教員・教師の転職サイト&エージェント比較15選|年度末退職に間に合う選び方【元教員監修】
「教員 転職サイト」で検索して、比較記事を3本くらい読んで、結局どこにも登録しないまま閉じた。——そういう経験がある方は、たぶん少なくないと思います。
理由ははっきりしています。世の中にある比較記事のほとんどが、民間企業から民間企業へ移る人を想定して書かれているからです。
この記事の著者
新川紗世(あらかわ・さよ)|Re-Career株式会社 代表取締役
公立中学校で11年、私立高校で1年、あわせて12年、英語教員として勤務。教員時代に病休を経験し退職。その後、教員専門のキャリア支援会社を設立。著書『「やめたいかも」と一度でも思ったら読む 教員の転職思考法』。スタッフ全員が元教員のキャリア支援会社を率い、自身も延べ1,000名以上のキャリア支援に携わる。
私たち教員には、民間の方にはない制約が4つあります。年度の途中では実質的に辞めにくいこと。職務経歴書を書こうとしても職歴欄が「教諭」の1行で終わってしまうこと。民間の選考スケジュールと学校暦が噛み合わないこと。そして在職中は、平日の日中に面接へ行けないこと。
さらにもう1つ、意外と知られていない前提があります。公立学校の教員は雇用保険に入っていないので、辞めても失業保険は出ません。この一点だけで、選ぶべきサービスの形はかなり変わります。
この記事では、その4つの制約と1つの前提から逆算して、教員の転職サイト・転職エージェントを15サービス、タイプ別に整理しました。「どれが一番いいか」ではなく「あなたのいまの状況では、どの形のサービスが機能するか」から選べるように書いています。
なお、辞めることを勧める記事ではありません。外の求人を見た結果、続けると決める方もたくさんいます。それも立派な結論だと思っています。
⏱️ 30秒でわかる結論
教員のサービス選びは「知名度」ではなく「4つの制約のどれを外したいか」で決まります。
大前提公立教員は雇用保険の適用除外。辞めても失業手当は出ません(代わりに「失業者の退職手当」)。無職期間を作れない前提で選びます。
書類が書けない職歴が「教諭」1行になる問題は、書類添削のある総合型エージェントか教育業界特化エージェントに解かせます。
時間が取れない平日日中に動けないならスカウト型を併用。年休は届出で成立し、1時間単位でも取得できます。
辞めたくはない学校は変えたいが教員は続けたい場合は、私学教員特化サイトという選択肢があります。
お金の話求職者側の利用料はどれも無料。有料なのはビズリーチの上位プランなど一部だけです。
目次
教員の転職サイト選びが難しいのは、あなたのせいではない

まず、うまく選べないのはあなたの情報収集が足りないからではありません。教員という働き方の側に、民間の転職モデルと噛み合わない構造があります。私が相談を受けていて、繰り返し出てくる制約は次の4つです。
制約1:実質的に「年度末退職」しか選べない
公立学校の教員は地方公務員なので、辞職には任命権者(多くは都道府県・政令市の教育委員会)の承認という手続きが必要です。法律上は年度途中の退職ができないわけではありませんが、担任・分掌・部活動主顧問を抱えた状態で年度途中に抜けることの重さを、現場の先生ならご存じだと思います。
結果として、多くの方が「3月31日で辞めて4月1日から次へ」という一本道を前提に動くことになります。この一本道は、民間の「内定が出たら1〜2か月後に入社」というスピード感とまったく合いません。
制約2:職務経歴書の職歴欄が「教諭」の1行で終わる
10年勤めても、書けるのは「○○県公立中学校 教諭」。部署異動もなければ、役職名も変わらない。売上も契約件数もありません。
民間の職務経歴書は「どの組織で・何を担当し・どんな成果を出したか」を積み上げる書式なので、この書式にそのまま教員のキャリアを流し込むと、10年分がA4半ページで終わってしまうということが本当に起きます。
制約3:民間の選考スケジュールと学校暦がずれている
民間の中途採用は通年で動きますが、山があるのは4〜6月と9〜11月です。一方、教員にとってまとまって動けるのは夏季休業中と、年度末に近い1〜3月。つまり企業が一番採りたい時期に、教員が一番動けないという逆転が起きています。
制約4:在職中は平日の日中に面接へ行けない
授業は代われません。空きコマがあっても学校を離れにくい。「午後半休を取って15時から面接」が、民間の方ほど気軽にはできない職場です。
「登録だけはしてみたんです。でも担当の方から来た日程候補が全部「平日13時〜17時」で、そこで返信が止まってしまいました。自分が悪いのか、サービスが合わないのかも分からなくて」
——29歳・公立中学校教諭・女性
私自身も教員時代、外の情報を見たいと思ってサイトを開いては、「これは自分向けじゃないな」と閉じるのを何度も繰り返しました。当時は自分の準備不足だと思っていましたが、いま支援する側になって分かったのは、制約に合う形のサービスを選べていなかっただけだったということです。
だからこの記事は、サービスを人気順には並べません。上の4つの制約のうち、あなたがいま一番外したいものはどれか。そこから入っていきます。
最初に押さえる前提|教員には「失業保険」がない

サービスの話に入る前に、どうしても先に共有しておきたい前提があります。ここを知らずに「とりあえず辞めてから探そう」と決めてしまうと、後から効いてきます。
公務員は雇用保険の適用除外です
国家公務員・地方公務員は、法律で身分が保障されており民間の労働者のような景気変動による失業が想定しにくいという理由から、雇用保険法の適用が原則として除外されています。給与明細に雇用保険料の欄がないのは、そのためです。
つまり、公立学校の教員が辞めても、いわゆる失業手当(基本手当)は出ません。ここを民間の転職記事と同じ感覚で読んでしまうと、退職後の資金計画が丸ごと狂います。
代わりにあるのが「失業者の退職手当」
まったく無防備というわけではなく、国家公務員退職手当法および各自治体の退職手当条例に「失業者の退職手当」という制度があります。受け取った退職手当の額が、雇用保険に入っていたら受け取れたはずの失業等給付相当額に満たない場合に、その差額が支給される、という考え方の制度です。
「失業者の退職手当」のおおまかな要件(内閣人事局および各都道府県教育委員会の案内より)
- 原則として勤続期間が12か月以上で退職した職員であること
- 受け取った退職手当の額が、雇用保険法の失業等給付相当額に満たないこと
- 原則として退職の日の翌日から起算して1年の期間内に失業していること
- ここでいう「失業」とは、就職の意思と能力があり求職活動をしているが就職できていない状態を指す
- 手続きは、退職票の交付を受けたうえで住所地を管轄するハローワークで求職の申込みを行う
※ 支給要件・金額の算定は自治体の条例によって細部が異なります。必ずご自身の都道府県・市の教育委員会または人事担当課の案内で確認してください。多くの教委が「失業者の退職手当」という名称でページを公開しています。
2025年4月の「給付制限1か月」は、教員の話ではありません
2025年4月から、自己都合退職の場合の給付制限期間が2か月から1か月へ短縮されました。これは雇用保険の話なので、雇用保険に入っていない公立学校の教員には直接は関係しません。
ところが「教員 退職 失業保険」で調べると、この改正をそのまま教員向けとして書いている記事が少なくありません。ここは混同しやすいところなので、あえて書いておきます。
「退職金があるから半年くらいは大丈夫だと思っていて、失業手当も出ると思い込んでいました。出ないと分かったのは辞めた後です。あと3か月早く知りたかった」
——41歳・元公立小学校教諭・男性
この前提が、サービス選びをどう変えるか
失業手当という「探している間の収入」が前提にできないということは、無職期間をできるだけ短く、できれば作らずに移る設計が合理的になる、ということです。
そうすると、選ぶべきサービスの形が決まってきます。
- 在職中のまま動けること(=自分のペースで検索できる転職サイト、待てるスカウト型)
- 入職時期を「4月1日」で交渉してくれること(=担当者が付くエージェント)
- 選考を短期間に圧縮できること(=求人数が多く、同時並行しやすいところ)
知名度ランキングではなく、ここから逆算します。なお、退職金そのものの考え方や辞めどきの判断については「教員を辞めたい」と思ったときに読む完全ガイドで別途整理しています。
教員の転職サイト・転職エージェントは6タイプ|制約別の早見表

教員が使えるサービスは、大きく6タイプに分かれます。重要なのは「どれが優れているか」ではなく「どの制約に効くか」です。
| タイプ | 何をしてくれるか | 効く制約 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| ①総合型エージェント | 担当者が付き、非公開求人の紹介・書類添削・面接対策・入職日の交渉まで代行 | 職歴「教諭」1行/年度末退職の時期交渉 | 民間へ本気で移る前提で、書類を一緒に作ってほしい人 |
| ②転職サイト(求人検索型) | 自分で検索して自分で応募。誰とも話さずに市場を眺められる | 平日日中に動けない/まだ人に言えない | まず相場と求人の実在を確認したい段階の人 |
| ③スカウト型 | 経歴を登録して置いておくと、企業やヘッドハンターから声がかかる | 平日日中に動けない/自分の市場価値が分からない | 動く時間が本当に取れない人、40代以降で自分の値段を知りたい人 |
| ④教育業界特化エージェント | 教育業界の求人に絞って紹介。教員経験の説明コストがほぼゼロ | 職歴「教諭」1行/業界理解のずれ | 教育から完全には離れたくない人 |
| ⑤私学教員特化サイト | 私立中高・学習塾・予備校の専任教諭/常勤・非常勤の求人 | 年度末退職(学校暦が同じなので前提が揃う) | 教員は続けたいが、いまの学校を出たい人 |
| ⑥ハローワーク | 全国の求人紹介。「失業者の退職手当」の求職申込先を兼ねる | お金の制約/地方在住で民間サービスの求人が薄い | 退職後に手当の手続きが必要な人、地元で探す人 |
組み合わせの基本形は「②か③」+「①か④」
1つに絞る必要はありませんし、絞らないほうが現実的です。よく機能するのは、在職中でも黙って眺められるもの(②③)を常時1〜2本置いておき、本格的に動くと決めた段階で担当者が付くもの(①④)を1〜2本足す形です。
逆に、最初から5社も6社も同時に登録すると、日程調整と連絡だけで消耗します。学期中の先生がそれを回すのは、正直かなり厳しいです。
「4社まとめて登録したら、初回面談の日程調整メールが毎日来るようになって、結局そっちに疲れて全部止めました。2社にしておけばよかったです」
——34歳・公立高校教諭・男性
また、⑤の私学特化を「教員を辞められない人の妥協案」のように扱う記事がありますが、私はそうは思っていません。学校を変えるだけで働き方が変わった方を何人も見ています。選択肢の幅の話であって、優劣の話ではありません。進路の全体像は教員のキャリアプラン完全ガイドも合わせて見てみてください。
【比較15選】教員におすすめの転職サイト・転職エージェント一覧

ここからは具体名です。求職者側の利用料金は、原則としてすべて無料です(例外はビズリーチの上位プランなど一部のみ)。エージェントは採用が決まった企業側から紹介手数料を受け取る仕組みなので、「相談料を取られるのでは」という心配は基本的に不要です。
①総合型エージェント(3サービス)
| サービス | 運営 | 特徴 | 教員にとっての使いどころ |
|---|---|---|---|
| リクルートエージェント | リクルート | 公開求人約78万件・非公開求人約28万件(2026年7月31日時点/公式サイト表記)。求職者は完全無料 | 母数が圧倒的なので「教員から行ける先が本当にあるのか」を最短で確認できる。まず市場の実在を確かめる用途 |
| マイナビ転職AGENT | マイナビ | 2025年12月17日に「マイナビAGENT」から名称変更。20代〜30代半ばの支援実績が厚い | 初めての転職・第二新卒層に強い。若手教員で「民間の常識がまるで分からない」段階の人と相性がよい |
| doda(エージェントサービス) | パーソルキャリア | 転職サイトとエージェントが1つのIDで同居している。求人検索と担当者相談を行き来できる | 「まだ相談はしたくない、でも後で相談したくなるかも」という教員の揺れに、登録し直さず対応できる |
この3つは扱う求人が広い分、担当者が教育業界に詳しいとは限りません。当たり外れは正直あります。だからこそ、後述する「見極めポイント」が効いてきます。
②転職サイト/求人検索型(3サービス)
| サービス | 運営 | 特徴 | 教員にとっての使いどころ |
|---|---|---|---|
| リクナビNEXT | リクルート | 国内最大級の転職サイト。求人検索に加えてスカウト機能を持つ | 誰とも話さずに求人を眺められる。「辞めたいと口に出す前」の段階でいちばん心理的コストが低い |
| エン転職 | エン・ジャパン | 取材にもとづく詳細な求人情報と、社員クチコミの掲載に特色。地方・中小企業の求人も比較的多い | 「入ってみたら想像と違った」を避けたい人向け。地方在住で県外に出たくない教員にも使いやすい |
| マイナビ転職 | マイナビ | 若手向け求人と転職イベント(フェア)が多い | 土日開催の転職フェアは、平日に動けない教員にとって数少ない「まとめて話が聞ける場」 |
③スカウト型(3サービス)
| サービス | 運営 | 料金 | 教員にとっての使いどころ |
|---|---|---|---|
| ビズリーチ | ビジョナル | 無料プランあり。上位のプレミアムステージは月5,000円台の有料(2026年6月時点の公表額) | 無料のままでもプラチナスカウトは閲覧・返信できる。まず無料で登録し、来るスカウトの質を見てから課金を判断する |
| doda X | パーソルキャリア | 無料(旧「iX転職」。2022年10月に改称) | ヘッドハンター経由のハイクラス求人が中心で年収600万円以上が主戦場。40代以降・管理職経験のある教員向け。若手には過剰 |
| ミイダス | ミイダス(パーソルグループ) | 無料 | 市場価値診断とコンピテンシー診断が無料。転職せずに「自分の値段と特性だけ知る」使い方ができる |
スカウト型の本当の価値は、求人が来ることそのものより「教員でも声はかかる」と体感できることだと思っています。潰しが効かないと思い込んだまま何年も過ごす先生が、本当に多いので。
「ミイダスの診断結果を見て、初めて「自分は市場から0円ではないんだ」と思えました。結局その年は転職しなかったんですが、あの数字を見てから学校での気持ちが少し楽になりました」
——45歳・公立中学校教諭・女性
④教育業界特化エージェント(2サービス)
| サービス | 運営 | 特徴 | 教員にとっての使いどころ |
|---|---|---|---|
| Education Career | 株式会社ファンオブライフ(アガルートグループ) | 2015年10月開始の教育業界専門エージェント。学校・塾・出版・EdTech・研修会社などの求人を扱う。求職者は無料 | 教育業界の企業側が「教員のスキル」を最初から理解しているので、翻訳の手間が最も少ない。EdTechや教材制作へ移りたい人に |
| 教えるシゴト | 株式会社サクシード | 教育業界に特化した求人サービス。塾・予備校・学校・日本語教師・部活動指導員など「教える仕事」を幅広く扱う | 「教えることは続けたいが、学校という組織からは離れたい」という中間解を探せる |
⑤私学教員特化(3サービス)
| サービス | 運営 | 特徴 | 教員にとっての使いどころ |
|---|---|---|---|
| EMPS(エンプス) | 株式会社イスト(SAAFホールディングス子会社) | 教育機関専門の就職・転職サービス。全国2,500社以上の私立学校・学習塾・予備校を扱い、専任教諭/常勤講師/非常勤講師/事務職まで対応。求職者は無料 | 雇用形態を選べるのが利点。フルタイムに戻る自信がない時期に、常勤講師・非常勤講師から入り直せる |
| 教員人材センター | 私立中高教員専門の就職支援エージェント | 私立中学・高校の教員採用に特化。非公開求人の案内、学校ごとの選考対策、個別キャリア相談まで無料 | 私学は学校ごとに選考の癖が大きい。そこを個別に対策してもらえる価値が高い |
| 教職員募集情報(日本私学教育研究所) | 一般財団法人 日本私学教育研究所 | 都道府県私学協会に加盟する私立中学・高校・中等教育学校・特別支援学校から寄せられた募集情報を掲載 | エージェントを介さず学校の一次情報を直接見られる。各都道府県の私学協会サイトも同様に確認したい |
私学を検討する場合、公立と同じ4月始まりで動くので、年度末退職という制約がそのまま前提として通用します。ここは民間転職にはない大きな利点です。
私立学校の教員として働くこと・辞めることについては、私立学校の教員を辞めたいときに知っておくべきことで解説しています。
⑥ハローワーク(1サービス)
民間サービスに押されて軽く扱われがちですが、教員には固有の意味があります。前章で触れた「失業者の退職手当」を受け取るには、住所地を管轄するハローワークで求職の申込みをすることが手続き上必要になるためです。
つまり退職後に手当を受け取る予定がある方にとって、ハローワークは「求人を探す場所」である以前に「行かないと手続きが進まない場所」です。地方在住で民間サービスの求人が薄い地域では、求人源としても現実的な選択肢になります。
養護教諭・特別支援・専科の先生へ
- 職種が特殊だから潰しが効かない、ということはありません。保健室での対応記録や、個別の支援計画の作成経験は、そのまま評価される先があります
- 具体的な転職先の実名と年代別の戦略は養護教諭の転職先12選|保健室経験が活きる仕事と辞めどきの見極め方にまとめています
「そもそもどんな転職先があるのか」から知りたい方は、教員・教師からの転職先おすすめ15選を先に読んでいただくと、この記事のサービス選びが具体的になると思います。
教員が転職エージェントを選ぶときの5つの見極めポイント

総合型の転職エージェントは、担当者によって体験がまったく変わります。教員の場合、見るべきポイントは民間の方とは少し違います。この5つで判断してみてください。
①「4月1日入職」で逆算してくれるか
最初の面談で入職可能日を聞かれたら、「年度末までは学校の都合で動けない」とはっきり伝えてください。そこで「では逆算しましょう」と言う担当者は当たり、「もっと早く動ける求人にしましょう」と言う担当者は、教員の事情を理解していません。
企業側も、4月入社は新卒と同時期なので受け入れ体制が整っている場合が多いです。交渉が不可能な条件ではありません。伝え方の問題です。
②「教諭」を職務経歴に翻訳した実績があるか
遠慮なく「教員の方の支援実績はありますか」と聞いてください。答えが曖昧なら、教育業界特化エージェント(④)を併用したほうが早いです。翻訳を自分でやることになるか、やってもらえるかで、準備にかかる時間が数十時間単位で変わります。
③平日夜・土日・オンラインで面談できるか
初回面談の候補日を「平日13時〜17時」しか出せないサービスとは、続きません。平日19時以降か土日、かつオンライン可が最低条件だと考えてよいと思います。ここは登録前の問い合わせ段階でも確認できます。
④退職の手続きに口を出しすぎないか
公立学校の辞職には、任命権者の承認という民間にはない手続きがあります。そこを知らないまま「2週間で辞められますよ」と言う担当者は、民法のルールを公務員にそのまま当てはめています。事実として正確ではありません。
退職の進め方そのものに不安がある場合は、教員の退職代行サービスは使える?|公立・私立別の注意点と費用で公立と私立の違いを整理しています。
⑤「今すぐ辞めましょう」と言わないか
これが一番大事かもしれません。エージェントは採用が決まって初めて報酬が発生する仕組みなので、構造上、あなたが転職したほうが得という立場にいます。
それ自体は悪いことではありません。ただ、「続ける」「異動で解決する」「休職して立て直す」といった選択肢を最初から外してくる担当者は、あなたの人生ではなく自分の成約を見ています。一度距離を置いて、別の担当者に代えてもらってかまいません。担当者変更は普通にできます。
「担当の方に「一年待ってから動きます」と言ったら、それきり連絡が来なくなりました。悪い人ではなかったと思うんですが、こちらのペースは関係ないんだなと分かって、別のところに登録し直しました」
——38歳・公立小学校教諭・女性
なお、「そもそも自分は何がしたいのか」から整理したい段階であれば、求人紹介を仕事とするエージェントよりも、転職コーチングのような有料で自己理解に伴走するサービスのほうが噛み合います。無料で求人を紹介してもらうのと、お金を払って自分軸を作るのは、別の買い物です。人に相談する窓口そのものを比較したい場合は教員の転職相談はどこにすべき?もどうぞ。
在職中の教員が平日日中に面接へ行く方法|年休は「届出」で成立する

「面接に行けないから転職できない」と諦めている先生が、本当に多いです。ここは制度を正確に知っておくと、動ける幅がだいぶ変わります。
年次有給休暇は「承認」ではなく「届出」で成立します
公立学校の教職員の年次有給休暇は、多くの自治体で一会計年度あたり20日。請求(届出)によって成立するもので、法的には管理職の「承認」を要件としていません。ただし、請求された時季に休暇を与えることが職務に支障がある場合、任命権者には時季変更権があります。
「校長先生に許可をもらわないと取れない」と思い込んでいる方が多いのですが、本来の制度の建て付けは逆向きです。もちろん現場の人間関係は別問題ですし、波風を立てろという話でもありません。ただ、自分に何が保障されているかを知ったうえで交渉するのと、知らずに諦めるのは違います。
1時間単位で取れます
年休は1日単位だけでなく1時間単位でも取得できます。例えば群馬県教育委員会の資料では、7時間45分をもって1日とし、時間単位取得の上限を120時間としたうえで、育児・介護・通院についてはその制限を設けない旨が示されています。東京都をはじめ多くの教育委員会も同様の制度案内を公開しています。
細部(上限時間数、繰越の扱い、申請様式)は自治体の条例・規則で異なります。ご自身の勤務先の「勤務時間、休日、休暇等に関する条例」または教育委員会が出している勤務時間・休暇制度の手引きで、必ず確認してください。
在職中の教員が現実的に面接を入れられる枠
- オンライン面接:勤務終了後の17時以降。いま最も現実的で、企業側も慣れています
- 1時間単位の年休:5・6時間目に空きがある日に2時間だけ取る。丸1日休むより通しやすい
- 長期休業中の平日:夏季休業・冬季休業。企業側の選考が動く8月と12月に重なります
- 土曜日:エージェント面談や転職フェアはここに集約できます
- 年度末の年休消化:3月に残った年休をまとめて使い、最終面接や引継ぎ訪問に充てる方もいます
※ 部活動の週末指導がある場合は土曜が潰れます。その場合はオンライン面接を軸に組み立ててください。
「面接に行けない」を先に言ってしまう
隠すより先に伝えたほうが早いです。「現職が学校のため、平日日中の面接が難しいです。オンラインか18時以降でしたら調整できます」。この一文を応募時の備考欄か初回連絡に入れておくだけで、日程調整の往復が半分くらいに減ります。
不誠実だと思われないかと心配される方がいますが、逆です。在職中の候補者に配慮するのは採用側にとって当たり前のことですし、現職に真面目に向き合っている人という印象のほうが強く残ります。
職歴が「教諭」1行になる問題を、サービス側にどう解かせるか

教員のキャリアで一番もったいないのは、10年分の仕事が「教諭」の3文字に圧縮されてしまうことです。ここは自力で唸っていても進みません。サービス側に解かせるのが正解です。
まず、翻訳の型を知る
民間の職務経歴書が見たいのは、肩書きではなく「どんな規模の・どんな相手に・何を・どう回したか」です。教員の日常業務は、その形に置き換えられます。
| 学校での呼び方 | 民間の書式での置き換え方 | 書くときに埋める数字 |
|---|---|---|
| 学級経営 | 複数名で構成されるチームの年間運営・目標設定・個別対応 | 担任した学級数、1学級あたりの人数、担任年数 |
| 教科指導 | 年間カリキュラムの設計と、対象者に応じた教材開発・実施 | 担当学年数、年間授業時数、作成した教材の種類 |
| 進路指導 | 個別面談にもとづく意思決定支援と、保護者を含む合意形成 | 年間の面談実施件数、対応した生徒・保護者の人数 |
| 校務分掌 | 全校規模の業務における企画・進行管理・関係者調整 | 分掌名、関わった教職員数、担当した行事の規模 |
| 部活動主顧問 | 通年のチーム運営、対外折衝、安全管理、予算管理 | 部員数、活動日数、大会・遠征の引率件数 |
| 初任者・実習生の指導 | 新人育成、OJT設計、フィードバック面談の実施 | 指導した人数、指導期間 |
| 保護者対応 | ステークホルダー対応、クレーム対応、継続的な関係構築 | 対応した世帯数、面談・電話連絡の頻度 |
数字は正確でなくても、桁が合っていれば十分です。「約30名」「年間およそ40件」で構いません。ここを空欄のまま出すか、桁だけでも埋めて出すかで、書類の通過率は明確に変わります。
どのサービスが翻訳を担ってくれるか
- 総合型エージェント:書類添削が標準サービス。ただし担当者が教員に慣れていないと、一般的な言い回しに整えるだけで終わることがあります
- 教育業界特化エージェント:翻訳の必要がほぼありません。受け手が学級経営も分掌も知っているので、そのまま伝わります
- スカウト型:登録時のプロフィール入力欄が、そのまま棚卸しのフォーマットになります。応募しなくても、書くだけで整理が進みます
「エージェントの方に「その学年集会、何人の前で話したんですか」と聞かれて、「350人です」と答えたら、それを書いてくださいと言われました。自分では当たり前すぎて、実績だと思っていなかったんです」
——33歳・公立中学校教諭・男性
実際に相談に来られたAさん(30代・元小学校教員)も、最初に持ってきた職務経歴書はA4で半ページでした。一緒に分掌と行事を洗い出して、担当した人数と件数を入れていったら、2ページを超えました。仕事が増えたのではなく、もともとやっていたことに、初めて名前が付いただけです。
この作業を1人でやろうとすると、たいてい途中で止まります。「これは実績と言えるのだろうか」と自分で判断できないからです。だからこそ、外から質問してくれる相手を確保することに意味があります。
使う順番と時期|学校暦から逆算する12か月スケジュール

教員の転職は、3月31日という締切が先に決まっているという点で、民間の転職とまったく性質が違います。逆に言えば、逆算しやすいということでもあります。
翌年度末での退職を視野に入れる場合の、標準的な組み立てです。「これより遅いと厳しい」ではなく「このくらいだと無理がない」という目安として見てください。
| 時期 | やること | 使うサービス |
|---|---|---|
| 4〜6月 (新年度が動き出す頃) |
情報収集だけ。求人を眺めて相場を知る。誰にも言わなくてよい段階 | ②転職サイト/③スカウト型に登録し、経歴を入れておく |
| 7〜8月 (夏季休業) |
ここが最大の山場。エージェント面談、書類の作成、可能なら面接まで | ①総合型/④教育業界特化に登録。平日日中に動ける唯一の期間 |
| 9〜11月 | 選考を進める。民間の中途採用が動く時期と重なる。オンライン面接を軸に | ①④で選考、②で並行応募 |
| 12〜1月 (冬季休業を挟む) |
内定・条件交渉。入職日を4月1日で確定させる | ①エージェント経由の交渉が効く |
| 1〜2月 | 退職の意思を管理職に伝える。人事異動の内示前に伝えるのが通例 | —— |
| 2〜3月 | 退職願の提出、引継ぎ、年休消化。退職手当・共済の手続き | ⑥ハローワーク(失業者の退職手当の求職申込が必要な場合) |
| 4月1日 | 入職 | —— |
「1〜2月に伝える」の理由
年度末の人事異動の内示は、多くの自治体で3月中旬〜下旬です。内示が出てから退職を申し出ると、すでに来年度の校内人事が組まれた後になり、学校側の負担が大きくなります。
気まずさを避けたいなら、内示の前。具体的には1月〜2月上旬に管理職へ相談の形で伝えておくのが、最も揉めにくいタイミングだと思います。ここは制度というより慣行の話なので、勤務校の空気に合わせて調整してください。
このスケジュールに乗れなかったとき
夏を逃した、秋から動き始めた、という方も当然います。その場合の選択肢は3つです。
- 1年見送る:翌年の4〜6月から仕切り直す。焦って決めるより結果が良いことが多いです
- 私学に絞る:⑤私学教員特化サイトは学校暦が同じなので、1〜3月でも間に合う募集があります
- 常勤講師・非常勤講師を挟む:一度フルタイムの担任職から降りて、次の年に本命へ動く
「今年中に決めなければ」と自分を追い込む必要はありません。教員の転職は締切が固定されている分、1年待つことのコストが民間より小さいとも言えます。
登録前の注意点|こういう使い方・こういう担当者とは距離を置く

最後に、登録する前に知っておくと損をしにくいことを並べます。どれも実際に相談で聞いた話がもとになっています。
一括登録サービスは使わない
「1回の入力で10社にまとめて登録」という仕組みがありますが、その後に来る連絡量を、学期中の教員が捌くのはまず無理です。2社までから始めて、足りなければ足す。この順番のほうが結果的に早く進みます。
同じ求人に複数のエージェントから応募しない
企業側から見ると同一人物の重複応募になり、エージェント間で「どちらの紹介か」という調整が発生して、選考が止まります。最悪、両方から辞退扱いになることもあります。どの求人をどこ経由で出したかは、必ず自分でメモしておいてください。
学校の端末・学校のメールアドレスを使わない
当たり前のようでいて、意外と起きます。校務用端末で転職サイトを開いていた、共有のプリンタに職務経歴書を出してしまった、という話は珍しくありません。個人の端末と個人のメールアドレスで完結させてください。
退職代行と転職サービスを混同しない
退職代行は「辞める手続きを代行する」サービスで、次の仕事は探してくれません。また公立学校の教員は辞職に任命権者の承認が要るため、民間企業と同じようには進まない部分があります。詳しくは教員の退職代行サービスは使える?を確認してからにしてください。
「登録した=辞める」ではありません
これが一番お伝えしたいことです。登録も、面談も、書類の作成も、すべて情報を得るための行為であって、意思決定ではありません。
外の求人を見た結果、「思ったより給料は下がるな」「やっぱり子どもと関わる仕事がいいな」と気づいて、教員を続けることにした方を、私は何人も見ています。それは失敗でも遠回りでもありません。選択肢を見たうえで選び直したという、まったく別の状態です。
「転職エージェントに登録して、面談まで受けて、結局残りました。でも「いつでも出られる」と分かってからのほうが、職員室で言いたいことが言えるようになりました」
——36歳・公立小学校教諭・女性
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よくある質問
Q. 教員が転職サイトに登録すると、学校にばれますか?
A. サイト側が勤務先へ通知することはありません。ただしスカウト型のサービスでは、経歴を公開範囲によっては採用側から閲覧できるため、多くのサービスに「特定の企業には自分の情報を見せない」というブロック機能があります。私立学校や、勤務先と取引のある教材会社などを個別にブロックしておくと安心です。また、校務用端末やスクールメールは使わず、個人の端末とメールアドレスで完結させてください。
Q. 教員は退職しても失業保険がもらえないというのは本当ですか?
A. 公立学校の教員は地方公務員であり、雇用保険法の適用が原則として除外されているため、いわゆる失業手当(基本手当)は支給されません。代わりに、国家公務員退職手当法や各自治体の退職手当条例にもとづく「失業者の退職手当」という制度があります。原則として勤続12か月以上で退職したこと、受け取った退職手当が雇用保険の失業等給付相当額に満たないこと、退職日の翌日から1年以内に失業していることなどが要件で、住所地を管轄するハローワークでの求職の申込みが必要です。要件や金額の細部は自治体によって異なるので、必ず勤務先の教育委員会の案内で確認してください。
Q. 転職サイトとエージェントは、どちらから始めるべきですか?
A. 在職中で、まだ誰にも言っていない段階なら転職サイトかスカウト型からで十分です。誰とも話さずに求人を眺められるので、心理的なコストが最も低いところから始められます。「本気で動く」と決めた段階で、書類添削と日程交渉をしてもらえるエージェントを足すのが自然な順番です。最初から5社も登録すると連絡対応だけで消耗するので、2社程度から始めてください。
Q. 平日の日中に面接へ行けません。それでも転職できますか?
A. できます。実際にはオンライン面接が主軸になります。また年次有給休暇は多くの自治体で年20日あり、1日単位だけでなく1時間単位でも取得できます。年休は請求(届出)によって成立するもので、管理職の承認を要件とはしていません(ただし任命権者には時季変更権があります)。空きコマのある日に2時間だけ取る、長期休業中に集中して面接を入れる、土曜にエージェント面談を寄せる、といった組み立てが現実的です。応募時に「現職が学校のため平日日中の面接が難しい」と先に伝えておくと、日程調整が大幅に楽になります。
Q. 転職サイトやエージェントの利用にお金はかかりますか?
A. 求職者側は原則として無料です。エージェントは採用が決まった企業から紹介手数料を受け取る仕組みで、リクルートエージェントも公式に「相談料やサービス料を頂戴することは一切ない」と明記しています。例外はビズリーチのように上位プランが有料のサービスで、ビズリーチのプレミアムステージは月5,000円台(2026年6月時点の公表額)です。ただしビズリーチも無料プランのままプラチナスカウトの閲覧・返信はできるため、まず無料で登録して届くスカウトの質を見てから判断すれば十分です。
Q. 教員を辞めたくはないのですが、いまの学校からは出たいです。
A. 私立学校の教員という選択肢があります。EMPSや教員人材センター、一般財団法人日本私学教育研究所の「教職員募集情報」、各都道府県の私学協会の採用サイトなどで私立中学・高校の専任教諭や常勤講師・非常勤講師の募集を探せます。私学も公立と同じ4月始まりで動くため、年度末退職という前提がそのまま通用するのが利点です。雇用形態を選べるので、フルタイムの担任職に戻る自信がない時期に常勤講師や非常勤講師から入り直すという道もあります。
Q. 40代・50代でも転職サイトを使う意味はありますか?
A. あります。ただし使うサービスの重心が変わります。20代・30代は求人数の多い総合型エージェントや転職サイトが中心になりますが、40代以降は管理職経験やマネジメント経験が評価対象になるため、doda Xのようなヘッドハンター経由のスカウト型のほうが噛み合うことがあります。また、ミイダスの市場価値診断のように「転職せずに自分の値段だけ知る」使い方も、この年代ほど意味があります。退職金と年金の見通しを踏まえて判断したい場合は、サービス登録の前にその試算を先に済ませておくことをおすすめします。
Q. 教員経験しかないと、書類選考で落ちてしまうのでは?
A. 職歴欄が「教諭」1行で終わってしまうこと自体が原因になっている場合が多いです。学級経営を「複数名で構成されるチームの年間運営」、校務分掌を「全校規模の業務における企画・進行管理・関係者調整」というように民間の書式へ置き換え、担当した人数・件数・年数といった数字を桁が合う程度でも入れると、同じ経歴でも見え方が変わります。この翻訳作業は自力だと途中で止まりやすいので、書類添削のあるエージェントか、教員経験の説明が不要な教育業界特化エージェントに担わせるのが早道です。
まとめ
- 教員のサービス選びは知名度順ではなく、年度末退職/職歴「教諭」1行/学校暦のずれ/平日日中に動けないという4つの制約のどれを外したいかで決める
- 大前提として、公立教員は雇用保険の適用除外なので失業手当は出ない。代わりに「失業者の退職手当」があり、勤続12か月以上とハローワークでの求職申込が要件になる
- したがって無職期間を作らない設計が合理的。在職中に動けるサービスと、入職日を交渉できるサービスを組み合わせる
- 使うサービスは6タイプ。在職中に黙って眺められるもの(転職サイト・スカウト型)を1〜2本+担当者が付くもの(総合型・教育業界特化)を1〜2本。最初から5社は破綻する
- 年休は届出で成立し、1時間単位でも取得できる(時季変更権はある)。オンライン面接と長期休業を軸に組めば、在職中でも選考は回せる
- 職歴が「教諭」1行になる問題は自力で唸らない。担当した人数・件数・年数を桁が合う程度に入れて翻訳する作業を、書類添削のあるサービスに担わせる
- 翌年度末で辞めるなら7〜8月の夏季休業が最大の山場。逃したら1年待つ、私学に絞る、講師を挟む、の3択がある
- 「登録した=辞める」ではない。外を見た結果、続けると決めるのも立派な結論。選択肢を持ったうえで選び直せば、明日からの職員室での立ち方が変わる
