先ごとの窓口|講師登録・採用試験・私立・求人サイトの使い分け

養護教諭の求人はどこで探す? 講師登録・採用試験・私立・求人サイトの使い分け

養護教諭の求人は、就職先によって探す場所が違います。公立の正規は採用試験、臨時的任用や非常勤は教育委員会の講師登録、私立は私学団体の募集情報と学校の公式サイトが主な入口です。窓口の使い分けを、自治体と団体の公式ページで確かめて整理しました。

「養護教諭の求人って、どこに出ているんだろう」。転職サイトを開いても見つからず、手が止まっている方もいるかもしれません。養護教諭の求人は、一つのサイトにはまとまっていません。見つからないのは、探し方が悪いからではなく、求人の出どころが就職先ごとに分かれているからです。

この記事では、公立・私立・国立の附属学校・学校の外、それぞれの求人がどこに出てくるのかを順番に並べます。続けるか、場所を変えるか、外に出るかを決めるのは、読み終えたあなたです。

新川紗世 Re-Career代表

この記事の著者

新川紗世(あらかわ・さよ)|Re-Career株式会社 代表取締役

公立中学校で11年、私立高校で1年、あわせて12年、英語教員として勤務。教員時代に病休を経験し退職。その後、教員専門のキャリア支援会社を設立。著書『「やめたいかも」と一度でも思ったら読む 教員の転職思考法』。スタッフ全員が元教員のキャリア支援会社を率い、自身も延べ1,000名以上のキャリア支援に携わる。

⏱️ 30秒でわかる結論

養護教諭の求人は「働きたい場所」で探す窓口が変わる。まず窓口を知ってから選べばいい

公立(正規)教育委員会の採用選考(採用試験)の実施要項から出願。求人サイトからの応募にはならない

公立(講師)教育委員会の講師登録が入口。窓口・職名・条件は自治体ごとに違い、登録しても必ず任用されるとは限らない

私立採用は学校法人ごと。私学団体の募集情報(全国版は日本私学教育研究所)と学校の公式サイトを見る

学校の外持っている免許で応募できる求人が変わる。看護師・保健師の求人は、それぞれの免許が前提

転職サイト主に学校の外の求人と、一部の私立の求人の入口。公立の求人を探す道具ではない

養護教諭の求人はどこで探す?|就職先ごとに窓口が違う

いくつもの方向を指す矢印(就職先ごとに窓口が違うイメージ)

先に結論をお伝えします。養護教諭の求人は、働きたい場所によって、出てくる場所がまったく違います。公立学校の正規採用、公立学校の講師(臨時的任用・会計年度任用)、私立学校、国立大学の附属学校、そして学校の外。まず全体を表で見てください。

働きたい場所 求人の主な出どころ 雇用の形 探すタイミング
公立学校(正規) 都道府県・政令指定都市などの教育委員会が行う採用選考(採用試験)の実施要項 正規の地方公務員 年に1回の選考が中心(秋〜冬に特別選考を行う自治体もある)。受けたい自治体の要項が出たら
公立学校(講師・臨時) 教育委員会の講師登録(名簿への登録) 臨時的任用職員・会計年度任用職員 登録を随時受け付ける自治体もある
私立学校 都道府県の私学団体の募集情報・学校の公式サイト 学校法人ごと(専任・常勤講師・非常勤講師など) 学校ごとに違う
国立大学の附属学校 各大学・附属学校の公募、全国国立大学附属学校連盟の募集情報 公募ごとに違う 公募ごと
学校の外 求人サイト、ハローワーク、自治体の職員採用ページなど 職場ごと 通年

この表のとおり、「転職サイトを見れば養護教諭の求人が全部並んでいる」という状態にはなりません。公立の求人は教育委員会、私立は学校法人、学校の外は一般の求人市場と、それぞれ別の場所で動いているからです。

この記事は、この「どこで探すか」に絞っています。養護教諭を続けるのも、学校や自治体を変えるのも、学校の外に出るのも、どれも間違いではありません。どの道を選ぶにしても、窓口を先に知っておくと、選べる幅が変わります。

先にお断りしておくと、私は英語の教員だったので、養護教諭として採用を受けたことはありません。そのぶん、この記事では、自治体・団体の公式ページと法律の条文で確かめたことだけを書いています(確認日はすべて2026年9月29日です)。

公立学校の養護教諭(正規)の求人|教員採用選考の実施要項で探す

面接のイメージ

公立学校で正規の養護教諭として働くには、教育委員会の採用選考(いわゆる教員採用試験)に合格する必要があります。教育公務員特例法第11条は、公立学校の教員の採用は「選考によるもの」とし、その選考は任命権者である教育委員会の教育長が行う、と定めています。

つまり、公立の正規の養護教諭は、求人サイトの求人に「応募する」形ではありません。受けたい自治体が公表する実施要項に沿って、出願する形です。

「養護教諭」の区分で出願する

文部科学省「令和7年度(令和6年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況等のポイント」によると、公立学校の教員採用選考は、都道府県・指定都市の教育委員会など68の実施者が行っています。選考は小学校・中学校・高等学校・特別支援学校などの区分に分かれていて、養護教諭もその一つとして集計されています。直近の数字は次のとおりです。

区分(令和7年度採用の選考) 受験者数 採用者数 競争率(採用倍率)
養護教諭 9,499人 1,164人 8.2倍(前年度も8.2倍)
全体(小・中・高・特別支援・養護・栄養の合計) 109,123人 37,375人 2.9倍

出典は同じ文部科学省の資料です(令和6年度に実施、令和7年12月25日公表)。競争率は受験者数を採用者数で割った値です。養護教諭の区分は、全体と比べて競争率が高い状態が続いています。

倍率が高いことは、「あなたが養護教諭に向いていない」という意味ではありません。一度で合格できなくても、講師として働きながら次の年に受ける、私立も並べて探すなど、組み立て方はいくつもあります。

採用倍率の背景と「1校に1人」の配置の仕組みは養護教諭の転職先12選の「養護教諭の就職先はどこ?」の章で詳しく書いています。

試験の時期と、年に何回あるか

同じ資料によると、令和8年度採用の選考(文部科学省調べ)では、第一次試験を5月以前に行った自治体が10、6月が30、7月以降が28でした。6月以前に第一次選考を行う自治体は増える傾向にあります。

また、令和7年度採用の選考では、春から夏の選考に加えて、秋から冬などに特別選考を行うなど、日程を複数にしている自治体が30ありました。「今年の試験はもう終わった」と思っても、受けたい自治体の要項をもう一度見てみる価値はあります。

地域を指定した選考や、経験者向けの選考もある

同じ資料には、指定された地域で一定期間勤務することを条件とした「地域枠」の選考を、養護教諭の区分で設けた自治体として、福島県・長野県・岐阜県・岡山県・佐賀県が挙がっています(令和7年度採用の選考)。

また、教職経験を加味した「特別の選考」は、68の自治体すべてで行われています。ここでいう特別の選考には、一部の試験の免除や加点などが含まれます。講師として働いた経験が、選考で考慮される区分がある、ということです。区分の名前と条件は自治体ごとに違い、要項は毎年度つくり直されます。自治体ごとの特別選考の区分は、学校ではたらく「教員採用試験の特別選考 自治体一覧」で探せます。

採用選考の要項を探すときの検索の仕方

・「〇〇県 教員採用 養護教諭」のように、自治体名と区分名で検索する
・政令指定都市に住んでいる・働きたい場合は、市の名前でも検索する(実施者68には、都道府県のほかに指定都市の教育委員会が含まれる)
・要項のPDFでは「受験資格」「選考区分」「特別選考(特例選考)」の項目を先に見る
・年度の表記(令和◯年度実施・令和◯年度採用)を必ず確かめる

公立学校の講師登録|臨時的任用・会計年度任用の養護教諭の求人

学校の校舎

正規採用の選考とは別に、公立学校には、産休・育休や病気休職の代わり、欠員の補充として働く養護教諭の募集があります。その入口になるのが、教育委員会の「講師登録」(名簿への登録)です。

法律上は、主に次の2つの任用に分かれます(地方公務員法)。

任用の種類 根拠 任期のルール
臨時的任用(常勤の代替など) 地方公務員法 第22条の3 常時勤務を要する職に欠員が生じた場合などに、6か月を超えない期間で任用。更新は6か月を超えない期間で1回まで。産休・育休の代わりは別の法律(女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律・地方公務員の育児休業等に関する法律)で任用され、任期は休業の期間を上限に決まる(育休の代わりの臨時的任用は1年まで)
会計年度任用職員(非常勤など) 地方公務員法 第22条の2 採用の日から、その会計年度の末日までの範囲で任命権者が定める

地方公務員法第22条の3第5項は、「臨時的任用は、正式任用に際して、いかなる優先権をも与えるものではない」と定めています。講師として働いたことで、自動的に正規の養護教諭になれるわけではありません。前の章で触れたとおり、講師の経験を選考で考慮する区分を設けている自治体はあります。

講師の窓口は全国で統一されていません。都道府県の教育委員会が受け付けるところ、市区町村が受け付けるところ、名簿に載るための選考を行うところがあります。実際の例を3つ見てみます。

例1:東京都|名簿に載るための選考があり、対象職種に「養護教諭」がある

東京都教育委員会「臨時的任用教員 採用候補者選考実施要項」は、都の公立学校で養護教諭などが産休・育休を取る期間や、病気休職・退職などで欠員が出た場合の代替として、臨時的任用教員の採用候補者選考を行うと書いています。対象職種には「養護教諭」が入っていて、応募資格は、応募する職に必要な普通免許状を取得済みか、令和8年度中に取得見込みで、令和8年度中に任用できる人です。

合格すると名簿に載り、名簿登載期間は合格日から令和11年(2029年)3月31日までです。産休・育休(東京都では「育業」と呼びます)に伴う欠員が出ると、学校・地区の教育委員会または公益財団法人東京都教育支援機構(TEPRO)が名簿登載者に連絡し、学校が面談などを行ったうえで、都の教育委員会が任用の可否を決めます。名簿登載者が採用募集の案件を見て応募できる「採用情報マッチング支援システム」もあります。

同じ要項は、養護教諭(職務の級:2級)の給与モデルとして、大学卒の新卒者で約304,100円(小学校・中学校・高等学校、都内〔島しょを除く〕の学校に勤務する場合、令和7年4月1日現在)を示しています。

例2:山形県|職名は「養護助教諭(常勤)」、要件は養護教諭免許状の保有

山形県教育委員会「臨時的任用職員、会計年度任用職員の採用について」は、公立学校の臨時的任用職員・会計年度任用職員を、登録によって随時公募していると書いています。登録は、県の教育人材マッチングシステム「教育やまがた人材バンク」から行い、マッチングが成立したら職ごとの登録票を出す流れです。

このページの勤務条件の一覧では、児童生徒の保健面の管理などを担う常勤の職が「養護助教諭」という名前で載っています。勤務条件(養護助教諭)を見ると、職種は「養護助教諭(常勤)」、任用期間は令和8年4月1日〜令和9年3月31日、勤務時間は週38時間45分、報酬は月額258,900円から(大学4年卒基準。職歴等がある場合は基準により加算)で、要件は「養護教諭免許状保有」です。

同じ資料には、「非常勤講師(養護教諭)」として、新規採用の養護教諭の研修に関わる指導と後補充の募集も載っています。

例3:新潟市|本採用10年以上の経験者向けの「日々代替養護教諭」

新潟市「会計年度任用職員(日々代替養護教諭)の登録者募集」は、市立の幼稚園・学校で働く会計年度任用職員として「日々代替養護教諭」の登録者を募集しています(ページの最終更新日は2024年12月1日)。

仕事は、経験の浅い養護教諭への支援、大規模校に一人で配置されている養護教諭への支援、病休や産育休で代わりの人が決まるまでの保健室対応の支援などです。勤務は1日4時間・週3日までで、時間給です。募集資格は、養護教員の免許状を持っていることと、本採用として10年以上の勤務経験があることです。申し込みは随時で、履歴書を直接か郵送で出したあと、個別に面接があります。

フルタイムに戻るのはまだ不安、でも保健室の仕事から完全に離れたくはない。そんなベテランの方にとって、こうした短時間の働き方も選択肢になりえます。

「養護教諭」だけで検索すると、見落とす求人がある

3つの例を並べると、窓口が県か市か、職名、条件がすべて違うことが分かります。とくに職名は要注意です。山形県では常勤の臨時の職を「養護助教諭」と呼び、要件は養護教諭免許状の保有でした。長野県教育委員会の勤務条件の資料も、臨時的任用職員を「講師、養護助教諭」と並べています。

一方、東京都の要項では「助教諭」は臨時免許状を持つ人の区分で、養護教諭の普通免許状を持つ人は「養護教諭」として応募します。法律上も、臨時免許状は助教諭と養護助教諭の免許状とされています(教育職員免許法第4条第4項)。「助教諭」のつく職名が何を指すかは、自治体によって違うことがあります。

求人を探すときは、「養護教諭」のほかに「養護助教諭」「養護」「保健室」でも検索してみてください。応募できるかどうかは、職名ではなく、その募集の要件の欄で確かめます。

登録しても、すぐに声がかかるとは限らない

東京都の要項には、「欠員が生じる時期・校種・教科等の状況により、名簿登載者であっても必ず採用されるとは限りません」とあります。登録は、仕事が決まる手続きではなく、欠員が出たときに連絡が来る可能性のある名簿に載る手続きです。

東京都の要項は、学校や教育委員会から連絡するときは申込時に登録した電話番号かメールアドレスにかけることが多いので、必ず連絡の取れる連絡先を書くように、とも書いています。ほかの仕事に就いているなどで一定期間勤務できない場合は、システムで「勤務を希望しない期間」を登録すれば、名簿登載の辞退にはならない、という仕組みもあります。

講師の窓口は自治体ごとにばらばらなので、住んでいる地域で「どこに申し込めばいいのか」を調べる段階で時間がかかりがちです。当社(Re-Career株式会社)が運営する学校ではたらく(講師登録・会計年度任用職員の窓口まとめ)では、各自治体の公式ページで確認できた講師登録・会計年度任用職員の窓口を、都道府県ごとにまとめています(例:東京都・山形県・新潟県)。各県のページは一部を登録なしで見られ、残りは無料の登録で見られます。

講師として働きながら正規採用をめざすか、別の道に進むかの考え方は、臨時的任用教員(臨任)のキャリア戦略|正規登用 or 転職?でも書いています。

私立学校・国立附属学校の養護教諭の求人|私学団体の募集情報と学校のサイト

本が並ぶ棚

私立学校の採用は、学校法人ごとに行われます。大阪私立中学校高等学校連合会「募集情報」は、「私立学校の教員採用は、公立と異なりすべて個々の学校が独自に行っています」と案内しています。そのため、私立の養護教諭の求人も、一か所にまとまっていません。主に次の3つの場所を見ます。

① 全国の私学の募集を集めたページ(日本私学教育研究所)

一般財団法人 日本私学教育研究所「教職員募集情報」は、都道府県の私学協会に加盟している私立の中学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校から寄せられた教職員の募集情報を載せています。都道府県と教科で検索でき、教科の選択肢に「養護」があります。

このページは、募集の詳細は各学校のホームページで確認し、内容や採用についての問い合わせは各学校へ直接するよう案内しています。都道府県ごとに、その地域の私学団体が「履歴書預かり等」「採用情報」「適性検査」を行っているかどうかの印もついています。

2026年9月29日に見たときは、締切が10月〜11月の「養護」の募集が複数の学校から載っていました。掲載は日々入れ替わるので、気になる地域があれば、ときどき見に行くのがおすすめです。

② 都道府県の私学団体

都道府県の私学団体が、独自に募集情報を載せていたり、履歴書を預かったりしていることがあります。たとえば大阪私立中学校高等学校連合会「募集情報」のページは、教員募集情報を科目別に検索でき、科目の選択肢に「養護」があります。私立小学校の募集は、大阪府私立小学校連合会のページを見るよう案内しています。

千葉県では、一般社団法人 千葉県私立中学高等学校協会「教員採用について」が「私学教職員エントリーシステム(千葉県私学履歴書委託制度)」を設けています。各学校法人が新たに教員を採用するときの資料として履歴書などを預かる仕組みで、対象には養護教諭が含まれ、受付は随時です。協会は、教員希望者のリストから、各学校の担当者が適任の方に直接連絡すると説明しています。

こうした仕組みがあるかどうか、どんな形かは、都道府県ごとに違います。働きたい地域の私学団体のページを一度見てみてください。

③ 学校の公式サイト

最終的な募集要項は、学校ごとに確かめます。①のページも、詳細は各学校のホームページで確認するよう案内しています。気になる学校があるなら、その学校のサイトの「採用情報」「教職員募集」のページを直接見るのがいちばん確実です。

私立の募集では、雇用の形もいろいろです。たとえば京都府私立中学高等学校連合会「教職員募集情報」には、2026年9月29日に見たとき、「専任教諭」の募集と「常勤講師または非常勤講師」の募集の両方に、養護が載っていました。応募する前に、雇用の形と期間を必ず確かめてください。

国立大学の附属学校は「全附連」のページも見る

国立大学の附属学校の募集は、各大学や附属学校の公募として出ます。全国国立大学附属学校連盟「国立大学附属学校園 教職員募集情報」には、附属学校園の募集が、学校名・教科・職種・応募期間つきで並んでいます(2026年9月29日更新)。問い合わせは直接学校園へ、とされています。載っている職種はその時々で違うので、ときどき見に行く場所のひとつに入れておくとよいと思います。

私自身、教員としての最初の1年は私立高校の非常勤講師で、その後、公立中学校の教諭として11年間英語を教えました。公立と私立では、採用の入口がまったく別です。両方を並べて探すと、選べる学校の数が変わると思います。

学校以外の就職先の求人|免許の組み合わせで探す場所が変わる

ヘルスケアのイメージ

学校の外で探す場合は、どの免許を持っているかで、応募できる求人が大きく変わります。養護教諭の免許状は教育職員免許法の免許で、看護師や保健師の免許とは別の制度の資格だからです。

探したい仕事 必要な免許(例) 求人の出どころ(例)
保健師(自治体の保健師職・企業の産業保健など) 保健師免許 自治体の職員採用ページ、求人サイト
看護師(病院・クリニック・訪問看護・特別支援学校の医療的ケアなど) 看護師免許(准看護師免許で応募できる求人もある) 求人サイト、ハローワーク、教育委員会の会計年度任用職員の募集
免許を問わない仕事(企業の事務・人事、教育関連企業など) 求人ごとに違う 総合型の求人サイト、ハローワーク

保健師助産師看護師法は、保健師でない者が保健師またはこれに類似する名称を用いて保健指導を業とすることを禁じ(第29条)、保健師でない者が保健師またはこれに紛らわしい名称を使うことも禁じています(第42条の3)。看護師の業務(療養上の世話または診療の補助)も、看護師でない者は行えません(第31条。医師法・歯科医師法に基づく場合と、保健師・助産師を除く)。

求人票に「保健師」「看護師」と書かれていれば、その免許が前提です。養護教諭の免許だけでは応募できない求人があるので、求人サイトで探す前に、手元の免許の組み合わせを確かめておくと、遠回りが減ります。

学校の中にも「看護師」の求人がある

看護師免許も持っている方は、学校の中で看護師として働く道もあります。たとえば山形県教育委員会の勤務条件(看護師)は、県立の特別支援学校などで、幼児児童生徒のたん吸引などの医療的ケアを担う看護師を、会計年度任用職員(パート)として募集しています。勤務は週30時間(年間212日上限)、報酬は日額11,490円から上限12,340円(職歴等により加算)、要件は看護師免許(准看護師免許)の保有です。

こうした募集は、先ほどの講師登録と同じ教育委員会のページに並んでいることがあります。講師登録の窓口を調べるときに、看護師などほかの職種の募集もあわせて見ておくと、見落としが減ります。

学校の外の仕事の中身は、別の記事で

どんな仕事があるのか、保健室での経験を企業の言葉にどう言い換えるのか、といった話は、この記事では扱いません。この記事は、あくまで「求人がどこに出てくるか」の地図です。

学校の外の仕事の具体例や、保健室での経験の言い換え方は養護教諭の転職先12選にまとめています。

国のハローワークインターネットサービスでも、全国の求人を検索できます。地元で探したい方は、民間の求人サイトとあわせて見てみてください。

養護教諭の求人は転職サイトに載る?|求人サイトの種類と使い分け

履歴書のクリップボードとノートPC(求人サイトで応募するイメージ)

「養護教諭 転職サイト」で調べる方の多くは、「結局、どこに登録すればいいのか」を知りたいのだと思います。ただ、ここまで見てきたとおり、養護教諭の求人は出どころが分かれています。転職サイトが役に立つ場面と、そうでない場面があります。

探したい仕事 転職サイト・求人サイトとの関係 先に見る場所
公立の正規 採用選考への出願なので、求人サイト経由の応募にはならない 受けたい自治体の採用選考の実施要項
公立の講師・臨時 教育委員会への登録が入口。東京都の「採用情報マッチング支援システム」、山形県の「教育やまがた人材バンク」のように、自治体が独自の仕組みを持っていることもある 教育委員会の講師登録のページ
私立 民間の教員向け求人サイトに載ることもある。千葉県の私学団体のように、民間のサイトと提携している例もある 私学団体の募集情報・学校の公式サイト
学校の外 求人サイトが主な入口になる 持っている免許に合った求人サイト・ハローワーク

求人サイトの種類と、使い分けの考え方

求人サイトには、あらゆる職種を扱う総合型、看護師・保健師など医療職を中心に扱うもの、教育業界の求人を中心に扱うものなどがあります。この記事では特定のサイトをおすすめしませんが、使い分けの考え方は次のとおりです。

手元の免許 学校の外で見るとよい求人
養護教諭の免許のみ 免許を問わない求人が中心。総合型や教育業界の求人を扱うサイト
養護教諭+看護師の免許 上に加えて、看護師免許が要件の求人(医療職を扱うサイト・教育委員会の看護師の募集など)
養護教諭+保健師の免許 上に加えて、保健師免許が要件の求人(自治体の保健師職・企業の産業保健など)

看護師・保健師の求人は、それぞれの免許が応募の前提です。養護教諭の免許だけで医療職の求人ばかりを見ていると、応募できる求人が見つからずに「自分には選択肢がない」と感じてしまうかもしれません。それは経験が足りないからではなく、免許と求人の前提がずれているだけです。

逆に、「学校で養護教諭を続けたい」と決めている段階なら、転職サイトより先に、教育委員会と私学団体のページを見るほうが早いと思います。「学校の外も考える」と決めてから求人サイトを使うと、迷いにくくなります。

教員向けの転職サイト・エージェントの種類や使う順番は、教員・教師の転職サイト&エージェント比較15選で比べています。サービスを選ぶ前に、この記事の表で「自分が探したいのはどの求人か」を先に決めておくと、登録しても使わなかった、ということが減ります。

応募する前に求人票で確かめること|任用の形・期間・免許の要件

履歴書のイメージ

窓口が分かって求人が見つかったら、応募する前に、求人票(募集要項・勤務条件)で次のことを確かめます。同じ「養護教諭の募集」でも、中身は一つひとつ違います。

確かめること 見るところ なぜ大事か
任用・雇用の形 正規/臨時的任用/会計年度任用/私立の専任・常勤講師・非常勤講師など 任期・給与・社会保険・退職手当の扱いが変わる
期間 任用期間の開始日と終了日、更新の有無 公立の臨時的任用は、欠員の補充などなら6か月以内・更新1回まで(地方公務員法)、産休・育休の代わりなら休業の期間を上限に決まり、育休の代わりは1年まで(別の法律)。会計年度任用職員は年度末までの範囲
勤務時間 週38時間45分のような常勤か、1日4時間・週3日のような短時間か 例:山形県の養護助教諭(常勤)と、新潟市の日々代替養護教諭
免許の要件 養護教諭の普通免許状が必要か、取得見込みでもよいか 例:東京都の臨時的任用教員の選考は、令和8年度中の取得見込みでも応募できる(令和8年度中に任用できることも条件)
経験の要件 「本採用として10年以上」のような条件 例:新潟市の日々代替養護教諭
給与・報酬 月額か日額・時給か、基準日、何が含まれるか 自治体ごとに書き方が違うので、額だけを並べて比べない
学校の種類 小学校・中学校・高等学校・特別支援学校など 養護教諭の免許状は学校の種類ごとに分かれていない(下の見出し)

特別支援学校でも、同じ養護教諭の免許状で働ける

教育職員免許法第4条第2項は、普通免許状を「学校(…)の種類ごとの教諭の免許状、養護教諭の免許状及び栄養教諭の免許状」としています。教諭の免許状は小学校・中学校などの学校の種類ごとですが、養護教諭の免許状は学校の種類ごとに分かれていません。

さらに同法第3条第3項は、特別支援学校の教員は原則として特別支援学校の免許状などが必要としたうえで、養護教諭・養護助教諭をその対象から除いています。つまり、特別支援学校の養護教諭の求人にも、養護教諭の免許状で応募できます(義務教育学校・中等教育学校も同じ条文のつくりです。第3条第4項・第5項)。

小学校で働いてきた方が中学校・高校・特別支援学校の求人も見てみる、というふうに、探す範囲を広げることができます。

免許の有効期限が気になる方へ

しばらく学校を離れていた方は、免許が今も使えるかが気になると思います。教員免許更新制は2022年7月1日に廃止(発展的解消)され、その時点で有効だった普通免許状(休眠状態のものを含む)は、有効期限のないものになりました(文部科学省「教員免許更新制」、同「令和4年7月1日以降の教員免許状の扱いについて」)。それより前に期限を迎えた方は、免許状を受けた時期と期限の日の働き方で扱いが分かれ、失効していても都道府県教育委員会に再授与を申請できます(ごく一部の例外を除く)。

くわしい確かめ方は、教員を一度辞めても、もう一度先生に戻れる?免許の確認・講師登録・カムバック採用と私立の道にまとめています。

講師の給料・退職金は、条例と任用の形で変わる

臨時的任用や会計年度任用の給料・ボーナス・退職手当は、自治体の条例や任用の形によって変わります。講師のお金の考え方は、常勤講師の退職金はいくら?非常勤講師のボーナス・時給までで書いています。

状況別|養護教諭の求人を探す順番

計画を立てるイメージ

最後に、今の状況ごとに、どの窓口から見ていくとよいかを整理します。どれか一つに決める必要はありません。たとえば「講師登録をしておきながら、翌年の採用選考も受ける」「公立と私立の両方を見る」という組み合わせもあります。

いまの学校で働きながら、自治体や学校を変えたい

受けたい自治体の採用選考の実施要項と、私学団体の募集情報を並べて見ます。採用選考は年に1回が基本なので、要項が出る時期を逃さないことが大切です。教職経験を考慮する特別選考の区分があるかどうかも、要項で確かめてください。

休職中・ブランクがあり、まずは短い時間から戻りたい

教育委員会の講師登録と、会計年度任用職員の募集から見ます。新潟市の日々代替養護教諭のように、短時間の働き方が用意されている例もあります。登録の前に、免許が今も有効かを確かめておくと安心です。体調が回復しきっていないときは、無理に急がなくて大丈夫です。

私立学校に移りたい

日本私学教育研究所の募集情報と、働きたい地域の私学団体のページ、気になる学校のサイトを見ます。2026年9月末に見たときは、締切が10月〜11月の募集が並んでいました。雇用の形(専任・常勤講師・非常勤講師)は、応募の前に必ず確かめてください。

学校の外も考えたい

まず、手元の免許の組み合わせ(養護教諭のみか、看護師・保健師もあるか)を確かめます。そのうえで、応募できる求人が並ぶ求人サイトやハローワークを使います。学校の中の看護師の募集のように、学校と外の中間にあたる仕事もあります。

これから養護教諭をめざす学生の方へ

探す入口は、ここまでと同じです。公立は採用選考、私立は私学団体の募集情報と学校のサイトです。講師の登録や名簿登載選考の応募資格(免許の取得見込みでよいか、いつから働けることが条件か)も、自治体ごとに違うので、要項で確かめてください。

「次への準備をせずに退職してしまったことが、経済的な不安定さもあり少し心残りです。十分な準備をしてからの退職であれば、安心感が違ったのかとも感じています。」
——50代以上・特別支援学校・教諭で退職(退職後に非常勤講師・臨時的任用を経験)・女性(元教員キャリア実態調査2026)

「自分が大切にしている価値観は何なのか。自分が大切にしていることを言語化しておくと、何かあって悩んだ際にも原点に戻ることができると思います。」
——40代・教諭で退職(現在は市のスクールサポートスタッフ)・女性(元教員キャリア実態調査2026)

「教員を続けるのも、辞めるのも、どちらも間違いではないと思います。大切なのは、「自分で決めること」なのではないかと。」
——30代・中学校・教諭で退職(現在は教育業界の正社員)・男性(元教員キャリア実態調査2026)

「育児休暇、介護休暇、年休等を充分に生かし、充実したライフバランスでお仕事をなさって下さい。」
——50代以上・小学校・非常勤講師で退職(退職後に非常勤講師・臨時的任用を経験)・女性(元教員キャリア実態調査2026)

ここで載せた声は、Re-Careerが2026年2月〜5月に元教員107名に行った「元教員キャリア実態調査2026」の自由記述からの抜粋です。回答の中に養護教諭と分かる方はいませんでしたが、学校で働き続ける道と、外に出る道の両方を経験した方の言葉として載せました。

求人を探すことは、辞めることを決めることではありません。窓口を知っておくだけでも、「ここしかない」という気持ちは少し軽くなると思います。そのうえで、続けるのか、場所を変えるのか、外に出るのかを、自分で選んでいけばいいと思います。

よくある質問

Q. 養護教諭の求人はどこで探せばいいですか?

A. 働きたい場所で窓口が違います。公立の正規は教育委員会の採用選考(採用試験)の実施要項、公立の講師(臨時的任用・会計年度任用)は教育委員会の講師登録、私立は私学団体の募集情報と学校の公式サイト、国立大学の附属学校は各大学の公募と全国国立大学附属学校連盟の募集情報、学校の外は求人サイトやハローワークが主な入口です。

Q. 養護教諭の講師(臨時的任用)はどうやって申し込みますか?

A. 教育委員会の講師登録(名簿への登録)が入口です。都道府県の教育委員会が受け付けるところ、市区町村が受け付けるところ、東京都のように名簿に載るための選考を行うところがあり、自治体ごとに違います。登録しても、欠員の状況によっては必ず任用されるとは限りません。

Q. 「養護助教諭」の求人に、養護教諭の免許で応募できますか?

A. 応募できる例があります。山形県では常勤の臨時の職を「養護助教諭(常勤)」と呼び、要件は養護教諭免許状の保有です。一方、東京都の臨時的任用教員の選考では「助教諭」は臨時免許状を持つ人の区分で、養護教諭の普通免許状を持つ人は「養護教諭」として応募します。職名ではなく、その募集の要件の欄で確かめてください。

Q. 私立学校の養護教諭の求人はどこに出ますか?

A. 私立の採用は学校法人ごとに行われます。全国の私学の募集をまとめた日本私学教育研究所の「教職員募集情報」(教科の選択肢に「養護」があります)、都道府県の私学団体の募集情報や履歴書を預かる仕組み、各学校の公式サイトを見ます。私学団体の仕組みは都道府県ごとに違います。

Q. 養護教諭の求人は転職サイトに載っていますか?

A. 公立の正規は採用選考への出願で、公立の講師は教育委員会への登録が入口なので、転職サイトから応募する形にはなりません。私立の求人は民間の教員向け求人サイトに載ることもあります。学校の外の仕事を探すときは、求人サイトが主な入口になります。

Q. 養護教諭の免許だけで、看護師や保健師の求人に応募できますか?

A. できません。保健師助産師看護師法により、保健師の名称を用いて保健指導を業とするには保健師の免許が、看護師の業務を行うには看護師の免許が必要です(保健師・助産師は看護師の業務を行えます)。求人票に「保健師」「看護師」とあれば、その免許が前提です。

Q. 特別支援学校の養護教諭になるには、特別支援学校の免許も必要ですか?

A. 必要ありません。教育職員免許法第3条第3項は、特別支援学校の教員に特別支援学校の免許状などを求める規定から、養護教諭と養護助教諭を除いています。養護教諭の免許状は学校の種類ごとに分かれていないので、小学校・中学校・高等学校・特別支援学校の求人に同じ免許状で応募できます。

まとめ

・養護教諭の求人は一つのサイトにまとまっていない。働きたい場所によって、求人の出どころが違う
・公立の正規は、教育委員会の採用選考(採用試験)の実施要項から出願する。令和7年度採用の養護教諭の競争率は8.2倍。地域枠や、教職経験を考慮する特別選考を設けている自治体もある
・公立の講師は、教育委員会の講師登録が入口。窓口・職名(「養護助教諭」と呼ぶ自治体もある)・条件は自治体ごとに違い、登録しても必ず任用されるとは限らない
・私立は学校法人ごとの採用。日本私学教育研究所の募集情報、都道府県の私学団体、学校の公式サイトを見る。国立の附属学校は全附連のページも
・学校の外は、持っている免許で応募できる求人が変わる。看護師・保健師の求人は、それぞれの免許が前提
・転職サイトは、主に学校の外の求人と一部の私立の求人の入口。先に「どの求人を探すか」を決めてから使う
・続けるのも、場所を変えるのも、外に出るのも、どれも選べる。窓口を知ってから選べばいい




Re-Career代表 新川紗世
元教員が運営するキャリア支援

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