「辞めたいと思った時期が、たまたま40代だっただけ」人生後半を選び直した話
新川:
今日は、SSプログラムのコーチとして関わってくれている
まさえさんに来てもらっています。
改めて、よろしくお願いします。
— まさえさん:
はい、よろしくお願いします。
新川:
もう何年の付き合いになりますかね。
最初に出会った頃から考えると。
— まさえさん:
そうですね…気づいたら、結構経ちましたね。
新川:
まずは簡単に自己紹介、お願いしてもいいですか?
— まさえさん:
はい。
今は岡山県に住んでいます。
2023年の3月まで、高校で英語を21年間教えていました。
それで今は、正規教員を辞めて、SSのコーチや塾の経営などをしています。
新川:
21年。
数字で聞くと、やっぱりすごいですよね。
— まさえさん:
長いですよね(笑)
しかも、かなり田舎です。
鳥取県との県境くらいのところで。
新川:
その場所から、今こうして一緒に仕事できてるのが
私はすごく嬉しいなと思っています。
— まさえさん:
私も嬉しいです。

「先生になりたかったわけじゃない」
新川:
そもそもなんですけど、
英語の先生になろうって、最初から思ってましたか?
— まさえさん:
全然思ってなかったです。
新川:
即答ですね。
— まさえさん:
小学校の頃に、夢くらいはあったかもしれないですけど、
本気で目指してたわけじゃなくて。
新川:
じゃあ、どうして教員に?
— まさえさん:
大学で教職が取れる環境があって、
それも親に勧められたから、という感じです。
新川:
ちなみにご専攻は、ロシア語でしたよね。
— まさえさん:
そうなんです(笑)
新川:
なかなか聞かないですよね。
— まさえさん:
しかも、高校時代は英語が苦手で……。
正直、落ちこぼれでした。
新川:
それで英語の先生になるって、
今聞いている人たち、結構びっくりしてると思います。
— まさえさん:
そうですよね(笑)
中学の英語が好きで、
ちょっと調子に乗ってレベル高い高校に行ったら
全然ついていけなくなって。
新川:
あるあるですね…。
— まさえさん:
浪人した時に、改めて英語を勉強して
「あ、ちょっと分かるかも」って思えたのが
最初のきっかけです。
教育実習で変わった気持ち
新川:
先生になろうって思った決定打はなんですか?
— まさえさん:
教育実習ですね。
授業は、正直めちゃくちゃ大変でした。
でも、生徒との関わりがすごく楽しかったんです。
新川:
授業そのものより?
— まさえさん:
はい。
話しかけてくれたり、ちょっとした相談をしてくれたりするのが嬉しかったですね。
新川:
「教える」より「関わる」が好きだった。
— まさえさん:
そうだと思います。
授業だけだったら、続いてなかったかもしれないです。

「向いてた」のは英語が苦手な子たち
新川:
実際に教員になってからは、
どんな現場が印象に残ってますか?
— まさえさん:
講師の期間が長くて、
最初は工業高校の定時制でした。
新川:
定時制、かなり世界が違いますよね。
— まさえさん:
本当に。
不登校だった子もいれば、
私と同じくらいの年齢の人、
60代の生徒さんもいて。
新川:
幅がすごい。
— まさえさん:
英語が嫌いな子ばっかりでしたけど、
「どうしたらちょっとでも興味持ってくれるかな」
って考えるのが楽しかったんです。
新川:
得意な子より、苦手な子のほうが、合っていたんですね?
— まさえさん:
圧倒的に。
そのほうが、変化が見えるんですよね。
少しずつ積み重なった違和感
新川:
そんなふうにやりがいを感じていた中で、
辞めようと思ったのは、どんなきっかけでしたか?
— まさえさん:
一気に、というより、少しずつですね……。
新川:
そうなんですね。
— まさえさん:
生徒も、保護者も、
求められる対応がどんどん増えて、気づいたら、余裕がなくなっていました。
新川:
「生徒と向き合いたくて先生になったのに」
っていうズレ、ありますよね。
— まさえさん:
そうなんです。
教材研究もできないし、生徒と話す時間もないという状態でした。
新川:
決定的だったことってありますか?
— まさえさん:
進学校への異動ですね。
私は実業系が好きだったので、受験中心の英語が、だんだん楽しくなくなって。
新川:
学校の中での役職も増えてきますしね。
— まさえさん:
そうなんです。
英語は嫌いじゃない。
でも、それを大事にする時間がない。
「もう、十分やったかな」と思うようになりました。

「辞めたい」は決まっていた
新川:
辞めるとき、迷いはありましたか?
— まさえさん:
自分の中では、結構決まっていました。
ただ、親に止められましたね。
新川:
そこ、みんな一番引っかかるところです。
— まさえさん:
「辞めた後どうするの?」って。
だから、「やりたいこと」より「できること」で考えました。
新川:
それが英語コーチだったんですね。
— まさえさん:
はい。
それで、ちょうど新川さんと出会いました。
SSで感じた「面白さ」
新川:
SSを受けた時の印象、覚えてます?
— まさえさん:
正直、
「コーチって何する人?」って感じでした(笑)
新川:
よく言われます。
— まさえさん:
自分と向き合う、っていうのもほとんどやってこなかったので。
新川:
大変じゃなかったですか?
— まさえさん:
大変でしたけど、それ以上に、面白かったです。
新川:
「面白い」が出てきたの、私はすごく印象に残ってます。
— まさえさん:
自分のことが、少しずつ分かってくる感じがあって。
それが新鮮でした。
変わったのは「自分への信頼」
新川:
一番変わったなって思うところは?
— まさえさん:
自分の考えに、少し自信が持てるようになりました。
新川:
うん。
— まさえさん:
人がどう思うかで自分を出せなかった部分が、だいぶ減ったと思います。
新川:
「人は人、自分は自分」ですね。
— まさえさん:
はい。
それができるようになったのは、
自分を知ったからかなって。

今の働き方と、伝えたいこと
新川:
今は、いろんな働き方をされてますよね。
— まさえさん:
地元で塾をやって、オンラインで英語も教えて、週2日だけ学校にも行ってます。
新川:
この働き方、どうですか?
— まさえさん:
楽しいです。
関わる人は違うけど、全部「人と向き合う仕事」なので。
読者へのメッセージ
新川:
最後に、40代で立ち止まっている人へメッセージをお願いしてもいいですか?
— まさえさん:
年齢は、本当に気にしなくていいと思います。
辞めたいと思った時期が、たまたま40代だっただけで。
新川:
そこ、すごく大事ですね。
— まさえさん:
人生、まだ半分あるなって思ったら、残り半分、何しようってワクワクしたんです。
新川:
それだけで、救われる人、たくさんいると思います!
本当に心強い言葉ですね。
今日はありがとうございました。

