教員のiDeCo完全ガイド|公務員の月20,000円を最大化する5つの戦略
教員(公務員)のiDeCoの掛金上限は月20,000円・年240,000円です(2024年12月に月12,000円から引き上げ)。月2万円を拠出すると所得税と住民税が年48,000円減ります(課税所得195〜330万円の場合)。さらに2026年12月1日からは、加入できる年齢と拠出枠を広げる改正が施行される予定です(本記事は2026年8月時点。この改正はまだ施行されていません)。
「iDeCoって教員もできるの?」「月20,000円までしか積み立てられないって本当?」——この記事は、その2つに厚生労働省・国税庁・iDeCo公式(国民年金基金連合会)の一次資料を示しながら答えます。数字にはすべて出典リンクを付けました。
この記事の著者
新川紗世(あらかわ・さよ)|Re-Career株式会社 代表取締役
公立中学校で11年、私立高校で1年、あわせて12年、英語教員として勤務。教員時代に感じた「このままでいいのか」という想いを原点に、教員専門のキャリア支援会社を設立。延べ1,000名以上の教員のキャリア相談に対応。
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教員のiDeCoは月20,000円が上限。所得控除で減る税金は課税所得で決まり、運用成績には左右されません。
掛金の上限月20,000円/年240,000円(2024年12月〜)。「5.5万円 − 共済掛金相当額8千円」の枠内なので、公務員はフルで拠出できます
節税額年48,000円(課税所得195〜330万円)/年72,000円(同330〜695万円)
次の改正2026年12月1日施行予定。加入は70歳未満まで、第2号加入者は共通枠6.2万円へ。まだ施行されていません
最大の落とし穴退職金を先に受け取ると、あとから受け取るiDeCo一時金の退職所得控除は「前年以前19年内」が重複排除の対象。5年空けてもリセットされません
受け取り開始60歳から受け取るには通算加入者等期間が10年以上必要。50代から始める人は要確認
📋 目次
- 教員のiDeCoの基本|公務員の掛金上限が月20,000円になっている理由
- 2026年12月1日からのiDeCo改正|公務員の加入は70歳未満まで、共通枠6.2万円へ(未施行)
- 戦略①:所得控除|運用がゼロでも確実に減る税金はいくらか
- 戦略②:運用益が非課税になる(通常なら20.315%)
- 戦略③:運用商品と手数料の見方|3層かかることを知っておく
- 戦略④:受け取り方|退職金と重なるときの「19年ルール」と「10年ルール」
- 教員が見落としやすいiDeCoの落とし穴6つ
- 戦略⑤:転職・退職したときにやること|iDeCoは持ち運べる
- 教員のiDeCoは「3階部分を自分で作り直す」制度|年金・退職金と並べて考える
- 教員のiDeCoについてよくある質問
- まとめ|「いくら増えるか」ではなく「いくら減らないか」から考える
- 合わせて読みたい|Re-Careerの3大ガイド
Re-Careerに寄せられる老後資金の相談で、いちばん多いのがiDeCo(個人型確定拠出年金)の話です。そして、いちばん誤解が多いのもここです。「教員は月12,000円まで」「5年空ければ退職金と別に控除が使える」——どちらも、いまは正しくありません。
この記事では、教員のiDeCoを活用する5つの戦略を、一次資料の該当箇所を示しながら整理します。裏が取れなかったことは書きません。とくに「年率◯%で◯年運用すれば◯万円」という試算は、この記事には載せていません(理由は戦略②で説明します)。
「iDeCoの本を読んでも「会社員は」「自営業は」ばかりで、公務員の欄がいつも小さいんです。結局、私はいくらまでできるのか、はっきり書いてあるものが見つからなくて。」
——41歳・公立中学校教諭・女性
教員のiDeCoの基本|公務員の掛金上限が月20,000円になっている理由
加入区分ごとの拠出限度額(2024年12月〜の現行制度)
iDeCoの月額拠出限度額は、公的年金の加入区分と勤務先の企業年金の有無で決まります。厚生労働省が公表している一覧を、教員に関係する行にしぼって整理しました。
| 加入区分 | 月額の上限 |
|---|---|
| 自営業・フリーランス等(第1号被保険者) | 68,000円(国民年金基金・付加保険料との合算枠) |
| 会社員で、企業型DC・DB等のいずれにも加入していない | 23,000円 |
| 会社員で、企業型DCのみ/企業型DC+DB等/DB等のみに加入 | 20,000円 |
| 公務員(DB等の他制度のみに加入)=公立学校の教員 | 20,000円 |
| 第2号被保険者に扶養されている配偶者(第3号被保険者) | 23,000円 |
出典:厚生労働省「DB等の他制度掛金相当額の反映後(令和6(2024)年12月〜)」(確定拠出年金の拠出限度額)。同資料の注記に「公務員についても、同様に、月額2.0万円、かつ、共済掛金相当額との合計が月額5.5万円の範囲内で、iDeCoの拠出が可能」と明記されています。
2024年11月までは月12,000円だった|古い情報が今も出回っています
2024年11月以前、公務員のiDeCoの上限は月12,000円(年144,000円)でした。これが2024年12月から月20,000円(年240,000円)に引き上げられています。厚生労働省のリーフレット「2024年12月から、iDeCoの拠出限度額が1.2万円→2万円になります!(国家公務員・地方公務員の皆さまへ)」に、「拠出限度額(年額)が、これまでの14万4千円から24万円に大幅アップします」と書かれています。
ネット上には引き上げ前に書かれた記事がまだたくさん残っています。「教員は月1.2万円まで」という記述を見かけたら、それは2024年11月以前の情報です。
「5.5万円の枠」から共済の分を引いた残りが、自分の枠になる
月20,000円という数字は、単独で決まっているわけではありません。実際の計算式はこうです。
iDeCoの拠出限度額(上限2.0万円)= 月額5.5万円 − 企業型DCの事業主掛金額 − DB等の他制度掛金相当額
公立学校の教員(地方公務員共済)の場合、この「DB等の他制度掛金相当額」にあたるのが共済掛金相当額です。厚生労働省のリーフレットには「見直し後の公務員の共済掛金相当額は8千円となるため、iDeCoには上限(2万円)までの拠出が可能となります」と明記されています(厚生労働省・公務員向けリーフレット)。5.5万円から8千円を引くと4.7万円ですが、iDeCo側に2万円のキャップがあるため、結果として公務員は月20,000円をフルで拠出できます。
一方、私立学校の教員(私学共済)は事情が違います。私立学校教職員共済制度は「DB等の他制度」に含まれており、その掛金相当額は公務員のように一律ではなく個別に評価されます(厚生労働省「DB等の他制度に加入している方(公務員を含む)は、iDeCoの拠出限度額が1.2万円→最大2万円に変わります」)。同資料は「各月の企業型DCの事業主掛金額やDB等の他制度掛金相当額の評価額によっては、iDeCoの拠出限度額が2万円とならない場合があります」と注意を促しています。
自分の拠出限度額を確認する正しい方法
- DB等の他制度掛金相当額は、事業主(人事・福利厚生の担当)に確認するのが正規のルートです(厚生労働省リーフレットに明記)
- 2024年12月以降、個人払込(自分の口座から引き落とし)の場合は、事業主の証明が不要になりました
- 掛金を給与天引き(事業主払込)で納めたい場合だけ、引き続き事業主証明書が必要です
- DB等の他制度に加入している人(公務員を含む)の拠出方法は毎月定額拠出のみ。年単位拠出は選べません
出典:厚生労働省・公務員向けリーフレット/同・DB等加入者向けリーフレット/iDeCo公式「はじめるまでの4つのポイント」
なぜ公務員だけ枠が小さいのか
「公務員は優遇されていないから」ではありません。厚生労働省は改正の趣旨を「他制度に加入する方の拠出限度額について公平を図る」と説明しています(同リーフレット)。つまり、勤務先の年金制度ですでに積み上がっている分を差し引いて、全員が同じ5.5万円の枠を分け合う、という設計です。
公務員の場合、その「すでに積み上がっている分」が退職等年金給付(共済の3階部分)です。2015年10月に共済年金が厚生年金へ一元化されたときに、それまでの職域加算は廃止され、退職等年金給付に切り替わりました。この話は教員の年金は月いくら?試算15〜17万円の内訳と、共済年金の一元化で変わったことで詳しく書いています。
枠が小さいことを「損」と受け取る必要はありません。ただし、その分だけ自分で動かせる余地も小さいのは事実です。だからこそ、限られた2万円をどう使うかが問題になります。
2026年12月1日からのiDeCo改正|公務員の加入は70歳未満まで、共通枠6.2万円へ(未施行)

先に前提を書きます。この改正は、本記事を書いている2026年8月時点で、まだ施行されていません。
根拠は、2025年5月16日に国会へ提出され2025年6月13日に成立した「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律」です(厚生労働省「2025年の制度改正」)。ネット上には「2024年12月の税制改正大綱で決まった」と書いている記事がありますが、iDeCoの拠出限度額と加入可能年齢の引き上げはこの年金制度改正法によるものです。
| 項目 | いま(2026年8月時点・施行済み) | 2026年12月1日施行予定 |
|---|---|---|
| 加入できる年齢 | 原則20歳以上65歳未満(第2号被保険者なら60歳以上65歳未満も加入可) | 60歳以上70歳未満の「第5号加入者」を新設。国民年金被保険者でなくても、一定の要件を満たせば加入・継続拠出できる |
| 第2号加入者(会社員・公務員)の枠 | 企業年金の有無で月2.0万円/2.3万円に分かれている | 企業年金と共通の拠出限度額に一本化し、共通枠を月6.2万円に引き上げ |
| 第1号加入者(自営業等)の枠 | 月6.8万円(国民年金基金等との合算枠) | 国民年金基金との共通枠を月7.5万円に引き上げ |
出典:厚生労働省「2025年の制度改正」/iDeCo公式「2022年・2024年の制度改正の概要」(現行の加入年齢について)
「公務員の上限は◯万円になります」とは、まだ書けません
厚生労働省の説明は「第2号加入者のiDeCoの拠出限度額について、勤務先の企業年金の有無等による差異を解消し、企業年金と共通の拠出限度額に一本化したうえで、この共通拠出限度額について、月額6.2万円に引き上げられます」というものです。
つまり、いまある「iDeCo単独で2万円まで」というキャップがなくなり、共済分と合わせて月6.2万円の共通枠になる、という方向です。ただし、公務員一人ひとりが実際にいくらまで拠出できるようになるかは、共済掛金相当額の扱いを含めて施行時点の取扱いによります。ここで「公務員も月◯万円になります」と具体的な数字を書くことは、この記事ではしません。施行が近づいたら、加入している運営管理機関からの案内と厚生労働省のページで確認してください。
「2027年から」という表記を見かけたら
iDeCoの掛金は原則として翌月に口座から引き落とされます。2026年12月分の掛金は2027年1月の引き落としになるため、金融機関の案内では「2027年1月引き落とし分から」と書かれることがあります。法律の施行日は2026年12月1日です。同じことを別の言い方で書いているだけなので、混乱しないでください。
いま始めておく意味(ただし「今が始めどき」と煽るつもりはありません)
- iDeCoの掛金額は1年(12月分〜翌年11月分)に1回だけ変更できます。口座を持っていれば、枠が広がったときに変更届を出すだけで済みます
- 加入手続きには書類のやりとりが発生します。制度が変わる時期は問い合わせが集中しやすいので、余裕を見ておくほうが無難です
- 逆に、いま家計に余裕がないなら急がなくていいと思います。iDeCoは原則60歳まで引き出せません。生活防衛資金を削ってまで始める制度ではありません
掛金額の変更回数について:iDeCo公式「はじめるまでの4つのポイント」
戦略①:所得控除|運用がゼロでも確実に減る税金はいくらか
掛金は全額が所得控除になる
iDeCoの掛金は全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象になります。iDeCo公式サイトは「仮に毎月の掛金が1万円の場合、その全額が税額軽減の対象となり、所得税(10%)、住民税(10%)とすると年間2.4万円、税金が軽減されます」と説明しています(iDeCo公式「加入者の方へ」)。
この計算をそのまま月20,000円(年240,000円)に当てはめると、次のようになります。
| 課税される所得金額 | 所得税率 | 年24万円を拠出したときの軽減額(所得税+住民税10%) |
|---|---|---|
| 195万円まで | 5% | 36,000円/年 |
| 195万円 〜 330万円 | 10% | 48,000円/年 |
| 330万円 〜 695万円 | 20% | 72,000円/年 |
| 695万円 〜 900万円 | 23% | 79,200円/年 |
所得税率は国税庁 タックスアンサー No.2260「所得税の税率」の速算表。住民税は所得割10%として計算(iDeCo公式・厚生労働省の例と同じ前提)。厚生労働省の公務員向けリーフレットにも「毎月2万円ずつ拠出した場合、所得税率20%、住民税率10%の方は、年間7万2千円の節税効果」と同じ計算が示されています(厚生労働省)。
この表を読むときの4つの注意
- 「課税される所得金額」は年収ではありません。年収から給与所得控除・社会保険料控除・扶養控除などを引いたあとの金額です。年収500万円台の教員なら、扶養の状況にもよりますが課税所得は200万円前後になることが多く、その場合は上の表の1行目(年48,000円)に当たります
- iDeCoは「税金が返ってくる」制度ではなく「課税対象が減る」制度です。減った分だけ税額が下がります
- 課税所得がない人は、掛金の所得控除を受けられません(iDeCo公式に明記)。育休中・休職中で所得が少ない期間は、この効果が小さくなります
- 所得控除は本人の所得からのみで、配偶者の所得からは控除されません(同)
出典:iDeCo公式「iDeCoの特徴」のご注意いただきたいこと
この48,000円は、運用がマイナスでも減らない
iDeCoの話をすると、どうしても「いくら増えるか」に目が行きます。でも私が相談で最初にお伝えするのは、この所得控除のほうです。運用成績がどうであれ、その年に払った税金が確実に減るからです。相場の上げ下げに左右されない部分が最初から確定している、というのは、投資に慣れていない方にとってかなり大きいと思います。
手続きは「払込証明書」を出すだけ
個人払込(自分の口座から引き落とし)にしている場合は、毎年秋ごろに届く「小規模企業共済等掛金払込証明書」を、年末調整の書類と一緒に学校の事務へ提出します。原則として確定申告は不要です。給与天引き(事業主払込)にしている場合は、給与計算のなかで処理されます。
証明書をなくしてしまったときは、国民年金基金連合会に再発行を依頼できます(iDeCo公式「規約・届書様式」の「小規模企業共済等掛金払込証明書再発行申請書(K-024A)」)。年末調整の直前に慌てないよう、届いたら確定申告書類と同じ場所に保管しておくのがおすすめです。
「毎年11月に、事務の先生から「iDeCoの紙は出しましたか」と声をかけてもらえるようになりました。最初の年は封筒を開けずに置いていて、年明けに確定申告するはめになりました。」
——36歳・公立小学校教諭・男性
戦略②:運用益が非課税になる(通常なら20.315%)
通常は20.315%が引かれる
通常、金融商品の運用益には源泉分離課税20.315%がかかります。iDeCoの口座のなかで出た運用益には、この税金がかかりません(iDeCo公式「3つの税制メリット」/厚生労働省リーフレット)。しかも、非課税のまま再投資されます。
長く続けるほど、この差は積み上がります。ただし——ここからが大事なところです。
この記事に「年率◯%で◯年運用すれば◯万円」を載せていない理由
iDeCo公式サイトは、はっきりこう書いています。「確定拠出年金は、将来、受け取れる額があらかじめ確定しているわけではありません」「資産の運用はご自身の責任で行われ、受け取る額は運用成績により変動します」「運用商品の中には、元本が確保されていないものもあります」(iDeCo公式「iDeCoの特徴」)。
「月2万円を年率5%で20年」といった試算は、記事としては見栄えがします。でも、想定利回りを5%から3%に変えるだけで結論は数百万円ずれますし、その5%という数字自体に根拠がありません。当サイトは、根拠を示せない数字は書かない方針です。
自分で試算してみたい方は、iDeCo公式サイトの「かんたん実感!iDeCoシミュレーション」を使ってください。前提となる利回りを自分で入力する形なので、「誰かが決めた5%」ではなく「自分が置いた前提」で数字を見られます。
特別法人税という論点もあります
あまり知られていませんが、確定拠出年金の運用資産には特別法人税という税金がかかることになっています。ただし、現在は課税が停止されています(iDeCo公式)。将来この停止が解除される可能性はゼロではない、ということだけ頭の隅に置いておいてください。「絶対に非課税」ではなく「いまは非課税」です。
戦略③:運用商品と手数料の見方|3層かかることを知っておく
商品は大きく2つに分かれる
iDeCoの運用商品は、iDeCo公式の分類では「元本確保商品」と「投資信託」の2つです(iDeCo公式「はじめるまでの4つのポイント」)。
- 元本確保商品:定期預金・保険商品など。所定の利息が上乗せされます。ただしiDeCo公式は「利息額を手数料が上回る場合があります」と明記しています
- 投資信託:国内債券型/外国債券型/国内株式型/外国株式型のほか、バランス型、REIT(不動産投資信託)、ターゲット・イヤー・ファンドなど
投資信託の運用方法は、市場平均と同じ動きを目指すパッシブ型と、市場平均を上回ることを目指すアクティブ型に分かれます。iDeCo公式は、パッシブ型について「専門家の手間が少ないので手数料(信託報酬)が低く抑えられている投資信託が多いようです」、アクティブ型について「必ずしも市場平均を上回る収益が約束されているわけではありません」と説明しています。
この記事で特定の商品名を挙げない理由
iDeCo公式サイトには「運営管理機関は運用商品の説明は行いますが、特定の運用商品をお勧めすることはできません」と書かれています(iDeCo公式「加入資格・掛金・受取方法等」)。制度の設計としてそうなっている以上、キャリア支援を仕事にしている当サイトが特定のファンド名を「これを買えばいい」と書くのは筋が違うと考えています。
代わりに、判断の材料になる事実だけを置きます。リターンを大きく求めるとリスク(収益の振れ幅)も大きくなり、リスクを小さくするとリターンも小さくなる——iDeCo公式が繰り返し書いているのはこの一点です。どこに落とすかは、ご自身の年齢・収入・すでにある資産で決めることになります。
手数料は3つの機関にかかる
iDeCoの手数料は1か所ではなく、3つの機関にそれぞれかかります。金額が公表されているのは国民年金基金連合会の分だけです(iDeCo公式 よくあるご質問)。
| かかる先 | 金額 |
|---|---|
| 国民年金基金連合会 | 新規に加入者の資格を取得または資産を移換した際に税込2,829円(初回のみ)/加入者は掛金納付の都度 税込105円/掛金の還付が発生した場合は税込1,048円 |
| 運営管理機関(申し込んだ金融機関) | 機関により異なる(iDeCo公式「運営管理機関にお問い合わせください」) |
| 事務委託先金融機関 | 機関により異なる(同上) |
| 運用商品 | 投資信託を選んだ場合は信託報酬がかかる |
「毎月◯円」という合計額を一律に書くことはできません。運営管理機関と事務委託先金融機関の分が機関ごとに違うからです。連合会の分(掛金納付の都度105円)は掛金から差し引かれます。
運営管理機関は現在約160社あり、取り扱う商品もサービスも手数料も異なります。iDeCo公式は「金融機関ごとに取り扱っている運用商品やサービス内容が異なりますので、よく比較検討したうえで」と案内しています(iDeCo公式/運営管理機関一覧)。特定の証券会社名をここで挙げることはしませんが、口座管理手数料は20年・30年と積み上がる固定費なので、比較する価値は十分あります。
もうひとつの落とし穴:商品を選ばないまま放置すると
- iDeCoに加入する時点で、運営管理機関が提示する3〜35商品の中から運用する商品を自分で決める必要があります
- 指定運用方法を用意している運営管理機関では、一定期間(特定期間3か月以上+猶予期間2週間以上)商品を選ばないと、指定運用方法を選択したものとみなされて自動的に購入されます
- つまり「申し込んだけど商品は決めていない」状態でも、掛金は何かに投じられます。加入したら必ず、自分が何を持っているか確認してください
戦略④:受け取り方|退職金と重なるときの「19年ルール」と「10年ルール」
この記事でいちばん誤りの多い箇所です。「5年空ければ退職所得控除がリセットされる」という説明が今もあちこちに残っていますが、教員のケースではほぼ当てはまりません。順に見ていきます。
iDeCoの一時金は「退職所得」とみなされる
国税庁は「確定拠出年金法に規定する企業型年金規約または個人型年金規約に基づいて老齢給付金として支給される一時金なども退職所得とみなされます」としています(国税庁 タックスアンサー No.1420「退職金を受け取ったとき(退職所得)」)。つまり、退職手当と同じ枠を使うことになります。
退職所得控除額の計算式は次のとおりです。
- 勤続年数20年以下:40万円 × 勤続年数(80万円に満たない場合は80万円)
- 勤続年数20年超:800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)
| 勤続年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 20年 | 800万円 |
| 25年 | 1,150万円 |
| 30年 | 1,500万円 |
| 35年 | 1,850万円 |
| 38年 | 2,060万円 |
| 40年 | 2,200万円 |
上記の式に年数を入れて計算した値です。式の出典は国税庁 No.1420。この表は「もらえる退職金の額」ではなく「非課税で受け取れる上限の目安」です。実際の退職手当の額は自治体の条例で決まるため、全国共通の金額は存在しません。
教員がつまずくのは「同じ控除枠を2回使えない」こと
大学卒業から定年まで勤めた教員なら、勤続年数は38年前後になります。上の表でいえば退職所得控除は2,060万円です。退職手当がこの枠のかなりの部分を使ってしまうと、あとから受け取るiDeCoの一時金には、使える控除が残っていないということが起こります。
「教員の退職金は2,000万円を超えるから」といった説明をよく見かけますが、退職手当の額は自治体の条例で決まるため、全国共通の数字は存在しません。ここでは額そのものではなく、控除枠を共有する仕組みのほうを見てください。
【重要】必要な期間は「どちらを先に受け取るか」で違います
ここが最大の分岐点です。国税庁の規定では、勤続期間の重複を排除する対象になる期間が、受け取る順番によって異なります。
| 受け取る順番 | 重複排除の対象になる期間 | 根拠 |
|---|---|---|
| iDeCoの一時金 → そのあとに退職金 | 前年以前9年内(=おおよそ10年空ける必要がある) ※令和8年(2026年)1月1日以後に支払を受けた老齢一時金に限る。それ以前に受け取ったものは前年以前4年内 |
国税庁 No.2735 ロ/国税庁「令和8年版 源泉徴収のあらまし」 |
| 退職金 → そのあとにiDeCoの一時金 | 前年以前19年内 | 国税庁 No.2735 ハ |
「5年空ければリセットされる」は、いまは成り立ちません
- iDeCoが先のケース:もともとは「前年以前4年内」(=5年空ければよい)でした。それが、2026年1月1日以後に支払を受けた老齢一時金については「前年以前9年内」に延びました。実質「5年ルール」が「10年ルール」になった、と言われているのはこれです
- 退職金が先のケース:こちらはもともと「前年以前19年内」です。5年空けても、10年空けても足りません
- したがって、よく紹介される「60歳で退職金 → 65歳でiDeCoを一時金」という組み方では、控除は復活しません。5年という数字がひとり歩きしていますが、この順番のときの根拠条文は19年内です
- 公務員の定年は段階的に引き上げられており、退職の年齢そのものも人によって変わります。「何歳で何を受け取るか」は個別に確認してください
出典:国税庁 タックスアンサー No.2735「同じ年に2か所以上から退職手当等が支払われるとき」(令和7年4月1日現在法令等)/国税庁「令和8年版 源泉徴収のあらまし・税制改正等の内容」
では、どうするか|選択肢を並べます
「これが正解」とは書けません。退職手当の額・勤続年数・退職後の収入で答えが変わるからです。ただ、選べる形は決まっています(iDeCo公式「加入資格・掛金・受取方法等」)。
- iDeCoを年金として受け取る:有期年金(5年以上20年以下)として、公的年金等控除の対象になります。退職所得控除の枠を取り合わずに済みます
- 一時金と年金を組み合わせる:一部を一時金、残りを年金で受け取る方法を扱っている運営管理機関もあります
- 受給開始を遅らせる:受給開始時期は60歳から75歳になるまでの間で選べます(2022年4月から上限が70歳→75歳に延長)
- 個別に相談する:退職手当の見込額は共済組合や勤務先の担当課で、税額の試算は税理士や税務署で確認できます
私が相談を受けていて思うのは、この判断を50代になってから初めて考える方が多すぎるということです。受け取り方は制度上あとから選べますが、選択肢を知らないまま定年を迎えると、実質的に「一括で受け取る」以外の道が消えてしまいます。40代のうちに一度、退職手当の見込額を確認しておくだけでも違います。
「退職金とiDeCoを同じ年に受け取ると損する、というのは知っていました。でも「じゃあ何年空ければいいのか」を調べたら、サイトによって5年と書いてあったり19年と書いてあったりで、どれが本当か分からなくなって。」
——52歳・公立高校教諭・男性
教員が見落としやすいiDeCoの落とし穴6つ

掛金の額や運用商品より先に、確認しておいたほうがいい要件があります。どれもiDeCo公式サイトに書かれていることですが、加入案内では小さく扱われがちなものです。
① 60歳から受け取るには「通算加入者等期間10年以上」が必要
iDeCo公式は「60歳から年金資産を受け取るには、60歳になるまでにiDeCoに加入していた期間等(確定拠出年金の通算加入者等期間)が10年以上、必要です。通算加入者等期間が10年に満たない場合は、受給可能となる年齢が繰り下げられます」としています(iDeCo公式)。
52歳から始めた場合、60歳時点の加入期間は8年です。この場合、60歳では受け取れません。50代から始める方は、ここを最初に確認してください。なお、60歳以上で初めてiDeCoに加入した方は、通算加入者等期間がなくても加入から5年を経過した日から受給できます。
② 年金を繰上げ受給している人は加入できない
「老齢基礎年金、または特別支給の老齢厚生年金を繰り上げ受給している方」はiDeCoに加入できません(iDeCo公式)。また、iDeCoの老齢給付金をすでに受給した方(一括受け取りを含む)も加入できません。早期退職して年金を繰り上げるかどうかを検討している方は、iDeCoとの順番を先に整理しておく必要があります。
③ 公務員は「年単位拠出」を選べない
iDeCoには、年1回以上の任意の月にまとめて拠出する「月別指定(年単位)拠出」という方法がありますが、企業年金制度に加入している方と公務員は選択できません。毎月定額拠出のみです(iDeCo公式)。ボーナス月に多めに、という使い方はできません。
④ 掛金は月5,000円以上・1,000円単位、変更は年1回
掛金は月々5,000円以上、1,000円単位で設定します。変更できるのは1年(12月分〜翌年11月分)に1回だけです(iDeCo公式)。ただし拠出を止めること自体はいつでもできます(その場合は運用指図者になる手続きが必要です)。
⑤ 原則60歳まで引き出せない。脱退の要件は厳しい
iDeCoは「老後の資産形成を目的とした年金制度であるからこそ、税制の優遇が行われることになっています。このため、原則として60歳にならないと個人別管理資産を引き出すことができません」(iDeCo公式)。脱退一時金の要件は、60歳未満であること・国民年金保険料免除者や外国籍の海外居住者等であること・通算拠出期間が1か月以上5年以下または個人別管理資産が25万円以下であることなど、かなり限定的です(iDeCo公式「制度改正の概要」)。
「3年後に住宅の頭金に」という用途には使えません。生活防衛資金と教育費を確保したうえで、その先にある余力で始める制度だと考えてください。
⑥ 課税所得がないと、いちばん大きなメリットが効かない
iDeCo公式は「課税所得がない方は、掛金の所得控除は受けられません」「所得控除は、本人の所得からのみ控除されます。配偶者の所得からは控除されません」と明記しています(iDeCo公式)。育休中・休職中・扶養に入っている期間は、所得控除の効果が小さくなるか、ゼロになります。運用益非課税と受取時の控除は残りますが、iDeCo最大の武器は使えない状態だと理解しておく必要があります。
戦略⑤:転職・退職したときにやること|iDeCoは持ち運べる
辞めても続けられる。ただし届出が要る
iDeCoは、教員を辞めても、転職しても、そのまま続けられます。ただし「就職、転職、退職によって、ご自身の公的年金の被保険者種別が変更となった場合、iDeCoの加入区分も変更となり、届出が必要となります」(iDeCo公式「加入者の方へ」)。
同ページには「iDeCoの加入区分変更の手続きをいただけない場合、掛金の口座振替が一時停止となることもあります」とも書かれています。退職の慌ただしさのなかで後回しにしやすい手続きなので、退職日が決まったら運営管理機関に連絡してください。
転職先によって上限が変わる
| 退職後の立場 | 月額の上限 |
|---|---|
| 公務員のまま(自治体間の異動など) | 20,000円(共済掛金相当額と合算して5.5万円の範囲内) |
| 会社員/企業型DC・DB等のいずれもない | 23,000円 |
| 会社員/企業型DCあり・DB等あり | 20,000円(かつ、事業主の拠出額と合算して5.5万円の範囲内) |
| 自営業・フリーランス(第1号被保険者) | 68,000円(国民年金基金・付加保険料との合算枠) |
| 配偶者の扶養に入る(第3号被保険者) | 23,000円 |
出典:厚生労働省「DB等の他制度掛金相当額の反映後(2024年12月〜)」
上限が上がる転職なら、加入区分の変更届と一緒に掛金額の変更届も出すことで、所得控除の額も増やせます。逆に上限が下がる転職では、掛金の減額調整が必要になります。
扶養に入るときの注意
退職して配偶者の扶養に入る場合、iDeCoは第3号被保険者として月23,000円まで拠出できます。ただし前の章で書いたとおり、所得控除は本人の所得からしか引けません。所得がない期間は、実質的に「運用益非課税」と「受取時の控除」だけを使うことになります。
ここは判断が分かれるところです。所得控除が効かないなら掛金を最低額まで下げて再就職後に戻す、という選択もありますし、非課税で運用できる枠を空けたくないので続ける、という選択もあります。どちらが正解ということはありません。
企業型DCのある会社へ転職する場合
企業型確定拠出年金がある会社に転職する場合、次のどちらかに当てはまるとiDeCoに加入できません(iDeCo公式「加入資格」)。
- 企業型DCの事業主掛金を、各月単位ではなく年単位で拠出している会社の場合
- 事業主掛金に上乗せしてマッチング拠出をしている場合
内定が出たら、人事に「企業型DCの拠出は月単位か年単位か」「マッチング拠出はあるか」を確認しておくと、入社後に慌てずに済みます。転職相談のなかで、ここまで確認している方はほとんどいません。
関連記事:教員の共済組合フル活用ガイド|民間にはない5つのメリットを完全解説
教員のiDeCoは「3階部分を自分で作り直す」制度|年金・退職金と並べて考える

公務員の年金は3階建て。3階は「勤めている間」のもの
公立学校の教員の年金は、1階の国民年金(老齢基礎年金)、2階の厚生年金(老齢厚生年金)、3階の退職等年金給付という3階建てです。2015年10月に共済年金が厚生年金へ一元化され、それまでの職域加算は廃止されました。
この3階部分は、組合員でいる間に積み上がるものです。教員を辞めれば、その時点までの分で止まります(すでに積み上がった分がなくなるわけではありません)。年金の全体像については教員の年金は月いくら?試算15〜17万円の内訳と、共済年金の一元化で変わったことにまとめました。
iDeCoは「職業が変わっても続く3階」
iDeCoの本当の意味は、節税額の大きさよりも持ち運べることにあると私は思っています。公務員のままでも、民間企業に移っても、フリーランスになっても、扶養に入っても、口座は自分のものとして残ります。変わるのは上限額と手続きだけです。
私自身、教員を辞めるときにいちばん怖かったのは「積み上げてきたものが全部リセットされるのではないか」ということでした。実際には、厚生年金の加入期間は通算されますし、共済の3階もそこまでの分は残ります。それでも、辞めた瞬間に増えなくなるものがあるのは事実です。iDeCoは、その部分を自分の判断で埋めていける唯一の器です。
Re-Careerの相談者で、Aさん(30代・元中学校教諭→民間企業の人事)は、退職を決める半年前にiDeCoを始めました。理由は「増やしたいから」ではなく「辞めても続くものを1つ作っておきたかったから」だったそうです。転職後、企業年金のない会社だったため上限は月23,000円に上がりましたが、しばらくは月20,000円のまま据え置いたと聞いています。生活が落ち着くまでは、無理に増やさなかったということです。
iDeCoを始める前に、順番として先に確認したいこと
- 生活防衛資金(当面の生活費)が別に確保できているか。iDeCoは原則60歳まで引き出せません
- 共済貯金・財形など、いつでも引き出せる置き場を先に持っているか
- 退職手当の見込額を一度確認したか(受け取り方の設計はここから始まります)
- 通算加入者等期間が60歳までに10年以上になるか(50代から始める場合は必須の確認)
この4つがクリアできていないなら、iDeCoより先にやることがあります。焦って始める制度ではありません。
「「辞めるかどうか」を決める前に、辞めても残るものと、辞めたら止まるものを紙に書き出しました。それだけで、必要以上に怖がっていた部分がはっきりしました。」
——45歳・公立中学校教諭・女性
教員のiDeCoについてよくある質問
Q. 教員(公務員)のiDeCoの掛金上限はいくらですか?
A. 月20,000円(年240,000円)です。2024年12月から、それまでの月12,000円(年144,000円)より引き上げられました。正確には「月額5.5万円 − 共済掛金相当額」の範囲内で、上限が2万円です。厚生労働省は公務員の共済掛金相当額を8千円としているため、公務員は上限までフルに拠出できます。
Q. 私立学校の教員も月20,000円まで拠出できますか?
A. 公務員と同じとは限りません。私立学校教職員共済制度は「DB等の他制度」に含まれ、その掛金相当額は公務員のような一律の評価ではなく個別に評価されます。厚生労働省も「評価額によっては、iDeCoの拠出限度額が2万円とならない場合があります」と注意を促しています。自分の掛金相当額は、事業主(人事・福利厚生の担当)に確認してください。
Q. 月20,000円を20年続けると、いくらになりますか?
A. この記事では、その試算を載せていません。確定拠出年金は将来受け取れる額があらかじめ確定している制度ではなく、受け取る額は運用成績で変動するからです(iDeCo公式サイトに明記されています)。一方で、所得控除による軽減額は運用成績に関係なく決まります。課税所得195〜330万円の方なら年48,000円、330〜695万円の方なら年72,000円です。
Q. 退職金とiDeCoの一時金は、何年空ければ別々に控除を使えますか?
A. 受け取る順番で違います。iDeCoの一時金を先に受け取ってからあとで退職金を受け取る場合は「前年以前9年内」(2026年1月1日以後に受け取った老齢一時金が対象。それ以前は前年以前4年内)。逆に退職金を先に受け取ってからiDeCoの一時金を受け取る場合は「前年以前19年内」です。教員に多い「60歳で退職金、65歳でiDeCo」という組み方では、5年空けても控除は復活しません。
Q. 育休中もiDeCoを続けられますか?
A. 続けられます。ただし所得控除は本人の所得からのみ控除されるため、所得が少ない期間はこの効果が小さくなります(課税所得がない場合は受けられません)。掛金は月5,000円以上1,000円単位ですので、最低額に下げるか、拠出をいったん止めて運用指図者になるという選択もあります。なお掛金額の変更は1年に1回だけです。
Q. iDeCoの手数料はどれくらいかかりますか?
A. 国民年金基金連合会の分は、新規加入または資産移換の際に税込2,829円(初回のみ)、加入者は掛金納付の都度 税込105円、掛金の還付が発生した場合は税込1,048円です。これに運営管理機関と事務委託先金融機関の手数料が加わりますが、これらは機関ごとに異なるため一律の金額は示せません。運営管理機関は約160社あるので、iDeCo公式サイトの「運営管理機関一覧」で比較してから選んでください。
Q. 50代から始めても間に合いますか?
A. 「間に合うか」は目的によります。ただし制度上の注意点が1つあります。60歳から受け取るには、60歳になるまでの通算加入者等期間が10年以上必要です。10年に満たない場合は受給可能な年齢が繰り下げられます。所得控除の効果は加入した年から毎年発生するので、受け取り開始が遅れても損とは限りませんが、いつから受け取れるのかは先に確認してください。
Q. 2026年12月の改正で、公務員の上限はどうなりますか?
A. 2025年6月13日に成立した年金制度改正法により、2026年12月1日施行予定で、第2号加入者(会社員・公務員)のiDeCoの拠出限度額は企業年金と共通の枠に一本化され、共通枠が月6.2万円に引き上げられます。あわせて加入可能年齢も70歳未満まで広がります。ただし本記事の作成時点(2026年8月)でまだ施行されていません。公務員が実際にいくらまで拠出できるようになるかは、施行時点の取扱いを運営管理機関と厚生労働省のページで確認してください。
FAQの根拠:厚生労働省・公務員向けリーフレット/同・DB等加入者向けリーフレット/厚生労働省「2025年の制度改正」/国税庁 No.2735/iDeCo公式「加入資格・掛金・受取方法等」/iDeCo公式 よくあるご質問
まとめ|「いくら増えるか」ではなく「いくら減らないか」から考える
最後に、この記事で一次資料に当たって確認できたことだけを並べます。
- 公務員(公立学校の教員)のiDeCoの上限は月20,000円・年240,000円。2024年12月から引き上げられた
- 「5.5万円 − 共済掛金相当額8千円」の枠内なので、公務員はフルで拠出できる。私立(私学共済)は個別評価なので2万円に届かない場合がある
- 所得控除による軽減額は、課税所得195〜330万円なら年48,000円、330〜695万円なら年72,000円。これは運用成績に左右されない
- 運用益は非課税(通常は20.315%)。ただし受け取れる額は確定していないので、この記事に利回りを置いた試算は載せていない
- 退職金を先に受け取ると、iDeCo一時金の退職所得控除は「前年以前19年内」が重複排除の対象。5年空けても復活しない
- 60歳から受け取るには通算加入者等期間10年以上が必要。50代から始めるなら最初に確認する
- 2026年12月1日施行予定の改正で、加入は70歳未満まで、第2号加入者は共通枠6.2万円へ。まだ施行されていない
iDeCoは「やったほうがいい制度」ではなく、使える人が使えばいい制度です。原則60歳まで引き出せない以上、いま手元のお金が足りていない人が無理に始めるものではありません。逆に、生活が回っていて課税所得がある人にとっては、運用の巧拙と関係なく毎年数万円が確定で減る、めずらしい仕組みです。
そして——辞めるにしても、続けるにしても、変えるにしても、自分名義で持ち運べるものが1つあることは、判断の自由度を確実に上げます。それが、私がこの制度を教員のみなさんにお伝えしている理由です。
「辞めるが正解じゃない。選択肢を持つことが正解」です。まずは、自分の課税所得と、退職手当の見込額と、通算加入者等期間。この3つを確認するところから始めてみてください。
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