教員を辞めた後の幸せな人生|元教員100人のリアルな声

新川紗世 Re-Career代表

この記事の著者

新川紗世(あらかわ・さよ)|Re-Career株式会社 代表取締役

元公立中学校英語教員(10年以上)。教員時代に病休を経験し退職。その後、教員専門のキャリア支援会社を設立。著書『「やめたいかも」と一度でも思ったら読む 教員の転職思考法』。スタッフ全員が元教員のプロフェッショナル集団として、延べ1000名以上のキャリア支援に携わる。

教員を辞めた後の幸せな人生|元教員100人のリアルな声

「教員を辞めたら、人生は良くなるのだろうか。それとも後悔するのだろうか」——転職を考える教員が、最も知りたいのはこの問いに対するリアルな答えではないでしょうか。

⏱️ 30秒でわかる結論

元教員100人に聞いた「辞めた後の幸せ」は、年収より「時間と人間関係」で実感する人が多い。

幸せ要因1位土日が完全に休める/自分の時間が戻った

幸せ要因2位人間関係のストレスから解放された

年収一時的に下がっても2〜3年で同水準に戻る人が多数

後悔した点「もっと早く辞めればよかった」が最多回答

この記事では、Re-Careerが実施した元教員100人へのアンケート結果をもとに、教員を辞めた後のリアルな声をお届けします。辞めて良かったと感じている人の共通点、後悔している人の特徴、そして幸せなキャリアチェンジのために必要なことを、具体的にお伝えします。

「辞めたら終わり」は本当か

教員を辞めることに対して、「辞めたら終わり」「もったいない」「後悔する」という声は少なくありません。同僚、管理職、家族——周囲からそう言われ、退職を踏みとどまった経験がある方もいるでしょう。

しかし、実際に教員を辞めた方たちの声を集めてみると、その多くが「辞めたら終わり」とはまったく感じていないことが分かります。

もちろん、退職を後悔している方もいます。大切なのは、感情的なイメージではなく、データに基づいた現実を知ることです。

幸せ

アンケートデータ|辞めて良かった人と後悔した人の割合

Re-Careerでは、教員を退職して1年以上が経過した元教員100人にアンケートを実施しました。その結果を紹介します。

「教員を辞めてよかったですか?」

  • 辞めて良かった:72%
  • どちらともいえない:16%
  • 後悔している:12%

約7割の方が「辞めて良かった」と回答しています。一方で、約1割の方が後悔を感じていることも事実です。

「辞めた後の生活に満足していますか?」

  • とても満足している:38%
  • まあ満足している:35%
  • どちらともいえない:15%
  • あまり満足していない:9%
  • まったく満足していない:3%

生活満足度で見ると、73%の方が満足と回答しています。

「辞めた後、心身の健康は改善しましたか?」

  • 大きく改善した:56%
  • やや改善した:28%
  • 変わらない:10%
  • やや悪化した:4%
  • 大きく悪化した:2%

心身の健康については、実に84%の方が改善を実感しています。教員時代の心身の負担がいかに大きかったかを示すデータです。

「このアンケートで最も印象的だったのは、「辞めて後悔している」と答えた方のほとんどが辞めたこと自体を後悔しているのではなく、「もっと準備をしてから辞めればよかった」と回答していた点です」

——Re-Career元教員100人アンケート(2025年実施)

幸せだと感じている人の共通点5つ

辞めて良かったと答えた方々に共通する特徴を分析しました。

共通点1:辞める前に十分な準備をしている

幸せな転職を実現している人の大半は、退職前から転職活動を始め、次のキャリアが決まった状態で退職しています。「辞めてから考えよう」ではなく、「準備ができてから辞めよう」というスタンスが成功の土台になっています。

共通点2:教員経験を前向きに捉えている

「教員しかやったことがない」ではなく、「教員で培ったスキルは多い」と認識している方は、転職後も自信を持って新しい仕事に取り組んでいます。教員経験を「過去」ではなく「資産」として捉える姿勢が重要です。

共通点3:完璧を求めず、段階的に進んでいる

「最初から理想の職場を見つけなければ」と焦るのではなく、「まずは新しい環境に飛び込んでみよう」という柔軟さを持っている方が、結果的に満足度の高いキャリアを築いています。

共通点4:専門家の支援を受けている

転職エージェントやキャリアカウンセラーなど、プロの支援を受けた方は、一人で活動した方に比べて満足度が高い傾向があります。とくに教員特有の事情を理解している専門家の存在が大きいようです。

共通点5:「逃げ」ではなく「選択」として決断している

「教員から逃げたい」という動機だけで退職した場合、次の職場でも同じような不満を抱えやすくなります。一方、「自分の人生をより良くするための前向きな選択」として退職を決断した方は、転職後の満足度が高い傾向にあります。

後悔している人の共通点3つ

退職を後悔していると答えた方にも、共通する特徴がありました。

共通点1:準備不足で辞めてしまった

勢いで退職してしまい、次のキャリアが決まらないまま無職期間が長引いたケースです。経済的な不安が精神的な焦りを生み、結果として条件の合わない仕事に就いてしまうパターンが見られます。

共通点2:教員の仕事自体は好きだった

「教えることは好きだが、長時間労働が辛い」「生徒は好きだが、校務分掌が多すぎる」——仕事内容ではなく労働環境に不満があった方が、環境改善の選択肢(異動申請、非常勤切替など)を検討せずに辞めてしまったケースです。

共通点3:転職後の現実とのギャップが大きかった

民間企業の文化や働き方について事前のリサーチが不足しており、「思っていたのと違った」と感じるケースです。とくに、教員時代の安定した身分や福利厚生を失ったことへの喪失感が大きい方に多く見られます。

「後悔を減らす最大のポイントは「情報収集」です。転職先の業界研究、先に転職した元教員の話を聞くこと、そして自分の本当の不満が何かを見極めること。この3つができていれば、大きな後悔は生まれにくい」

——筆者(新川紗世)

ビジネスウーマン

元教員のリアルな声

アンケートに寄せられた元教員のリアルな声を紹介します。

辞めて良かった派の声

「毎朝、目覚まし時計が鳴る前に自然に起きられるようになりました。教員時代は日曜の夜から胃が痛くなっていたのが嘘のようです」(30代女性・元中学校教員→EdTech企業)

「年収は50万円ほど下がりましたが、残業がほぼゼロになったので時給換算では上がりました。何より、家族と過ごす時間が圧倒的に増えたことが一番の幸せです」(40代男性・元高校教員→研修会社)

「教員時代は自分の意見を言うことすら許されない雰囲気がありましたが、今の職場では自由にアイデアを出し合える環境です。こんなに楽しく働けるとは思いませんでした」(20代女性・元小学校教員→人材会社)

「子どもが好きなので辞めることに抵抗がありましたが、今はNPOで教育支援に携わっています。教員とは違った角度から子どもたちに関われて、とても充実しています」(30代男性・元特別支援学校教員→教育NPO)

「正直、最初の3ヶ月は不安でいっぱいでした。でも半年経った頃から、仕事のやり方が分かってきて一気に楽しくなりました。あの時、勇気を出して辞めて本当に良かった」(30代女性・元小学校教員→IT企業)

どちらともいえない派の声

「仕事のストレスは減りましたが、たまに教壇に立ちたくなります。非常勤で授業だけ持てないかなと考えることもあります」(40代男性・元中学校教員→行政職)

「生活は楽になりましたが、教員時代の仲間との繋がりが薄くなったのは寂しいです。退職後も教員コミュニティに参加するようにしています」(30代女性・元高校教員→出版社)

後悔派の声

「辞める準備をほとんどせずに辞めてしまいました。もっと計画的に動いていれば、こんなに苦労しなかったと思います」(30代男性・元中学校教員→現在求職中)

「民間企業のスピード感についていけず、半年で体調を崩しました。辞める前にもっと業界研究をしておけばよかった」(40代女性・元小学校教員→事務職)

幸せなキャリアチェンジのために

ここまでのデータと声を踏まえて、幸せなキャリアチェンジを実現するために必要なことを整理します。

1. 自分の「本当の不満」を見極める

教員を辞めたい理由が「長時間労働」なのか「仕事内容そのもの」なのかで、取るべきアクションは大きく変わります。環境要因であれば、異動や非常勤切替で解決する可能性もあります。

2. 在職中に転職活動を始める

経済的な基盤がある状態で転職活動を行うことで、焦らず自分に合った職場を選べます。退職してからの転職活動は、精神的にも経済的にも追い込まれやすいため注意が必要です。

3. 教員経験の価値を正しく理解する

プレゼン力、マネジメント力、コミュニケーション力——教員として当たり前にやってきたことが、ビジネスの世界では高く評価されます。自分のスキルを過小評価しないでください。

4. 先に転職した元教員の話を聞く

同じ背景を持つ先輩の経験談は、何よりも参考になります。転職エージェントや元教員コミュニティを活用して、リアルな情報を集めましょう。

5. 専門家の力を借りる

教員の転職に詳しいキャリアアドバイザーの存在は、転職の成否を大きく左右します。一般的な転職エージェントでは教員の経験が正しく評価されないこともあるため、教員専門の支援を受けることをおすすめします。

「教員を辞めること自体が幸せなのではありません。辞めた先に、自分が望む生き方を見つけられるかどうかが大切です。そのためには準備と情報収集が欠かせない」

——筆者(新川紗世)

前向き1

筆者メッセージ

教員を辞めるかどうか迷っている先生方へ。

この記事で紹介したアンケートの結果は、一つの参考データに過ぎません。大切なのは、他の人の結果ではなく、「あなた自身がどう生きたいか」です。

私は教員を辞めて起業するという道を選びました。決して楽な道ではありませんでしたが、今は心からこの選択を良かったと思っています。それは「起業が正解だったから」ではなく、「自分で決断して、自分の人生を歩んでいるから」です。

辞めるにせよ続けるにせよ、自分で選んだ道を歩むこと。それが幸せなキャリアの本質だと、私は信じています。

もし一人で答えが出ないなら、私たちに相談してください。元教員としての経験を持つスタッフが、あなたの声に真剣に耳を傾けます。

「辞めて良かった」ランキングTOP10

Re-Careerが元教員100人にアンケートを取った中で、「辞めて良かったこと」として挙がった項目をランキング形式でまとめました。

1位:土日が完全に休めるようになった

圧倒的な1位がこれでした。「土曜の朝、何の予定もない解放感」を初めて知った、という声が多数寄せられています。教員時代に部活動や行事準備で潰れていた週末が、自分と家族のものになる――これは想像以上に人生を変える出来事です。

2位:心身の不調が改善した

頭痛、不眠、胃痛、無気力――教員時代に当たり前になっていた不調が消えた、という方がたくさんいました。「あの不調は仕事のせいだったんだ」と退職後に気づくケースが非常に多いです。

3位:家族との時間が増えた

「子どもの寝顔ばかり見ていた生活が、笑顔と一緒に過ごす生活に変わった」という声が印象的でした。

4位:自分のために時間を使えるようになった

趣味、運動、学び直し、読書――「自分の時間」が戻ってきたことを実感する方が多数派でした。

5位:精神的な余裕が生まれた

常に何かに追われている感覚から解放され、「心の中に余白ができた」という表現がよく使われていました。

6位:新しい人間関係が広がった

教員時代は学校内の人間関係が世界のすべてになりがちですが、転職後は様々な業界の人と接する機会が増え、世界が広がったという声がありました。

7位:自分の成長を感じられるようになった

「教員時代は『毎年同じことの繰り返し』に感じていたが、転職後は新しいスキルを習得し続けている実感がある」という方が多くいました。

8位:理不尽なクレームから解放された

保護者からの理不尽なクレームに悩まされていた方ほど、「あの恐怖がなくなったことの幸せ」を強く感じています。

9位:年収が上がった(一部の人)

全員ではありませんが、転職後に年収が上がった方も一定数います。特にIT・人材・営業職へ転職した方に多い傾向です。

10位:「働く理由」が見つかった

「教員時代は『辞められないから働く』状態だったが、転職後は『これがやりたいから働く』に変わった」という声がありました。

「後悔したこと」ランキングTOP5

一方で、後悔の声もありました。これらは事前に知っておけば対策できることばかりです。

1位:もっと早く動けばよかった

圧倒的な1位がこれでした。「あと5年早く決断していたら、もっと違うキャリアが歩めたかもしれない」という後悔は、年齢が上がるほど強くなる傾向があります。

2位:教員時代の人間関係が消えた

毎日顔を合わせていた同僚との関係が、退職後はほぼゼロになる、という声がありました。「あの仲間意識は教員という共通体験があってこそだった」と気づく方が多いです。

3位:「先生」と呼ばれなくなった寂しさ

意外な後悔ですが、元教員の多くが感じる感覚です。「先生という肩書きが、自分のアイデンティティになっていた」と気づく瞬間があるそうです。

4位:年収が下がった

転職後、初年度は年収が下がるケースが多いです。事前に貯金や生活費の見直しをしていなかった方ほど、後悔が強い傾向があります。

5位:教員時代の経験を活かしきれなかった

「もっと自分のスキルを翻訳して伝えるべきだった」と感じる方がいます。これは転職活動の準備で防げる後悔です。

家族の反応エピソード

「夫に転職の決意を伝えたとき、最初は戸惑っていましたが『やっと笑顔の君が戻ってきた』と言われた瞬間、決断して良かったと心から思いました。」

——元小学校教員(40代女性)

「子どもから『お父さん、最近怒らなくなったね』と言われました。それまで気づかなかったけれど、教員時代の自分は家でも疲弊していたんだと痛感しました。」

——元中学校教員(40代男性)

「私の母が長年教員だったので、辞めることを最初は反対されました。でも、私の顔色が良くなっていくのを見て、半年後には『あなたの選択は正しかった』と言ってくれました。」

——元高校教員(30代女性)

「もう一度教員に戻りたい?」アンケート結果

100人の元教員に「もし今からもう一度、教員に戻れるとしたら戻りたいですか?」と聞いてみました。結果は以下の通りです。

「戻りたくない」:72人
「条件次第では戻りたい」:21人
「戻りたい」:7人

「条件次第」と答えた方の多くが、「働き方改革が本当に進めば」「部活動指導が任意になれば」「保護者対応が変われば」といった条件を挙げていました。「戻りたい」と答えた方は、子どもとの関わりへの愛着が強い方々でした。

このデータが示すのは、「教員という仕事そのものが嫌いになった人は少ない」ということです。多くの元教員が、教員の仕事に誇りを持ちつつも、現在の構造的な問題に耐えられず離職している――その現実が浮かび上がります。

よくある質問(Q&A)

Q1. 辞めて後悔する人は本当に少ないのですか?

Re-Careerのアンケートでは、「全体的に見て後悔している」と答えた方は1割未満でした。多くの方が「辛い時期もあったが、辞めてよかった」と振り返っています。

Q2. 辞めた後の人生設計はどう立てればいいですか?

まずは「3ヶ月後・1年後・3年後」の3段階で考えると整理しやすいです。3ヶ月後は休養と準備、1年後は新しい仕事への定着、3年後はキャリアの方向性――このスパンで見ると、無理なく動けます。

Q3. 教員以外に活かせるスキルが本当にあるのか不安です

あります。「人前で話す力」「複数の業務を同時進行する力」「相手の状態を察する力」「文章を書く力」――これらはすべて教員の日常で鍛えられたスキルで、ビジネスの現場でも高く評価されます。

Q4. 周りに元教員の知り合いがいません。話を聞くにはどうすればいいですか?

Re-Careerでは、元教員のスタッフが無料相談をお受けしています。同じ経験をしてきた人になら話せること、きっとあるはずです。「辞める/辞めない」を決めなくても構いませんので、まずは話を聴かせてください。

まとめ

  • 元教員100人アンケートでは、72%が「辞めて良かった」と回答
  • 心身の健康は84%が改善を実感。教員時代の負担の大きさが明らかに
  • 幸せな転職者の共通点は「十分な準備」「前向きな姿勢」「専門家の支援」
  • 後悔している人に共通するのは「準備不足」「リサーチ不足」「勢いで退職」
  • 幸せなキャリアチェンジの鍵は、自分の本当の不満を見極め、在職中に準備を始めること
Re-Career代表 新川紗世
元教員が運営するキャリア支援

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